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第一幕 終焉の物語と殉教者たち
一:④
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「私が一番のファンだからねぇ・・・・・・。遥が見た“光景”を、そのままで届けたいのよ」
身振り手振りでの力説に、遥はクツクツと笑う。
「じゃあ、俺たちの疑問に答えられるってこと?」
聡の問いに関して、遥は苦笑する。
「全ては難しいよ? 何しろ、アレは夢。私目線から見渡した空想世界なんだから、答えられることに限りがあるよ」
すると、今度は古屋夫婦が交互に問いかけてきた。
「柊先生が執筆しているナイ・シーシリーズ、未だ完結していないで続いているってことは、関連の夢を見ているってこと?」
「さわりだけでもちょっと聞きたいな」
請われて、遥は友香をちらりと視線を向けると頷いたので、肯定するように頷いた。
「詳しくは、友香が脱稿してからだと思ったけど、毎日のように見ているよ。そして、なんと! 昨日見た夢の舞台は日本です」
「へぇ・・・・・・珍しいの? 西荻さん」
興味深そうに身を乗り出した穂乃花と、目を丸くした友香は視線を交わす。
「うん、珍しいと思うよ? ね、遥!」
「そうだね、なんでか、夢なのに私たちの住むこの地球と理の違う世界が殆どだったから、夢の中の“わたし”も、色々確認するために、周囲を見渡したものね」
「・・・・・・で、どんな内容だったんスか?」
聡の催促に、遥は眉間に皺を寄せて首を傾げた。
「読み物になりそうに無い内容だったなぁ」
ぽつりと呟くようにそう返すと、今度は陸郎が面白そうに顔をほころばせる。
「で?」
催促されて、遥は天井へと視線を投げながら、一つ一つ思い出すようにゆっくりと説明した。
「場所は日本だけど、何処かはわからないんだよね。ただとても綺麗な場所だったよ。様々な花が咲き乱れていたけど、一番多かったのは梅と桜と桃。そこに、縄文時代か飛鳥時代に着られていた衣装を纏った人たちが戦装束を身につけているんだよ。・・・・・・そう、結構な数だったよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「容姿は私たちにとって親しみを感じるもので、こう特別造作が良いというわけじゃなかったけど、ただ、見た感じただ者じゃないんだろうなぁというのがわかる、威厳? そんなものがあった」
「・・・・・・」
「彼らの周囲には、多くの小人が居てね? こちらの方が余程造作が整っていたよ。こちらも、どちらかというと私たち日本の、民族衣装に近いかな? 老若男女様々で着物を着ている人から、現代の洋服を着ている人もいるけど、現代の洋装をしている小人はとっても少なかったように思う。彼らは何かに驚き、大騒ぎしていた。泣いてもいた。けれど彼らを激励もしていた。話している内容は殆ど聞こえなかったけど、小人たちを諭してもいた。“わたし”は随分離れていて、ただぼんやりとその光景をみていたんだけどね、彼らの内の一人が気が付いて、小走りで近づいてきたんだ」
「遥に気が付いたの?」
「うん。そして、言うんだよ、わたしが“何だ”って。だから答えた。彼らとは違う、小人たちとも違う。日本人だって。そしたら随分と驚かれて、わたしの周りを興味深そうにくるくる回りながら観察し、首を傾げながら、そうなのか? と、逆に聞き返してきた。いや、それしか言いようがないでしょ? わたしが、困惑しているのに気が付いたその人はね、後ろへ振り返って、手で招いた。彼の仲間をね。そしたら、小人たちに説明をしていた彼らの代表の一人が、わたしの所へ来てさ、彼から説明を受けて、再び周囲を回って首を傾げつつ、後から来た人たちと、色々意見交換したあと、説明してくれたんだ。・・・・・・なんでも、世界規模の危機が訪れると。抵抗手段は、我らのような存在でしかなくて、戦いに勝利するしか未来が勝ち取れないと」
黙って聞いていた梓が理解できないと言わないばかりに首を傾げる。眉間に人差し指を当て、押し伸ばすようにしてしながらだ。
「・・・・・・・・・・・・・・へ?どこら変に存亡の危機?」
「それが、私も良くわからなくて。日常では、近隣諸国とそこまで仲が良いとはいえない我が国・日本だけど、戦争するまでもないでしょ?」
「だよなぁ。いたって平穏で、特に不安を覚える様な事もなくて。地球上の何処かで紛争があっているとはいえ、それは俺たちの住む国じゃない。そういう認識だけど」
次に整えられた顎の髭を扱きながら、確認するかのように、遥を見る。応えるように頷くと、「私も同じく」と返す。
「私が解っていないのをそのままに、彼らは時間がないと、何度も何度も口にしながら、そうして、指さしたんだ。そして、こう言った。七つの昼と夜。我らが勝利する事を祈りながら、疎開先で待っていて欲しいと。我が国は幸い貴女が居た。・・・・・・我らの愛おしい子供たちを守ることが出来る貴女。・・・・・・我らの権能を伝えることで、守護の一手となるのならば、吝かではない。そういって、彼は興味深そうにこちらへと視線を向けていた、彼の仲間たちを呼び寄せると、私の額に掌を当てては、交代して・・・・・・というのを繰り返してね、気が付いたら朝だった。結局何が世界規模の危機で、彼らが何と戦おうとしていて、私に託そうとしていた子供たちというのが誰かも解らず、小人たちが何を嘆き、激励していたのかも不明」
陸郎は、苦笑しながら肩を竦めた。
「折角の日本が舞台のようなのに、それじゃあ解らんなぁ」
と、遥に同意する。椿姫は、「でも」と声を上げた。
「ただ者じゃない感じの人たちで、飛鳥・縄文時代っぽい服装のって言って、ぱっと思いつくのは日本神話の登場人物じゃない?」
思わず遥は今回ナイト・シーカーシリーズの漫画化に携わった面々を順繰りに見渡す。
「日本を守護する神様かぁ・・・・・・。え、ただの夢なのに、何故神様が?!」
「遥、昨日、その手の本やテレビ、見た? ほらっ、夢って、自分が見たモノが出てくるっていうでしょ」
友香の確認するような問いかけに、遥は否とばかりに首を横に振る。
「昨日は仕事が残業で、へろへろになって帰ってきたけど、友香が今日打ち上げするっていっていたから、そのことが楽しみで乗り切れた感じ? 古屋先生のおうちご飯が食べれるってこともすごく嬉しくて、頭の中は食べ物一色だったけどなにか?」
「つまり、欠片もそういう関連の情報が最近入ってないってことだね?」
陸郎の問いに対して、大きく頷くと、隣で難しそうな表情で考え込んでいる様子の梓へと振り返る。
「梓?」
「ちょっとまって。なんか無視していい事じゃない気がしているのよ。・・・・・・確認の為に占っていい?」
遥は友香を振り返り、一つ承諾のために頷き、友香は興味深そうに「遥だけ?」と聞いてくる。
「いや、全員だよ。夢の内容を考えると、ここに居る全員を見る。西荻さんは一番最後。・・・・・・あとは・・・・・・今回参加しながらも、別行動しているアシの一人の高梨と、今回全然関わっていないわたしの大学時代の先輩をを、代表で占ってみる」
茶化せるような様子でないことから、少し離れた場所で、お茶を入れていた聡と、自分もとでも言わないばかりに、湯飲みを差し出していた穂乃花、スナック菓子の袋を開けていた椿姫が、揃って梓の側に寄ってきた。元々側にいた陸郎は梓の背後から覗き込み、料理が盛りつけられた大皿を挟んで正面に座っていた友香と遥は、やや伸び上がるように梓の手元を注視する。梓は背後のタンスの冗談に納められていた、トランプとタロットカードを取り出すと、テーブルの上を全員で隅に寄せたり片づけたりしてスペースを開けると「自己流だから」と言いおいて、全部を混ぜて伏せた。それを興味深そうに見守る。
「詳しく占う場合は、形に乗っ取った配置に置くんだけど、簡易だからね? 現在進行形の状況を見るよ。やり方は簡単、取ったカードの向きさえ動かさないように注意して伏せたまま取って。神経衰弱の要領だよ。取るカードは二枚。タロットカードとトランプね? じゃあ、陸郎から時計回りで。高梨さんと先輩の分は、わたしが一緒に取る。わたしの後に柊先生ね? そして最後が西荻さん」
説明を受けて、それぞれ順番に広げられたカードを手元に手繰る。全員それぞれ一枚づつ引くと、向きが変わらないように伏せられたカードをめくった。梓はめくられてトランプの数字や、タロットカードの柄が明らかになった全員のカードを見渡し手元のカードを見つめる。
「うわぁ・・・・・・」
思わずといっても言わないばかりの声に顔をあげた梓は、遥のカードを見て、顔を歪めた。
「白紙とジョーカー・・・・・・」
思わず呟く。梓自身は自分のカードに視線を落とす。そこにはハートのQと太陽の逆位置があった。梓の正面に座っている友香は正位置の恋人とクローバーのK。横に座っている陸郎はダイヤのQで逆位置の愚者。聡はダイヤのAで月。椿姫はスペードのAで皇帝だ。そして穂乃花はスペードのKで世界の逆位置。梓は再び手元のカードを見つめる。アシスタントの代表で高梨と、全く今回に関係ないとして、思いついた大学時代の先輩の二名分だ。が、高梨の分は梓たちと似たり寄ったりの結果だ。が、先輩の分は、すこぶる悪い。タワーの正位置だ。梓は念のためと、氏名を知っていて生年月日の解る友人たちを片っ端から占った。どれも結果が似たり寄ったりだ。梓は流石に無視できないと頭を抱えた。
「梓?」
恐る恐る声をかけたのは、夫である陸郎だ。梓は顔を強ばらせて頭を片手でかきむしると、深いため息を吐く。
「ただの夢じゃないかもなのよ。・・・・・・何が起ころうとしているのか不明。わたしたちが対処できるかも、その手段を持っているのかすらも謎!けど、どういう基準か不明なんだけど、今回この打ち上げに参加した面々は、これといって、環境の変化や変動が周囲に起こるっていういみだけれど、それ以外は凶兆を示すカードばかり。・・・・・・ねぇ、西荻さん、何かこの違いで解ることある?」
身振り手振りでの力説に、遥はクツクツと笑う。
「じゃあ、俺たちの疑問に答えられるってこと?」
聡の問いに関して、遥は苦笑する。
「全ては難しいよ? 何しろ、アレは夢。私目線から見渡した空想世界なんだから、答えられることに限りがあるよ」
すると、今度は古屋夫婦が交互に問いかけてきた。
「柊先生が執筆しているナイ・シーシリーズ、未だ完結していないで続いているってことは、関連の夢を見ているってこと?」
「さわりだけでもちょっと聞きたいな」
請われて、遥は友香をちらりと視線を向けると頷いたので、肯定するように頷いた。
「詳しくは、友香が脱稿してからだと思ったけど、毎日のように見ているよ。そして、なんと! 昨日見た夢の舞台は日本です」
「へぇ・・・・・・珍しいの? 西荻さん」
興味深そうに身を乗り出した穂乃花と、目を丸くした友香は視線を交わす。
「うん、珍しいと思うよ? ね、遥!」
「そうだね、なんでか、夢なのに私たちの住むこの地球と理の違う世界が殆どだったから、夢の中の“わたし”も、色々確認するために、周囲を見渡したものね」
「・・・・・・で、どんな内容だったんスか?」
聡の催促に、遥は眉間に皺を寄せて首を傾げた。
「読み物になりそうに無い内容だったなぁ」
ぽつりと呟くようにそう返すと、今度は陸郎が面白そうに顔をほころばせる。
「で?」
催促されて、遥は天井へと視線を投げながら、一つ一つ思い出すようにゆっくりと説明した。
「場所は日本だけど、何処かはわからないんだよね。ただとても綺麗な場所だったよ。様々な花が咲き乱れていたけど、一番多かったのは梅と桜と桃。そこに、縄文時代か飛鳥時代に着られていた衣装を纏った人たちが戦装束を身につけているんだよ。・・・・・・そう、結構な数だったよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「容姿は私たちにとって親しみを感じるもので、こう特別造作が良いというわけじゃなかったけど、ただ、見た感じただ者じゃないんだろうなぁというのがわかる、威厳? そんなものがあった」
「・・・・・・」
「彼らの周囲には、多くの小人が居てね? こちらの方が余程造作が整っていたよ。こちらも、どちらかというと私たち日本の、民族衣装に近いかな? 老若男女様々で着物を着ている人から、現代の洋服を着ている人もいるけど、現代の洋装をしている小人はとっても少なかったように思う。彼らは何かに驚き、大騒ぎしていた。泣いてもいた。けれど彼らを激励もしていた。話している内容は殆ど聞こえなかったけど、小人たちを諭してもいた。“わたし”は随分離れていて、ただぼんやりとその光景をみていたんだけどね、彼らの内の一人が気が付いて、小走りで近づいてきたんだ」
「遥に気が付いたの?」
「うん。そして、言うんだよ、わたしが“何だ”って。だから答えた。彼らとは違う、小人たちとも違う。日本人だって。そしたら随分と驚かれて、わたしの周りを興味深そうにくるくる回りながら観察し、首を傾げながら、そうなのか? と、逆に聞き返してきた。いや、それしか言いようがないでしょ? わたしが、困惑しているのに気が付いたその人はね、後ろへ振り返って、手で招いた。彼の仲間をね。そしたら、小人たちに説明をしていた彼らの代表の一人が、わたしの所へ来てさ、彼から説明を受けて、再び周囲を回って首を傾げつつ、後から来た人たちと、色々意見交換したあと、説明してくれたんだ。・・・・・・なんでも、世界規模の危機が訪れると。抵抗手段は、我らのような存在でしかなくて、戦いに勝利するしか未来が勝ち取れないと」
黙って聞いていた梓が理解できないと言わないばかりに首を傾げる。眉間に人差し指を当て、押し伸ばすようにしてしながらだ。
「・・・・・・・・・・・・・・へ?どこら変に存亡の危機?」
「それが、私も良くわからなくて。日常では、近隣諸国とそこまで仲が良いとはいえない我が国・日本だけど、戦争するまでもないでしょ?」
「だよなぁ。いたって平穏で、特に不安を覚える様な事もなくて。地球上の何処かで紛争があっているとはいえ、それは俺たちの住む国じゃない。そういう認識だけど」
次に整えられた顎の髭を扱きながら、確認するかのように、遥を見る。応えるように頷くと、「私も同じく」と返す。
「私が解っていないのをそのままに、彼らは時間がないと、何度も何度も口にしながら、そうして、指さしたんだ。そして、こう言った。七つの昼と夜。我らが勝利する事を祈りながら、疎開先で待っていて欲しいと。我が国は幸い貴女が居た。・・・・・・我らの愛おしい子供たちを守ることが出来る貴女。・・・・・・我らの権能を伝えることで、守護の一手となるのならば、吝かではない。そういって、彼は興味深そうにこちらへと視線を向けていた、彼の仲間たちを呼び寄せると、私の額に掌を当てては、交代して・・・・・・というのを繰り返してね、気が付いたら朝だった。結局何が世界規模の危機で、彼らが何と戦おうとしていて、私に託そうとしていた子供たちというのが誰かも解らず、小人たちが何を嘆き、激励していたのかも不明」
陸郎は、苦笑しながら肩を竦めた。
「折角の日本が舞台のようなのに、それじゃあ解らんなぁ」
と、遥に同意する。椿姫は、「でも」と声を上げた。
「ただ者じゃない感じの人たちで、飛鳥・縄文時代っぽい服装のって言って、ぱっと思いつくのは日本神話の登場人物じゃない?」
思わず遥は今回ナイト・シーカーシリーズの漫画化に携わった面々を順繰りに見渡す。
「日本を守護する神様かぁ・・・・・・。え、ただの夢なのに、何故神様が?!」
「遥、昨日、その手の本やテレビ、見た? ほらっ、夢って、自分が見たモノが出てくるっていうでしょ」
友香の確認するような問いかけに、遥は否とばかりに首を横に振る。
「昨日は仕事が残業で、へろへろになって帰ってきたけど、友香が今日打ち上げするっていっていたから、そのことが楽しみで乗り切れた感じ? 古屋先生のおうちご飯が食べれるってこともすごく嬉しくて、頭の中は食べ物一色だったけどなにか?」
「つまり、欠片もそういう関連の情報が最近入ってないってことだね?」
陸郎の問いに対して、大きく頷くと、隣で難しそうな表情で考え込んでいる様子の梓へと振り返る。
「梓?」
「ちょっとまって。なんか無視していい事じゃない気がしているのよ。・・・・・・確認の為に占っていい?」
遥は友香を振り返り、一つ承諾のために頷き、友香は興味深そうに「遥だけ?」と聞いてくる。
「いや、全員だよ。夢の内容を考えると、ここに居る全員を見る。西荻さんは一番最後。・・・・・・あとは・・・・・・今回参加しながらも、別行動しているアシの一人の高梨と、今回全然関わっていないわたしの大学時代の先輩をを、代表で占ってみる」
茶化せるような様子でないことから、少し離れた場所で、お茶を入れていた聡と、自分もとでも言わないばかりに、湯飲みを差し出していた穂乃花、スナック菓子の袋を開けていた椿姫が、揃って梓の側に寄ってきた。元々側にいた陸郎は梓の背後から覗き込み、料理が盛りつけられた大皿を挟んで正面に座っていた友香と遥は、やや伸び上がるように梓の手元を注視する。梓は背後のタンスの冗談に納められていた、トランプとタロットカードを取り出すと、テーブルの上を全員で隅に寄せたり片づけたりしてスペースを開けると「自己流だから」と言いおいて、全部を混ぜて伏せた。それを興味深そうに見守る。
「詳しく占う場合は、形に乗っ取った配置に置くんだけど、簡易だからね? 現在進行形の状況を見るよ。やり方は簡単、取ったカードの向きさえ動かさないように注意して伏せたまま取って。神経衰弱の要領だよ。取るカードは二枚。タロットカードとトランプね? じゃあ、陸郎から時計回りで。高梨さんと先輩の分は、わたしが一緒に取る。わたしの後に柊先生ね? そして最後が西荻さん」
説明を受けて、それぞれ順番に広げられたカードを手元に手繰る。全員それぞれ一枚づつ引くと、向きが変わらないように伏せられたカードをめくった。梓はめくられてトランプの数字や、タロットカードの柄が明らかになった全員のカードを見渡し手元のカードを見つめる。
「うわぁ・・・・・・」
思わずといっても言わないばかりの声に顔をあげた梓は、遥のカードを見て、顔を歪めた。
「白紙とジョーカー・・・・・・」
思わず呟く。梓自身は自分のカードに視線を落とす。そこにはハートのQと太陽の逆位置があった。梓の正面に座っている友香は正位置の恋人とクローバーのK。横に座っている陸郎はダイヤのQで逆位置の愚者。聡はダイヤのAで月。椿姫はスペードのAで皇帝だ。そして穂乃花はスペードのKで世界の逆位置。梓は再び手元のカードを見つめる。アシスタントの代表で高梨と、全く今回に関係ないとして、思いついた大学時代の先輩の二名分だ。が、高梨の分は梓たちと似たり寄ったりの結果だ。が、先輩の分は、すこぶる悪い。タワーの正位置だ。梓は念のためと、氏名を知っていて生年月日の解る友人たちを片っ端から占った。どれも結果が似たり寄ったりだ。梓は流石に無視できないと頭を抱えた。
「梓?」
恐る恐る声をかけたのは、夫である陸郎だ。梓は顔を強ばらせて頭を片手でかきむしると、深いため息を吐く。
「ただの夢じゃないかもなのよ。・・・・・・何が起ころうとしているのか不明。わたしたちが対処できるかも、その手段を持っているのかすらも謎!けど、どういう基準か不明なんだけど、今回この打ち上げに参加した面々は、これといって、環境の変化や変動が周囲に起こるっていういみだけれど、それ以外は凶兆を示すカードばかり。・・・・・・ねぇ、西荻さん、何かこの違いで解ることある?」
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