スピカ

相沢 朋美

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 1ヶ月前から応募していた、社内のボウリング大会当日が来た。私は同じ部署の大西さん、室内工事部の長嶺さんーー50代半ばの女性派遣社員ーーと契約管理部の咲苗さんーー40代後半の女性社員ーーと同じチームで参加することになっている。ボウリングの練習しなきゃと女性同士で話してはいたものの、なかなか練習時間を確保できなかった。勝ち負けより楽しめたらいいと思っていたので、むしろ練習時間の有無は気にしていなかったのだ。
 会場に向かい、参加費支払いを済ませる。参加費は1人500円だが、大西さんが私たち女性陣の分も支払ってくれた。隣のレーンに共用部管理二部のチームメンバーがいて、水無瀬チーフと橘部長もいる。こともあろうに橘部長が隣のレーンにいて、橘部長と関わりたくなかった私は端のソファに座り距離を置く。しかしいざボウリングが始まると、橘部長のことは気にならなくなった。なぜなら私たちのチームは全員、水無瀬チーフのボウリング技術に見とれていたから。
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