スピカ

相沢 朋美

文字の大きさ
上 下
104 / 132

104

しおりを挟む
 現地人の英語が聞き取れなくて困ったこともあったけれど、お酒とジェスチャーの力を借りて会話には困らなくなった。私は新婦からすれば親戚でもなんでもない赤の他人だけれど、久しぶりに結婚式に参列して感動する。私にもいつかは、好きな人を一生幸せにすると誓える奇跡が来るのだろうか……? そう考えた。

 その後も在宅ワークをしながら、週末はホストファミリーと過ごす日々を送る。現地での生活にも慣れてきて、行動範囲も広がっていった。ホストファミリー以外の友達がいないので1人行動が多かったけれど、もともと単独で行動するのは苦ではない。むしろずっと誰かとべったりすることに疲れていたのだ。
 あっという間に3ヶ月経ち、ホームステイ最終日が近づいてくる。短い間だったけれど、ホストファミリーには良くしていただいたので寂しくなった。私のためにお別れパーティーを開いてくれ、手紙とプレゼントもいただく。ホームステイ先を出た後は涙が止まらなくなった。しかし、その後も全員と連絡を取り合っている。
 ホームステイ終了後は、マンションで中国系カナダ人女性とルームシェアすることになる。女性の名前はケイトと言い、大学院に行きながらアルバイトをしているとのことだ。最初は怖そうな印象だったけれど、話してみると気さくな感じだった。
しおりを挟む

処理中です...