夢花火

相沢 朋美

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第2章 婚活パーティー

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 店員さんからのアドバイスを基に、僕は服を3点購入した。今日買った黒いジャケット、白いタートルネックニット、紺色のパンツを明日の婚活パーティーに着ていく予定だ。明日はどんな女性が来るだろうかと思うとわくわくする。女性と話す時間が8分前後となると、何を話そうかとシミュレーションも行う。後はタイプの女性が来るかどうか、カップリング成立するかどうかが問題となる。
 ーーいよいよ日曜日。婚活パーティーに参加する日になった。僕は昨日購入した一張羅を身にまとい、美容師さんに教えてもらった方法でヘアセットもする。会場の場所はGoogle Mapでリサーチ済みだったので、開始時間の10分前には到着できるように家を出た。
 最寄駅に到着し、会場のあるビルに向かう。ビルに到着した時点で開始時間の10分前になっていたので、そのままエレベーターで会場のある5階に向かう。僕の後ろからも足音がちらほら聞こえるが、おそらく婚活パーティー参加者のそれだと思われる。5階に到着し、受付で女性スタッフに「こんにちは、お名前お伺いしてもよろしいですか?」と聞かれた。
「成田恭介です」
僕がそう言うと、スタッフは「成田様ですね、お待ちしておりました。年齢確認のため身分証明書のご提示お願いします」と名前を確認する。僕は免許証を財布から取り出し、スタッフに提示した。「確認とれましたので、お入りいただいて大丈夫です」とスタッフに促され、会場に入る。
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