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2異世界でネコとしての一歩を踏み出します。
2-4異世界でネコになりましたが、呪いが解かれないよう全力で妨害します。
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「その者はいったいどこにいるのだ?」
(そうよ、どこにいるのよ!)
父親に同調して、カナも心の中で叫ぶ。
「実はすぐ近くにいるんです」的な発言をしようものなら、トゥッと魔法使いの顔に飛びついてやろうと前傾姿勢で身構える。
間違っても視線の近いところに揺れるローブの布地部分に飛びつかないよう、視線は上だ。
少しでも視線を下げれば、ローブの誘惑が視界に入ってしまうので注意する。
(ネコも日々誘惑と闘っているんだなぁ)
なんてことを考えつつも、耳は部屋の中の声を聞き漏らさないようにピクピクと動かし、些細な動きも逃さないようにと神経をとがらせる。
「それが、定住をせずに旅をされている方ですので、詳しいことは……。
ただ、少し時間をいただければ遣いをだして探すことは可能かと思われます」
自信なさげな小さな声で、魔法使いがそう父親に提言する。
(よし、飛びつこう)
恐ろしい提言をした魔法使いに飛びつこうと、私はぐっと前足に重心をのせた。
のだけれどー
「ではすぐに遣いを出してもらいたい。
礼はいくらでもする。頼む、娘を救ってくれ」
そう言って父親が勢いよく魔法使いに詰め寄ったことで、ちょうどカナと魔法使いの動線が切られてしまった。
父親の姿が魔法使いの姿と重なってしまい、飛びつこうにも飛びつけない。
(ちょ、お父様どいて!)
そんなカナの願いも届かず、カナの視界から魔法使いが全く見えなくなってしまう。
「分かりました。すぐに遣いを出しましょう。
それまで、しばらくご辛抱ください。
私も出来る限り解呪に必要な情報がないかを調査させていただきます」
「……よろしく頼む」
カナが妨害をする間もなく、方針が決定してしまったようだ。なんてこった。
まだボソボソと3人で何やら話しているようだったが、大まかな話し合いが終わった今、扉の前に居続けるのは危険だ。
(……仕方ない、とりあえず魔法使いからは逃げ続けよう)
悪あがきだとわかっていても、猫化を解いてしまう情報を与える気はさらさらない。
(そうと決まれば、とりあえず今日はベッドの下に毛布を引きずって行って、巣づくりでもしようかな)
そんな決心をしながら、カナは自分の部屋へと暗い廊下をトテトテと戻ったのだった。
(そうよ、どこにいるのよ!)
父親に同調して、カナも心の中で叫ぶ。
「実はすぐ近くにいるんです」的な発言をしようものなら、トゥッと魔法使いの顔に飛びついてやろうと前傾姿勢で身構える。
間違っても視線の近いところに揺れるローブの布地部分に飛びつかないよう、視線は上だ。
少しでも視線を下げれば、ローブの誘惑が視界に入ってしまうので注意する。
(ネコも日々誘惑と闘っているんだなぁ)
なんてことを考えつつも、耳は部屋の中の声を聞き漏らさないようにピクピクと動かし、些細な動きも逃さないようにと神経をとがらせる。
「それが、定住をせずに旅をされている方ですので、詳しいことは……。
ただ、少し時間をいただければ遣いをだして探すことは可能かと思われます」
自信なさげな小さな声で、魔法使いがそう父親に提言する。
(よし、飛びつこう)
恐ろしい提言をした魔法使いに飛びつこうと、私はぐっと前足に重心をのせた。
のだけれどー
「ではすぐに遣いを出してもらいたい。
礼はいくらでもする。頼む、娘を救ってくれ」
そう言って父親が勢いよく魔法使いに詰め寄ったことで、ちょうどカナと魔法使いの動線が切られてしまった。
父親の姿が魔法使いの姿と重なってしまい、飛びつこうにも飛びつけない。
(ちょ、お父様どいて!)
そんなカナの願いも届かず、カナの視界から魔法使いが全く見えなくなってしまう。
「分かりました。すぐに遣いを出しましょう。
それまで、しばらくご辛抱ください。
私も出来る限り解呪に必要な情報がないかを調査させていただきます」
「……よろしく頼む」
カナが妨害をする間もなく、方針が決定してしまったようだ。なんてこった。
まだボソボソと3人で何やら話しているようだったが、大まかな話し合いが終わった今、扉の前に居続けるのは危険だ。
(……仕方ない、とりあえず魔法使いからは逃げ続けよう)
悪あがきだとわかっていても、猫化を解いてしまう情報を与える気はさらさらない。
(そうと決まれば、とりあえず今日はベッドの下に毛布を引きずって行って、巣づくりでもしようかな)
そんな決心をしながら、カナは自分の部屋へと暗い廊下をトテトテと戻ったのだった。
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