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命がけのルーレットゲーム
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深い暗闇の中に、ろうそくの怪しい光がぼんやりと浮かび上がっている。
その頼りない光がこの部屋の唯一の光りだ。
その灯りは長方形の机の上に、等間隔で並んでいる。
近くにいる人間は、確認できるだけで六人。
その中で顔を確認できるのは三人だ。
一人はまだ幼い少女。
歳は十~十二というところだろうか。金髪碧眼で、その見事な髪をかわいらしく二つに結っている。
顔が確認できる人物の二人目は、黒髪に漆黒の瞳を持つ先ほどの少女と同じくらいの年齢の少年。
そしてもう一人。
その人は他の人とは違っていた。その人以外の人はその部屋でその人の方を向いてピクリとも動かずに立っているのに、豪華な椅子に一人腰掛けている。
薄い紫色の髪と、髪と同じ色の瞳を持つ二十代後半ぐらいの男性。
不意に紫色の髪の男性が、胸ポケットから懐中時計を取り出した。暗闇にジャラリという音が響く。
「そろそろ……か」
そう言うと横に置いてあった鍵を手にとって、金髪の少女に渡した。
「ミルク、例のものを此処へ」
「はい、紫水さま」
ミルクと呼ばれた少女は一礼して、差し出された鍵を受け取ると、暗闇に姿を消した。
続いて、紫水は黒髪の少年にも鍵を渡す。
「潤、お前は酒だ。今夜から始まる祭りにふさわしい酒を、此処へ」
「はい、紫水さま」
そう言うと、先ほどの少女と同じく一礼し、暗闇に姿を消した。紫水は立ち上がると、暗闇に向かって声を発した。
「今夜は前夜祭。いつもの通りに行う。用意を」
その声で残りの人たちが動き出した。
ある者はテーブルを、またある者はどこからかグラスを手に、ろうそくの並べられたテーブルへ集まってくる。
持ってきたテーブルを置いてあったテーブルの横へと置く。
そしてもう一人が、もってきたテーブルの上にルーレットの台をセットし始めた。
それが終わると今度は、普通は数字が書いてある場所のところに何か文字が書かれたプレートをはめ込んでゆく。
『鈴木勇太』
『佐々木大佑』
『今井健太』
『廣嶋俊則』
『近藤実稀』
の計五人の名前が書かれたものだった。
全てをはめ終えると、紫水に一礼をして後ろに下がっていった。
と、ここでようやくさっきの少女と少年が帰ってきた。
少女は漆黒の色をした五つの指輪と、ルーレットで使う玉だろうか。
漆黒の色をした五つの玉を盆に載せてやってきた。
その盆をルーレットの台の横に置いた。
少年は持ってきたビンの中身をグラスに注いでいく。
「さぁ、祭りの準備は整った。ミルク、始めろ」
「はい、紫水さま」
ミルクは盆に載せてあった玉を手にした。ルーレットの台に近づき、ルーレットを回し始めた。
七月十四日 午後十一時三十分
玉は『廣嶋俊則』のパネルのスポットに堕ちた。
「さぁ、カーニバルの始まりだ」
紫水が高らかに宣言した。
その頼りない光がこの部屋の唯一の光りだ。
その灯りは長方形の机の上に、等間隔で並んでいる。
近くにいる人間は、確認できるだけで六人。
その中で顔を確認できるのは三人だ。
一人はまだ幼い少女。
歳は十~十二というところだろうか。金髪碧眼で、その見事な髪をかわいらしく二つに結っている。
顔が確認できる人物の二人目は、黒髪に漆黒の瞳を持つ先ほどの少女と同じくらいの年齢の少年。
そしてもう一人。
その人は他の人とは違っていた。その人以外の人はその部屋でその人の方を向いてピクリとも動かずに立っているのに、豪華な椅子に一人腰掛けている。
薄い紫色の髪と、髪と同じ色の瞳を持つ二十代後半ぐらいの男性。
不意に紫色の髪の男性が、胸ポケットから懐中時計を取り出した。暗闇にジャラリという音が響く。
「そろそろ……か」
そう言うと横に置いてあった鍵を手にとって、金髪の少女に渡した。
「ミルク、例のものを此処へ」
「はい、紫水さま」
ミルクと呼ばれた少女は一礼して、差し出された鍵を受け取ると、暗闇に姿を消した。
続いて、紫水は黒髪の少年にも鍵を渡す。
「潤、お前は酒だ。今夜から始まる祭りにふさわしい酒を、此処へ」
「はい、紫水さま」
そう言うと、先ほどの少女と同じく一礼し、暗闇に姿を消した。紫水は立ち上がると、暗闇に向かって声を発した。
「今夜は前夜祭。いつもの通りに行う。用意を」
その声で残りの人たちが動き出した。
ある者はテーブルを、またある者はどこからかグラスを手に、ろうそくの並べられたテーブルへ集まってくる。
持ってきたテーブルを置いてあったテーブルの横へと置く。
そしてもう一人が、もってきたテーブルの上にルーレットの台をセットし始めた。
それが終わると今度は、普通は数字が書いてある場所のところに何か文字が書かれたプレートをはめ込んでゆく。
『鈴木勇太』
『佐々木大佑』
『今井健太』
『廣嶋俊則』
『近藤実稀』
の計五人の名前が書かれたものだった。
全てをはめ終えると、紫水に一礼をして後ろに下がっていった。
と、ここでようやくさっきの少女と少年が帰ってきた。
少女は漆黒の色をした五つの指輪と、ルーレットで使う玉だろうか。
漆黒の色をした五つの玉を盆に載せてやってきた。
その盆をルーレットの台の横に置いた。
少年は持ってきたビンの中身をグラスに注いでいく。
「さぁ、祭りの準備は整った。ミルク、始めろ」
「はい、紫水さま」
ミルクは盆に載せてあった玉を手にした。ルーレットの台に近づき、ルーレットを回し始めた。
七月十四日 午後十一時三十分
玉は『廣嶋俊則』のパネルのスポットに堕ちた。
「さぁ、カーニバルの始まりだ」
紫水が高らかに宣言した。
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