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1章 旅立ちの日に
#7 本領発揮
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デボがブツブツ言いながらリオラとの距離をゆっくり縮める。
(まただ、あのゆっくりと歩きだす感じ…。あの動きに目が慣れると急に動かれたときに対処できないんだよなー)
リオラはどうすればいいのか考えようとした。
そのとき――、
「気を抜いたなぁ、小僧!」
「あっ!」
そう思ったときにはデボのこぶしが目の前にきていた。
(あっけなく終わったな。)
クロンを撫でながら見ていたアナリスが心の内でそうつぶやく。
―が、アナリスの予想は外れる。
「ほいっ、と。」
リオラはデボのこぶしをかわす。
「じゃあ、こっちもいくぜ!」
カキンッ
リオラは反撃に出るもさきほどと同様に剣は弾かれる。
「くっそぉ、やっぱダメかー。」
悔しがるリオラ。
「な、なんであんなあっさり俺の攻撃を―」
デボは信じられないという表情でリオラと自分のこぶしを交互に見る。
「おっさん疲れたのか?動きがだいぶ鈍くなってんぞ?てかそんなことよりなんで俺の剣は弾かれるんだ?」
リオラは自分の剣におかしなところがないのか素振りして確かめる。
「そ、そうか!避けられたのはたまたまだな!そうに決まってる」
デボは無理やり自分を納得させるようにそう言い聞かせる。
(たまたまだと?バカ言え、あの坊やはしっかりとこぶしを見て避けていた―。つまりあの子の反応が鋭くなっているんだ。しかしこの短時間でそんなことあり得るはずがない。)
アナリスもまた目の前で起こったことを信じることができない。
「それにもし万が一俺の攻撃が見えていたとしてもあいつの攻撃は俺には当たらない。―この指輪がある限りな。」
デボは金色に光る指輪の感触を確かめ自分の気持ちを落ち着かせる。
「あー考えてても全然わかんねぇや!とにかく攻撃しまくるしかない。」
うりゃーっと無心でリオラはデボに攻撃する。
カキンキンキンッ
「無駄だ、無駄!お前の攻撃は俺に届かねぇよ!」
デボはその場で何もせず剣を振り回すリオラを見下す。
それでもリオラは無心で剣を振り続けた。
そして―、
ピキッ
デボの指輪は音を立てて割れはじめ、そして指から落ちる。
「あ、え、おれのゆびわが――グアッ」
割れて指から落ちる指輪を確認するや否やリオラの振った剣がデボの身体に当たり巨体を吹っ飛ばした。
「ふぅーやっと当たった。」
リオラは額の汗をぬぐう。
「…な、なぜ…はぁはぁ…なんで…」
吹き飛ばされ倒れたデボは苦しそうな息づかいでリオラを見上げる。
「なんでって、そりゃあんだけ攻撃したんだからだろ?」
リオラは当然のようにそう答える。
「キュイィ!キュイキュイ!」
クロンがアナリスの腕から抜け出しリオラに駆け寄る。
「待たせたな。お前もお前でなんか色々と大変だったな。」
頭に登ったクロンをなでてやる。
「いや、指輪が…この指輪があればお前の攻撃は―」
「やはり防御系のアイテムを持っていたか。」
戦いを見守っていたアナリスがデボに近づき、割れた指輪を手に取る。
「結界を張るタイプのアイテムか。しかしこれは安物だな。おそらく結界を張れる回数に限界がきて壊れたのだろう。」
「安物!?ウッ…そんなわけ…2万ダゴルもしたんだぞ」
デボは大声を出すが体の痛みで顔がゆがむ。
「それは騙されたんだろ、きっと。それにお前の敗因はこの指輪ではない。指輪があるから大丈夫だと安心しきって相手をなめていたことだ。」
「クッ…」
アナリスの言葉にデボは言い返すことができない。
「さて、連行するか。」
アナリスは動けないデボを軽々と肩で担ぎあげる。
「じゃあ俺たちも行くか!ってかルークのやつどこ行ったんだ?そもそもなんでこんなところにいるんだっけ?」
首をかしげるリオラだったが「まぁいっか」と歩き出す。
「…ちょっと待て、お前の名を―」
「キュイッ!!」
アナリスの呼びかけで振り返ったリオラだったがクロンの声で横から飛んでくる短剣に気づく。
「うわっ!」
短剣はリオラの服をかすめその先の壁に当たり落ちる。
「あぶねー、もうちょっと気づくの遅れてたら直撃だったな。ありがとな、クロン。てか、あいつ目を覚ましてたのかよ。」
リオラが見ると先ほどまで気絶していたチャケスがガクガク足を震わせながら立っていた。
「お、お、おまえはす、すぐに死ぬぞ!その短剣にはラアルサソリの毒が塗ってあるからな、ハ、ハハ」
チャケスはそう言うと放心状態で座り込んでしまった。
(まただ、あのゆっくりと歩きだす感じ…。あの動きに目が慣れると急に動かれたときに対処できないんだよなー)
リオラはどうすればいいのか考えようとした。
そのとき――、
「気を抜いたなぁ、小僧!」
「あっ!」
そう思ったときにはデボのこぶしが目の前にきていた。
(あっけなく終わったな。)
クロンを撫でながら見ていたアナリスが心の内でそうつぶやく。
―が、アナリスの予想は外れる。
「ほいっ、と。」
リオラはデボのこぶしをかわす。
「じゃあ、こっちもいくぜ!」
カキンッ
リオラは反撃に出るもさきほどと同様に剣は弾かれる。
「くっそぉ、やっぱダメかー。」
悔しがるリオラ。
「な、なんであんなあっさり俺の攻撃を―」
デボは信じられないという表情でリオラと自分のこぶしを交互に見る。
「おっさん疲れたのか?動きがだいぶ鈍くなってんぞ?てかそんなことよりなんで俺の剣は弾かれるんだ?」
リオラは自分の剣におかしなところがないのか素振りして確かめる。
「そ、そうか!避けられたのはたまたまだな!そうに決まってる」
デボは無理やり自分を納得させるようにそう言い聞かせる。
(たまたまだと?バカ言え、あの坊やはしっかりとこぶしを見て避けていた―。つまりあの子の反応が鋭くなっているんだ。しかしこの短時間でそんなことあり得るはずがない。)
アナリスもまた目の前で起こったことを信じることができない。
「それにもし万が一俺の攻撃が見えていたとしてもあいつの攻撃は俺には当たらない。―この指輪がある限りな。」
デボは金色に光る指輪の感触を確かめ自分の気持ちを落ち着かせる。
「あー考えてても全然わかんねぇや!とにかく攻撃しまくるしかない。」
うりゃーっと無心でリオラはデボに攻撃する。
カキンキンキンッ
「無駄だ、無駄!お前の攻撃は俺に届かねぇよ!」
デボはその場で何もせず剣を振り回すリオラを見下す。
それでもリオラは無心で剣を振り続けた。
そして―、
ピキッ
デボの指輪は音を立てて割れはじめ、そして指から落ちる。
「あ、え、おれのゆびわが――グアッ」
割れて指から落ちる指輪を確認するや否やリオラの振った剣がデボの身体に当たり巨体を吹っ飛ばした。
「ふぅーやっと当たった。」
リオラは額の汗をぬぐう。
「…な、なぜ…はぁはぁ…なんで…」
吹き飛ばされ倒れたデボは苦しそうな息づかいでリオラを見上げる。
「なんでって、そりゃあんだけ攻撃したんだからだろ?」
リオラは当然のようにそう答える。
「キュイィ!キュイキュイ!」
クロンがアナリスの腕から抜け出しリオラに駆け寄る。
「待たせたな。お前もお前でなんか色々と大変だったな。」
頭に登ったクロンをなでてやる。
「いや、指輪が…この指輪があればお前の攻撃は―」
「やはり防御系のアイテムを持っていたか。」
戦いを見守っていたアナリスがデボに近づき、割れた指輪を手に取る。
「結界を張るタイプのアイテムか。しかしこれは安物だな。おそらく結界を張れる回数に限界がきて壊れたのだろう。」
「安物!?ウッ…そんなわけ…2万ダゴルもしたんだぞ」
デボは大声を出すが体の痛みで顔がゆがむ。
「それは騙されたんだろ、きっと。それにお前の敗因はこの指輪ではない。指輪があるから大丈夫だと安心しきって相手をなめていたことだ。」
「クッ…」
アナリスの言葉にデボは言い返すことができない。
「さて、連行するか。」
アナリスは動けないデボを軽々と肩で担ぎあげる。
「じゃあ俺たちも行くか!ってかルークのやつどこ行ったんだ?そもそもなんでこんなところにいるんだっけ?」
首をかしげるリオラだったが「まぁいっか」と歩き出す。
「…ちょっと待て、お前の名を―」
「キュイッ!!」
アナリスの呼びかけで振り返ったリオラだったがクロンの声で横から飛んでくる短剣に気づく。
「うわっ!」
短剣はリオラの服をかすめその先の壁に当たり落ちる。
「あぶねー、もうちょっと気づくの遅れてたら直撃だったな。ありがとな、クロン。てか、あいつ目を覚ましてたのかよ。」
リオラが見ると先ほどまで気絶していたチャケスがガクガク足を震わせながら立っていた。
「お、お、おまえはす、すぐに死ぬぞ!その短剣にはラアルサソリの毒が塗ってあるからな、ハ、ハハ」
チャケスはそう言うと放心状態で座り込んでしまった。
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