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1章 旅立ちの日に
#9 授与式① ~不思議なゴーグル少女~
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単語単語聖堂の入り口にはリオラ達と同じ年くらいの若者が出てくるのが見える。
「いてぇ…」
リオラは先ほどルークに殴られた頬を擦りながら歩く。
「どうやら先にやってたグループの授与式が今終わったみたいだね。あの様子だとあまり有能なゲインの子はいなかったのかな?」
ルークは隣で痛がるリオラを気にもせず話しかける。
「俺が悪かったけどさー。ん?でもなんで有能な奴がいなかったってわかるんだ?」
「授与式って表向きはゲインの判定会ってなってるけど、実は騎士団やギルドが有能な若手を見つけるための新人勧誘会みたいなことが行われるんだ。だから有能なゲインの子は帰りに声をかけられ、普通に帰っている子はまぁあまり良いゲインじゃなかったってことだね。」
「ふーん、てことは今日すげーゲインを手に入れたらスカウトされるかもしれないのか!」
「ゲインを手に入れる?リオラ、ゲインっていうのは―」
ガヤガヤ
「なんだあれ?ちょっと見に行ってみようぜっ!」
聖堂の入り口に人だかりができており、リオラの興味はそちらにうつる。
腕の中で眠っていたクロンも騒ぎで目を覚ましたのかリオラの頭の上に登りその人だかりを眺める。
「ちょ、ちょっと待ってよ!はぁー受付間に合わなくなるぞ…」
ルークは人だかりに駆け寄るリオラのあとに肩を落としながらついていった。
リオラがその集団に近づくと、人だかりは様々な恰好をした大人たちで作られているのがわかる。
そしてその中心には一人のゴーグルをした少女がつまらなそうに立っている。
「ふー、やっと追いついた。リオラ勝手に行動するのは―ってあれは魔法ギルド長ルーケ!?その横は勇士ギルド副長のクーフーリン…。それ以外も大物ばかり…すごいメンツだ…。あぁ、なるほど!そういうことか、どうりでスカウトされてない人が多いわけだ。」
ルークはその集団を見て一人納得する。
「一人で納得してんなよ。いったいどういうことだ?」
「さっき有能な子がいなかったって言ったけど、あの様子を見ると一人だけ飛びぬけて貴重なゲインが見つかったからみんなあの子をスカウトしちゃって他の子に誰も行かなかったってわけ。」
「ふーん、そんなすげーやつなんだな、あいつ。」
「どんなゲインなのかは知らないけど、でもあそこまで集中するのは珍しいな。たぶん僕の姉さんの時以来じゃない?」
「へぇー、ルークのねぇちゃんもそんなすごいのか。」
「うーん、まぁ…あの人は別格だと思うけど。なんせ最年少で騎士団の…」
(よし、どんなゲインもらったのか聞きに行くか!)
リオラはルークが喋っていることなど気にせず、クロンを抱えたまま群れの中へと歩き出した。
「はいはい、ちょっと通りまーす。よいしょ、と。よっ!お前どんなゲインもらったんだ?」
リオラは人を押しのけ少女の前へと出て問いかける。
「な、なんだこいつは」
突如現れたリオラを周りが一斉に見る。
ざわざわ
「なぁ黙ってないで教えてくれよ?」
リオラは周りの様子など気にせず少女の肩を叩いた。
「おっ」
「おっ?」
「お…おとおとおとこの人の手が、わわたわたわたしの肩に……プシュー」
そういうと少女は目を回しながらふらつきはじめ、やがて頭から煙を出し倒れそうになる。
「キュイィ?」
「お、おい!?大丈夫か?」
倒れるところをリオラが支える。その時に少女のゴーグルは外れてしまった。
ざわざわ
「はいはーい、ちょっとごめんなさいねー。通してくださーい。」
少女を支えるリオラのもとに白衣を着た一人の女性が人ごみを避けて現れる。
「あれってもしかしてアケイア様じゃないか?」
「『聖なる天使団』もスカウトに来てたのか。」
周りの視線が少女からその白衣の女性へと移る。
「はぁーあたしはただ急な看護のために来てるだけなんだけど…」
「あ、あんた医者か!?よくわからないけどこいつ急に倒れちゃってオレどうしたらいいのか…」
「大丈夫、とりあえず落ち着いて。男の子が簡単にうろたえないの。――うーん、見た感じただの貧血のようね。医務室に連れて行くわ。」
アケイアはそういうとリオラから少女を受け取ろうとする。
―そのときだった。
バチバチッ
アケイアの手を拒むかのように気を失っている少女の身体から火花が散った。
「いてぇ…」
リオラは先ほどルークに殴られた頬を擦りながら歩く。
「どうやら先にやってたグループの授与式が今終わったみたいだね。あの様子だとあまり有能なゲインの子はいなかったのかな?」
ルークは隣で痛がるリオラを気にもせず話しかける。
「俺が悪かったけどさー。ん?でもなんで有能な奴がいなかったってわかるんだ?」
「授与式って表向きはゲインの判定会ってなってるけど、実は騎士団やギルドが有能な若手を見つけるための新人勧誘会みたいなことが行われるんだ。だから有能なゲインの子は帰りに声をかけられ、普通に帰っている子はまぁあまり良いゲインじゃなかったってことだね。」
「ふーん、てことは今日すげーゲインを手に入れたらスカウトされるかもしれないのか!」
「ゲインを手に入れる?リオラ、ゲインっていうのは―」
ガヤガヤ
「なんだあれ?ちょっと見に行ってみようぜっ!」
聖堂の入り口に人だかりができており、リオラの興味はそちらにうつる。
腕の中で眠っていたクロンも騒ぎで目を覚ましたのかリオラの頭の上に登りその人だかりを眺める。
「ちょ、ちょっと待ってよ!はぁー受付間に合わなくなるぞ…」
ルークは人だかりに駆け寄るリオラのあとに肩を落としながらついていった。
リオラがその集団に近づくと、人だかりは様々な恰好をした大人たちで作られているのがわかる。
そしてその中心には一人のゴーグルをした少女がつまらなそうに立っている。
「ふー、やっと追いついた。リオラ勝手に行動するのは―ってあれは魔法ギルド長ルーケ!?その横は勇士ギルド副長のクーフーリン…。それ以外も大物ばかり…すごいメンツだ…。あぁ、なるほど!そういうことか、どうりでスカウトされてない人が多いわけだ。」
ルークはその集団を見て一人納得する。
「一人で納得してんなよ。いったいどういうことだ?」
「さっき有能な子がいなかったって言ったけど、あの様子を見ると一人だけ飛びぬけて貴重なゲインが見つかったからみんなあの子をスカウトしちゃって他の子に誰も行かなかったってわけ。」
「ふーん、そんなすげーやつなんだな、あいつ。」
「どんなゲインなのかは知らないけど、でもあそこまで集中するのは珍しいな。たぶん僕の姉さんの時以来じゃない?」
「へぇー、ルークのねぇちゃんもそんなすごいのか。」
「うーん、まぁ…あの人は別格だと思うけど。なんせ最年少で騎士団の…」
(よし、どんなゲインもらったのか聞きに行くか!)
リオラはルークが喋っていることなど気にせず、クロンを抱えたまま群れの中へと歩き出した。
「はいはい、ちょっと通りまーす。よいしょ、と。よっ!お前どんなゲインもらったんだ?」
リオラは人を押しのけ少女の前へと出て問いかける。
「な、なんだこいつは」
突如現れたリオラを周りが一斉に見る。
ざわざわ
「なぁ黙ってないで教えてくれよ?」
リオラは周りの様子など気にせず少女の肩を叩いた。
「おっ」
「おっ?」
「お…おとおとおとこの人の手が、わわたわたわたしの肩に……プシュー」
そういうと少女は目を回しながらふらつきはじめ、やがて頭から煙を出し倒れそうになる。
「キュイィ?」
「お、おい!?大丈夫か?」
倒れるところをリオラが支える。その時に少女のゴーグルは外れてしまった。
ざわざわ
「はいはーい、ちょっとごめんなさいねー。通してくださーい。」
少女を支えるリオラのもとに白衣を着た一人の女性が人ごみを避けて現れる。
「あれってもしかしてアケイア様じゃないか?」
「『聖なる天使団』もスカウトに来てたのか。」
周りの視線が少女からその白衣の女性へと移る。
「はぁーあたしはただ急な看護のために来てるだけなんだけど…」
「あ、あんた医者か!?よくわからないけどこいつ急に倒れちゃってオレどうしたらいいのか…」
「大丈夫、とりあえず落ち着いて。男の子が簡単にうろたえないの。――うーん、見た感じただの貧血のようね。医務室に連れて行くわ。」
アケイアはそういうとリオラから少女を受け取ろうとする。
―そのときだった。
バチバチッ
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