続々・拾ったものは大切に大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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王都 〜王城・デーゾルドの行方〜

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ペロペロ ペロペロ

 ブラックパンサーの子供は何かに舐められ薄らと目を開けると、自分を覗き込んでいる真っ白な子狼とワイルドベアの子供と目があった。

 パチパチと瞬きさせると、ゆっくりと体を起こす。
 どこも痛くない事に気づくと不思議そうに自分の体を確認する様にクルクルと動いてみせた。

「あっ。起きた。」

 唐突の人間の声に毛を逆立たせて、ピョンと飛び跳ねるとブラックパンサーは真っ白な子狼とワイルドベアの子供を守る様に立ちはだかった。

 小さな体で精一杯の威嚇をするブラックパンサーの子供にイオリは眉を下げた。

「君達が人間に酷い事をされた事は知ってる。
 本当に申し訳ない。」

 イオリが地面に膝を付き頭を下げようとも、ブラックパンサーの子供の警戒感が弱まる事もない。
 小さな体だというのに、低い声で唸り声を上げ続けている。
 
 そんなブラックパンサーの子供の頬をペロリと舐めると、真っ白な子狼のゼンが甘える様にイオリに飛びついた。

「フフフ。
 ゼン。くすぐったいよ。」

 イオリに抱き上げられたゼンは首筋や顔をペロペロと舐めた。

 凝視するブラックパンサーの子供が戸惑うのが分かると、ゼンは再び近づき額をコツコツと当てて安心させようとしている。
 その隙をつくようにワイルドベアの子供がイオリに近づき、前脚でチョンチョンとちょっかいをかけ始めた。

「やあ、君も元気になって良かった。
 見た目の怪我はもう無いけれど体の中はどうかな?
 どう?柔らかい物なら食べられるかな?」

 イオリは斜め掛け鞄から果物を取り出すと小さく切り分けてワイルドベアに差し出した。

クンクン クンクン

 匂いを嗅ぎ口を開けたワイルドベアにブラックパンサーが警告の声で吠えた。

「ギャウッ!!」

 まるで食べるなと言っている様で、イオリは何があったか想像した。

「薬・・・毒を飲まされた?」

 イオリの呟きに答えるでもなくブラックパンサーの子供は睨みつけてくる。
 ワイルドベアの子供は、美味しそうな果物を食べたい欲と、ブラックパンサーの子供の警告との間でオロオロするばかりだ。

「ゼン。おいで。
 この子達にお手本を見せてあげて。」

 イオリが声を掛けると、ゼンがトコトコと近づいてきた。

「まずは俺が・・・うん、このベリー美味しい。
 ほら、ゼンも。」

 ゼンは差し出されたベリーを口に入れると真っ白な毛をベリーの汁で染め上げながらも美味しそうに食べた。

「キャンッ!」

 おかわりを求めるゼンに笑うとイオリは「順番だよ。」と今度はワイルドベアに差し出した。

 ワイルドベアは嬉しそうにベリーを口に入れると頬をとろけさせた。

 それを見ていたブラックパンサーの喉が「コクン。」と鳴ったのに気づいたイオリはゼンとワイルドベアに果物が入った袋を差し出した。

「3人で食べな。
 あの子にも分けてあげてね。」

 頭を撫でられたゼンとワイルドベアは袋を引きづってブラックパンサーの元へいった。

 ブラックパンサーはイオリを警戒しながらもワイルドベアが差し出す果物を恐々と食べた。

 イオリは警戒しているブラックパンサーを刺激しない様に極力見ない様にした。
 でも、甘いプラムに被りついたブラックパンサーがあまりの美味しさに耳と尻尾をピーンと立てていたのは、しっかりと確認した。

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