続々・拾ったものは大切に大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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ダグスク 〜出発までの〜

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「おっはよぉぉ!」

 太陽差し込む寝室にパティの声が響き渡った。

「おはよう。」
「キャンッ!」
 
 着替えを終えたイオリが振り返るとパティは少し剥れた顔をした。

「あれ?起きてる。
 昨日は夜更かししただろうから、まだ寝てると思ったのに。」

 驚かそうと企んでいたのだろう。
 不満そうなパティにイオリはクスクスと笑い、フワフワの長い髪を2つに分けて綺麗に編み込みにして結んでいる頭を優しく撫でた。

「残念でした。
 みんな起きてる?」

 イオリに頭を撫でられて嬉しいのかパティの顔は既にニコニコだ。

「うん。
 パティが起きてるんだよ?
 みんな起きてるよ。」

 家族で1番寝坊助のパティである。
 そんな事を胸を張って言う事もないにと思いながらもイオリはパティのおかげで朝から楽しい。

「さて、朝ごはんにしようか。
 ゼン。行くよ。」

「キャンッ!!」

 イオリが呼べば、真っ白な毛糸玉がピョンと飛びついてきた。

「そうだ。
 シノとファールとクロアも来てるよ。
 一緒に朝ごはんを食べようって。」

「それは、待たせちゃったね。
 急がなきゃ。」

 イオリ達が2階から降りていくと、ダグスク侯爵家の別邸は既に賑やかだった。

 一日、ダグスクの街を一緒に歩きまわったクロワ・オンリールはスコルやニナと楽しそうに笑っていたし、オーウェンの子供達であるシノとファールはナギに本を読んでもらってワクワクした顔をしている。

「起きたか。
 朝の日課から帰ってきたら、既にここは子供部屋と化していた。」

 日課のトレーニングから帰ってシャワーを浴びてヒューゴが笑いながら戻ってきた。

「賑やかな事は良いことです。
 朝ごはんの準備をします。
 庭にテーブルを出してもらえますか?」

「分かった。」

 イオリが腕まくりをすると、スコルが寄ってきた。

「おはよう。イオリ。
 もう、野菜のスープは作ってあるよ。
 後は何を作る?」

 なんて優秀な子だと、イオリはスコルを抱きしめた。

 パティと違い、恥ずかしいと嫌がるスコルであるがイオリはスキンシップをやめない。

 バタバタとしているスコルに皆んなが笑っていた。

「あぁ、良い朝だね。」

 イオリは全開になった窓から入る海風にニッコリとした。

「パンケーキとフレンチトースト。
 どっちが良い?」

 目を輝かせた子供達が騒ぎ出す。

「パティ、フレンチトースト!」
「オレも!」
「ボクはパンケーキかなぁ。」
「ニナは・・・どっちも選べないぃぃ。」

 シノやファールは楽しげな雰囲気の中をピョンピョンと飛び、「「どっちかなぁ。」」と可愛らしい。

 そんな中、戸惑うのはやっぱりクロワで・・・。

「フレンチトーストとは何ですか?」

 と首を傾げている。

 イオリは、それぞれが決めるまで別の物でも作ろうとキッチンに入って行った。

 


 

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