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わからせと後始末
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ーーー本当にイオリは絶対神の加護を失ったのか?
ヒューゴが口にした言葉に一同は思わず息を呑む。
ここにいる者達はイオリが神の愛し子として、絶対神リュオンの加護を受けていた事を知っていた。
“黒の英雄譚”を火付け役として噂されている内容よりも、より現実的な事実を彼等は知っている。
イオリは絶対神より授かった加護の全てと引き換えにダークエルフとの戦いに勝った。
あの驚嘆する武器であるスナイパーライフルも、鋼のような肉体も、何でも吸い込む便利なインベントリも、イオリはこの世界の為に手放したのだ。
人間が欲に弱い事を知っている大人達にしてみたら、イオリの選択は驚くべき事であると同時に、その選択をさせてしまった事に悲しみにくれたものだった。
彼の相棒である真っ白なフェンリルであったゼンも、子狼の姿に戻りながらも決してイオリから離れようとはしない。
世界の平和の変わりにイオリは大きな力を失ったはずだった・・・。
「どう言う事だろうか?」
戸惑うニコライの言葉にヒューゴは静かに語り出した。
「確かに武器もインベントリも失いました。
体力だって以前と比べものにならないくらい少ない。
でも・・・魔獣と対峙したアイツは何て言うか・・・前と変わらないんです。」
ヒューゴは少し前の明けない魔の森で遭遇した暴れるブラッディベアの話しをした。
パティの不注意で怒らせてしまったブラッディベアをイオリは対話で退けてしまった。
「・・・そんな馬鹿な。」
思わず呟くヴァルトにヒューゴは頷いた。
「そして今日です。
自我を忘れるくらい激怒していた魔獣達でしたがイオリの言葉には耳を傾けたんです。
被害どころか大きな戦闘にならずに帰って来れたのはイオリのお陰ですよ。」
話しを聞いたニコライ達は静まり返り、各々が考え込んでしまった。
ギルマス・コジモは大きく息を吐くとゴマ塩の頭に手を当てた。
「今日の事は俺もこの目で見てしまったからな。
ヒューゴの言っている事が事実だと分かっている。
さて・・・本人が自覚しているのか、どうなのか。」
「無意識だと思いますよ。」
ヒューゴがそう言うと、そこにいる者達は一様に頷いた。
「アイツは天然だからな。
どうせ聞いたって、そうでした?ってポカンとするはずだ。」
ヴァルトは天井を見上げた。
「ハハハ。確かに。
しっかりしているようで、抜けてるんだよね。」
ニコライは可笑しそうに笑う。
「悪い事ではないでしょうから様子を見守るしかないでしょうね。」
サブマス・エルノールの言葉に皆は頷いた。
「父上にも伝えておくよ。
イオリが無茶をしたら止める人間は多い方が良い。」
「そうして頂けると有り難いです。」
ニコライの言葉にヒューゴは安堵した様だった。
「絶対神の加護が失ったとて構わないんです。
俺達はただイオリといたいだけだから。」
「俺もだよ。」
ヴァルトはヒューゴの肩をパンと叩くとニカッと笑った。
「さぁ、王都へ行く日も近い。
もう少し話を詰めておこうか。」
ニコライはエルノールから受け取った書類を指で弾き一同を見回すのだった。
ヒューゴが口にした言葉に一同は思わず息を呑む。
ここにいる者達はイオリが神の愛し子として、絶対神リュオンの加護を受けていた事を知っていた。
“黒の英雄譚”を火付け役として噂されている内容よりも、より現実的な事実を彼等は知っている。
イオリは絶対神より授かった加護の全てと引き換えにダークエルフとの戦いに勝った。
あの驚嘆する武器であるスナイパーライフルも、鋼のような肉体も、何でも吸い込む便利なインベントリも、イオリはこの世界の為に手放したのだ。
人間が欲に弱い事を知っている大人達にしてみたら、イオリの選択は驚くべき事であると同時に、その選択をさせてしまった事に悲しみにくれたものだった。
彼の相棒である真っ白なフェンリルであったゼンも、子狼の姿に戻りながらも決してイオリから離れようとはしない。
世界の平和の変わりにイオリは大きな力を失ったはずだった・・・。
「どう言う事だろうか?」
戸惑うニコライの言葉にヒューゴは静かに語り出した。
「確かに武器もインベントリも失いました。
体力だって以前と比べものにならないくらい少ない。
でも・・・魔獣と対峙したアイツは何て言うか・・・前と変わらないんです。」
ヒューゴは少し前の明けない魔の森で遭遇した暴れるブラッディベアの話しをした。
パティの不注意で怒らせてしまったブラッディベアをイオリは対話で退けてしまった。
「・・・そんな馬鹿な。」
思わず呟くヴァルトにヒューゴは頷いた。
「そして今日です。
自我を忘れるくらい激怒していた魔獣達でしたがイオリの言葉には耳を傾けたんです。
被害どころか大きな戦闘にならずに帰って来れたのはイオリのお陰ですよ。」
話しを聞いたニコライ達は静まり返り、各々が考え込んでしまった。
ギルマス・コジモは大きく息を吐くとゴマ塩の頭に手を当てた。
「今日の事は俺もこの目で見てしまったからな。
ヒューゴの言っている事が事実だと分かっている。
さて・・・本人が自覚しているのか、どうなのか。」
「無意識だと思いますよ。」
ヒューゴがそう言うと、そこにいる者達は一様に頷いた。
「アイツは天然だからな。
どうせ聞いたって、そうでした?ってポカンとするはずだ。」
ヴァルトは天井を見上げた。
「ハハハ。確かに。
しっかりしているようで、抜けてるんだよね。」
ニコライは可笑しそうに笑う。
「悪い事ではないでしょうから様子を見守るしかないでしょうね。」
サブマス・エルノールの言葉に皆は頷いた。
「父上にも伝えておくよ。
イオリが無茶をしたら止める人間は多い方が良い。」
「そうして頂けると有り難いです。」
ニコライの言葉にヒューゴは安堵した様だった。
「絶対神の加護が失ったとて構わないんです。
俺達はただイオリといたいだけだから。」
「俺もだよ。」
ヴァルトはヒューゴの肩をパンと叩くとニカッと笑った。
「さぁ、王都へ行く日も近い。
もう少し話を詰めておこうか。」
ニコライはエルノールから受け取った書類を指で弾き一同を見回すのだった。
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