前世は悲惨だったが、今世も悲惨だった。

桜 晴樹

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1.前世2

どうする事も出来ない日常。
家に帰っても1人きり、そんな沙也加の楽しみは乙女ゲームだった。
乙女ゲームのキャラクターは、キラキラしていて、主人公プレーヤーにとても優しく接してくれる。
(私にもこんな素敵な人がいればな‥。)
そんな風に思いながらゲームをする。
ゲームは終盤に差し掛かり、攻略対象者が主人公を抱き締める。
『俺を選んでくれ!』
赤髪の攻略対象が、主人公の顔を、そっと上に向かせる。
『俺は、お前の事を‥』
赤髪と主人公の顔が近くになる。
ティンティロリン
ティンティロリン
どこかで音が鳴る。
その音は、ゲームには不釣り合いな音で、沙也加は眉を顰める。
ティロリンティロリン
ゲームは、その音の最中でも進んでいく。
『カルキリオン様!私も‥。』
選択肢が幾つか出るはずなのに勝手に進んでいく。
(え、待って、私何も選択してないのに何で‥。)
赤髪の青年は、カルキリオンという。
その青年と、一瞬だけ画面越しに目が合った。
そんな筈はない。
ゲームと現実世界で目が合うなど。
主人公とカルキリオンのキスシーン。
そして‥。
ゲーム画面が発光する。
「なに?!これ、どうなってるの?!」
『なあ、お前は誰だ?』
そこで何をしている?
カルキリオンの声が直に耳元に届く。
「‥な、に‥?」
沙耶香は気を失った。

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