14 / 63
第一章 「魔物使いとアナグラム遊び」
#14 河童ロブスターと嫌なやつ
しおりを挟む
翌朝。
ギルドへと続く道を歩く俺たち。
「……というわけだ」
俺はアナグラムの能力をミヤへと説明した。
詳しく説明しても分からないだろうと思ったので、俺はかみ砕いて端的に説明した。
それを受けミヤは、理解しているのか理解していないのかよく分からない表情を浮かべる。
そもそも寝ぼけ眼で、脳が働いていないようにも見えるが。
「ふはぁ……何か分からんけど、凄い能力やね」
何となく理解してくれればとの思いだったので、俺はその言葉で満足した。
その後しばらくむにゃむにゃと眠気と戦っていたミヤだったが、突然思いついたかのように声を上げた。
「だったら今日はそこそこモンスター強いところいかへん? うちはコツコツというより、ドカンと当てる方がええわ」
今の強さがどんくらいかを知っておくのもいいと思い、俺はミヤの意見に同意する。
冒険者ギルドで情報収集を行った後、俺とミヤは依頼を受けずにある場所へと向かった。
* * *
アグスリア湿地帯。
水と草に覆われたその場所に、俺たちはいた。
奨励レベルが30以上で、腕に自信を持つ冒険者が集うこの湿地帯。
ここに生息する河童ロブスターというモンスターがレベル上げやお金稼ぎにおすすめらしい。
「河童ロブスターってどんなモンスターやろな? 河童なんかなぁ? ロブスターなんかなぁ? 楽しみやわ~」
そのモンスターにワクワクを抑えらないらしいミヤと共に、俺はその湿地へと足を踏み入れた。
その場所は"湿地"という名に恥じないような場所だった。
「足場がぬかるんでるな」
「トラッキーも歩きにくそうやね」
冒険靴に纏わりつく泥とぬかるむ足場。
歩きにくいことこの上ない。
苦労しながら俺たちはしばらく湿地帯を進むが、一向に河童ロブスターは現れない。
というか、モンスターの影さえも見当たらない
「うーんおらへんなぁ」
ただモンスターの代わりと言っては何だが、冒険者のパーティは至るところにいた。
すれ違っただけで数組、辺りを見渡しても5組ほどのパーティを見かけた。
冒険者ギルドのおすすめの場所なくらいだから、やはり人気の場所らしい。
これだけの数の冒険者がいるんだから、あらかた河童ロブスターが狩りつくされていると言われても不思議ではない。
そんなことを思っていると、ふとミヤがその疑問の声を上げた。
「なあアキラ~?」
冒険者のパーティを見ながら、ミヤはこちらを向いた。
「うちらってバランス悪すぎへん~?」
ぐうの音もでないほどの正論だ。
確かに俺は前衛だし、ミヤとトラッキーもホーリーフレイムの魔法が使えるとは言え、基本前衛の役割だ。
遠距離攻撃できる弓兵や魔法使い(俺は一応魔法使いだが)もいないし、回復役もいない。
良く言えば、近接攻撃特化パーティ。
悪く言えば、脳筋パーティだ。
いつか仲間を増やさなきゃなぁと考えていると、不意にその声が聞こえた。
「お、新人冒険者じゃん」
キザったらしい声と共に、剣士のような身なりをした金髪の男が近づいてきた。
「この前、冒険者ギルドに登録してた新人冒険者だよな? そのユニコーンタイガーには見覚えがあるぜ」
何か偉そうな口調で、どこか見下しているようなその男はパールドという名前らしい。
こいつはストレンドという冒険者パーティというリーダーらしいが、聞いてもいないのにべらべらとどうでも自慢話を話を始めた。
自分たちはあのシルバーミノタウロスを倒しただの。
一年しかたってないのにすでにCランクになっただの。口々に出る言葉は、自慢ばかり。
こういうタイプは苦手だと感じた俺は、適当に頷きながら話聞いている風を装う。
で、手持無沙汰になった視線を、後ろにいるパーティ冒険者へと巡らせた。
俺は、悶々とした。羨ましいすぎて、悶々とした。
おっとりとした風貌の神官。スレンダーな女戦士。クールビューティな雰囲気を纏う魔法使い。
こいつ以外のメンバー3人は美女ばっかで、しかも全員巨乳――すごい羨ましい。
こんな美女たちを侍らせるようなパーティだから、こいつもまた威張れるのだろうか。
そんなことをほんのりと思った瞬間、パールドはこちらへと右手を出した。
「まあ仲良くやろうぜ」
友好の握手というやつだろうか。
まあそれくらいなら断る理由もない。
そう思い、俺もまた手を伸ばす。
――が、俺の手は空を切った。
「君は強そうだから僕のパーティに入れてあげないこともないけどどう?」
俺など眼中がないかのように、その手はミヤへと伸びる。
ミヤはあははと空笑いしながら、手を振った。
「うちはいいや、間に合っとる。ごめんな」
「あ、そう? でも、気が向いたら声かけろよ。僕はいつでもOKだから」
はははと作り笑いを振りまくパールドに、少しばかりカチンときた俺。
「あ、そうだ。一つ忠告してあげる。深層にはいかないほうがいいよ。ここの主がいるからね、君たちみたいに"足手まとい"がいるようなパーティならすぐに全滅しちゃうよ」
毒を含むそのセリフに、またもやカチンときた俺。
最後の最後まで俺をイラつかせたそいつは、アディオスとキザったらしいセリフを残し、去っていった。
なんというかあれだ。
すごくあれなやつだ。
「……嫌なやつ」
その言葉にミヤは空笑いしながら、言葉を発する。
「まあ世界にはいろんな人がおるからなぁ」
そんなこんなの災難があったが、俺たちは再び河童ロブスターを再開した。
心にしこりとして残るようなもやもやした感情を何かにぶつけたい、そう思っていた時。
そいつはついに現れた。
頭には皿、口には嘴を持つ河童の顔を持つそいつ。
手にはハサミ、下半身は赤い甲殻で覆われ、地面をぴょんぴょんと移動する尻尾を持ったそいつ。
「うわ、気持ちわる」
なんとも気持ち悪い姿のそいつが河童ロブスターらしかった。
ぐひゃごしゃという変な鳴き声を発しながら、ぴょんとぴょんと近づいてくるそいつ。
生理的嫌悪感から、身体がぶるりと震えた。
「こ、こっちくんな!」
俺は河童ロブスター拒絶するように、しっしっとこんぼうを軽く数回振った。
――刹那、一筋の風が吹いた。
水飛沫が、上がる。
僅かに遅れて響くのは、亀裂音。
断末魔もなく、その河童ロブスターは倒れた。
「……え」
ほとんど何もしていない俺だったが、河童ロブスターをやっつけた……らしい。
「はへーなんやこれ細切れやん」
ミヤがそのモンスターを眺めるが、まるで日本刀の斬撃にあったかのような状態だった。
すごいやん! と興奮気味に声を上げ、嬉々としてはしゃぐミヤ。
その一方で、俺は不満だった。
……全然手ごたえがなさ過ぎて、強さを感じない。
もっとなんかフィードバック的な何かが欲しい。
そう思い立ち、俺はいい感じの手ごたえを知るため、その後も河童ロブスターを求めた。
その後も、幾度も河童ロブスターと遭遇した俺。
しかし、軽くこん棒で叩いただけで、河童ロブスターは倒れていった。
手ごたえがまるでない。まるで昨日のスライム並み――いやそれ以下だった。
手ごたえがなさすぎて、強くなったかどうかも分からない。
そんなこんなを繰り返し、俺たちは河童ロブスターのドロップ品の山を築いていった。
「……結構な量になったな」
俺は全然疲れてないけど、いい頃だろう。
少し休憩するか、そうミヤに告げようとした瞬間――それは聞こえた。
津波のように水がうなる音。
そして地震のように地面が揺れる音。
「逃げろ!」「なんでこんな場所にいるんだ!」「やばいだろ何だこれ!」といったような怒号や悲鳴が響いた。
その喧噪を聞き、何だ何だと俺の近くにいた中年冒険者がその騒ぎの元である方向を眺める。
そして、ぽつりと呟いた。
「おいおい、あれは大王河童ロブスターじゃないか!」
それを聞き、俺とミヤもその方向を見た。
「なんやあれ?」
「……でけぇ」
頭には皿、口には嘴を持つ河童の顔を持ち、手にはハサミ、下半身は赤い甲殻で覆われたそいつは間違いなく河童ロブスターだ。
だが大きさが桁違いだった。
元の河童ロブスターの何十倍もあるだろうそいつは、高さ5メートルはくだらない。
大王河童ロブスター。
そう呼ばれるアグスリア湿地帯の主がそこにいた。
俺はその風貌をみて、一言呟く。
「――きもちわる」
気持ち悪さも何十倍だった。
ギルドへと続く道を歩く俺たち。
「……というわけだ」
俺はアナグラムの能力をミヤへと説明した。
詳しく説明しても分からないだろうと思ったので、俺はかみ砕いて端的に説明した。
それを受けミヤは、理解しているのか理解していないのかよく分からない表情を浮かべる。
そもそも寝ぼけ眼で、脳が働いていないようにも見えるが。
「ふはぁ……何か分からんけど、凄い能力やね」
何となく理解してくれればとの思いだったので、俺はその言葉で満足した。
その後しばらくむにゃむにゃと眠気と戦っていたミヤだったが、突然思いついたかのように声を上げた。
「だったら今日はそこそこモンスター強いところいかへん? うちはコツコツというより、ドカンと当てる方がええわ」
今の強さがどんくらいかを知っておくのもいいと思い、俺はミヤの意見に同意する。
冒険者ギルドで情報収集を行った後、俺とミヤは依頼を受けずにある場所へと向かった。
* * *
アグスリア湿地帯。
水と草に覆われたその場所に、俺たちはいた。
奨励レベルが30以上で、腕に自信を持つ冒険者が集うこの湿地帯。
ここに生息する河童ロブスターというモンスターがレベル上げやお金稼ぎにおすすめらしい。
「河童ロブスターってどんなモンスターやろな? 河童なんかなぁ? ロブスターなんかなぁ? 楽しみやわ~」
そのモンスターにワクワクを抑えらないらしいミヤと共に、俺はその湿地へと足を踏み入れた。
その場所は"湿地"という名に恥じないような場所だった。
「足場がぬかるんでるな」
「トラッキーも歩きにくそうやね」
冒険靴に纏わりつく泥とぬかるむ足場。
歩きにくいことこの上ない。
苦労しながら俺たちはしばらく湿地帯を進むが、一向に河童ロブスターは現れない。
というか、モンスターの影さえも見当たらない
「うーんおらへんなぁ」
ただモンスターの代わりと言っては何だが、冒険者のパーティは至るところにいた。
すれ違っただけで数組、辺りを見渡しても5組ほどのパーティを見かけた。
冒険者ギルドのおすすめの場所なくらいだから、やはり人気の場所らしい。
これだけの数の冒険者がいるんだから、あらかた河童ロブスターが狩りつくされていると言われても不思議ではない。
そんなことを思っていると、ふとミヤがその疑問の声を上げた。
「なあアキラ~?」
冒険者のパーティを見ながら、ミヤはこちらを向いた。
「うちらってバランス悪すぎへん~?」
ぐうの音もでないほどの正論だ。
確かに俺は前衛だし、ミヤとトラッキーもホーリーフレイムの魔法が使えるとは言え、基本前衛の役割だ。
遠距離攻撃できる弓兵や魔法使い(俺は一応魔法使いだが)もいないし、回復役もいない。
良く言えば、近接攻撃特化パーティ。
悪く言えば、脳筋パーティだ。
いつか仲間を増やさなきゃなぁと考えていると、不意にその声が聞こえた。
「お、新人冒険者じゃん」
キザったらしい声と共に、剣士のような身なりをした金髪の男が近づいてきた。
「この前、冒険者ギルドに登録してた新人冒険者だよな? そのユニコーンタイガーには見覚えがあるぜ」
何か偉そうな口調で、どこか見下しているようなその男はパールドという名前らしい。
こいつはストレンドという冒険者パーティというリーダーらしいが、聞いてもいないのにべらべらとどうでも自慢話を話を始めた。
自分たちはあのシルバーミノタウロスを倒しただの。
一年しかたってないのにすでにCランクになっただの。口々に出る言葉は、自慢ばかり。
こういうタイプは苦手だと感じた俺は、適当に頷きながら話聞いている風を装う。
で、手持無沙汰になった視線を、後ろにいるパーティ冒険者へと巡らせた。
俺は、悶々とした。羨ましいすぎて、悶々とした。
おっとりとした風貌の神官。スレンダーな女戦士。クールビューティな雰囲気を纏う魔法使い。
こいつ以外のメンバー3人は美女ばっかで、しかも全員巨乳――すごい羨ましい。
こんな美女たちを侍らせるようなパーティだから、こいつもまた威張れるのだろうか。
そんなことをほんのりと思った瞬間、パールドはこちらへと右手を出した。
「まあ仲良くやろうぜ」
友好の握手というやつだろうか。
まあそれくらいなら断る理由もない。
そう思い、俺もまた手を伸ばす。
――が、俺の手は空を切った。
「君は強そうだから僕のパーティに入れてあげないこともないけどどう?」
俺など眼中がないかのように、その手はミヤへと伸びる。
ミヤはあははと空笑いしながら、手を振った。
「うちはいいや、間に合っとる。ごめんな」
「あ、そう? でも、気が向いたら声かけろよ。僕はいつでもOKだから」
はははと作り笑いを振りまくパールドに、少しばかりカチンときた俺。
「あ、そうだ。一つ忠告してあげる。深層にはいかないほうがいいよ。ここの主がいるからね、君たちみたいに"足手まとい"がいるようなパーティならすぐに全滅しちゃうよ」
毒を含むそのセリフに、またもやカチンときた俺。
最後の最後まで俺をイラつかせたそいつは、アディオスとキザったらしいセリフを残し、去っていった。
なんというかあれだ。
すごくあれなやつだ。
「……嫌なやつ」
その言葉にミヤは空笑いしながら、言葉を発する。
「まあ世界にはいろんな人がおるからなぁ」
そんなこんなの災難があったが、俺たちは再び河童ロブスターを再開した。
心にしこりとして残るようなもやもやした感情を何かにぶつけたい、そう思っていた時。
そいつはついに現れた。
頭には皿、口には嘴を持つ河童の顔を持つそいつ。
手にはハサミ、下半身は赤い甲殻で覆われ、地面をぴょんぴょんと移動する尻尾を持ったそいつ。
「うわ、気持ちわる」
なんとも気持ち悪い姿のそいつが河童ロブスターらしかった。
ぐひゃごしゃという変な鳴き声を発しながら、ぴょんとぴょんと近づいてくるそいつ。
生理的嫌悪感から、身体がぶるりと震えた。
「こ、こっちくんな!」
俺は河童ロブスター拒絶するように、しっしっとこんぼうを軽く数回振った。
――刹那、一筋の風が吹いた。
水飛沫が、上がる。
僅かに遅れて響くのは、亀裂音。
断末魔もなく、その河童ロブスターは倒れた。
「……え」
ほとんど何もしていない俺だったが、河童ロブスターをやっつけた……らしい。
「はへーなんやこれ細切れやん」
ミヤがそのモンスターを眺めるが、まるで日本刀の斬撃にあったかのような状態だった。
すごいやん! と興奮気味に声を上げ、嬉々としてはしゃぐミヤ。
その一方で、俺は不満だった。
……全然手ごたえがなさ過ぎて、強さを感じない。
もっとなんかフィードバック的な何かが欲しい。
そう思い立ち、俺はいい感じの手ごたえを知るため、その後も河童ロブスターを求めた。
その後も、幾度も河童ロブスターと遭遇した俺。
しかし、軽くこん棒で叩いただけで、河童ロブスターは倒れていった。
手ごたえがまるでない。まるで昨日のスライム並み――いやそれ以下だった。
手ごたえがなさすぎて、強くなったかどうかも分からない。
そんなこんなを繰り返し、俺たちは河童ロブスターのドロップ品の山を築いていった。
「……結構な量になったな」
俺は全然疲れてないけど、いい頃だろう。
少し休憩するか、そうミヤに告げようとした瞬間――それは聞こえた。
津波のように水がうなる音。
そして地震のように地面が揺れる音。
「逃げろ!」「なんでこんな場所にいるんだ!」「やばいだろ何だこれ!」といったような怒号や悲鳴が響いた。
その喧噪を聞き、何だ何だと俺の近くにいた中年冒険者がその騒ぎの元である方向を眺める。
そして、ぽつりと呟いた。
「おいおい、あれは大王河童ロブスターじゃないか!」
それを聞き、俺とミヤもその方向を見た。
「なんやあれ?」
「……でけぇ」
頭には皿、口には嘴を持つ河童の顔を持ち、手にはハサミ、下半身は赤い甲殻で覆われたそいつは間違いなく河童ロブスターだ。
だが大きさが桁違いだった。
元の河童ロブスターの何十倍もあるだろうそいつは、高さ5メートルはくだらない。
大王河童ロブスター。
そう呼ばれるアグスリア湿地帯の主がそこにいた。
俺はその風貌をみて、一言呟く。
「――きもちわる」
気持ち悪さも何十倍だった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる