先生と私〜家庭教師✕生徒〜

真愛つむり

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私の日記帳

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「自己分析、ですか?」

指導終わりの質問タイム。先生は珍しく質問で返した。今日やった内容とはてんで関係のない疑問をぶつけたから気持ちはわかる。

でも今の私には必要なことだった。

「はい。先生はやったことありますか?」

「本格的にはないですね。どうして急に興味を持ったんですか?」

「いえ、ちょっと……自分を見つめ直したくなりまして」

「そう、ですか」

先生は一瞬怪訝な顔を浮かべたが、すぐに気を取り直して微笑んだ。

「それなら、日記をつけてみるのがいいかもしれませんね」

日記か。昔父に買ってもらったノートで挑戦したが、キレイに三日坊主で終わった記憶がある。

「うーん、続けられるか不安ですね……」

「お気に入りの筆記具を使うといいですよ。お洒落なノートとか、ちょっと良いペンとか」

「ふむ」

私は机の引き出しを漁って、奥にしまいこんでいた新品のボールペンを取り出した。

「小6の夏休みに提出した作文コンテストの記念品です。何か特別な時におろそうと思ってとってました」

「ではペンはそれで決まりですね。ノートはどうしますか?」

「んー、学校用のじゃ味気ないし……」

私が迷っていると、先生は自分の鞄を開けて中をゴソゴソしだした。

そして1冊のノートを取り出すと、その表紙を私に見せた。

「よければ、これを使いませんか?」

表紙には『Diary365』と書かれている。金色の枠で囲まれた中央には大きく茂った1本の木が描かれ、真っ白な背景の中で堂々とその存在を主張している。

「すごく素敵です……あ、でもいいんですか?」

「はい。この表紙が気に入って買ったものの、鞄に入れっぱなしで使っていなかったものなので」

私は日記帳を受け取ると、表紙をひと撫でして先生に視線を戻した。

「ありがとうございます、先生。大切に使います!」

「どういたしまして」

さっそく今日から日記をつけよう。先生からの2つめのプレゼントだ。

先生が帰った後、私は日記帳をぎゅっと抱きしめた。


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