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召喚した7人の聖女プラス1
第3話 聖女プラス1は城内を散策する(1)
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紋章の発現により7人の聖女と確証された朝比奈さん達は、神官長ザビルからこの国への永住を懇願されたが悩んでいるようだ。
まぁそうだよね。私達はまだ中学生だ。泣きわめいて情緒不安定になってもおかしくない。だけど信頼感のある朝比奈さんが居るお陰で他の女の子達は意外と冷静だ。若干2名が目をキラキラさせて興奮してるけどね。
「私共は必ず聖女様が元の世界へ戻れるようにあらゆる手段を講じて探すとお約束します。出来ればこの国が立ち直るまで、その聖女様のお力をお貸し頂ければと。
その間は最高の環境で聖女様が望むの物も可能な限り用意させて頂きます。その後、元の世界に戻られても良いですし、この国を気に入られて永住して頂いても問題ありません。私としては後者であることを期待しております。
本日は色々とありお疲れでしょう。この後は各自のお部屋を準備してありますので、夕食の時間までゆっくりとお休み頂ければと思います。それでもしご質問等があればその夕食時に伺いますのでお話しください」
そう言う神官長ザビルさんは主に朝比奈さんを見て話していた。(まぁ、朝比奈さん次第だと思ってるんだろうね)
その朝比奈さんが「1つだけいいですか?」と言ってザビルさんに質問をした。
「この場所ですが教会にしてはとても大きな建物ですよね。兵士の方もたくさん居られますし城のような造りに見られます。ここはもしかしてお城ですか?そうであれば王様とか貴族の方は私達の事、いえ、今回の事に関してどのようなスタンスなんでしょうか」
ほんと朝比奈さんには感心するな。神官長ザビルさんは今のところ善良で好意的に見える。でもそれがこの国の総意とは限らない。
その朝比奈さんはザビルさん、神官助手、そしてメイドと、この部屋に居る全ての異世界人に対して僅かな仕草も見逃さないよと言った目で見ていた。(どれ、私も見ましょうかね)
「はい、朝比奈様がおっしゃるように、ここは王都でダジール王が居られる王城です。そのダジール王は庶民から総武王と呼ばれ称えられています。もちろん今回の事はダジール王が私に命じられ行った事です。そして明日の昼にそのダジール王と謁見する予定です。
あと貴族については賛成派がほとんどです。ですが何処の国や世界でも意見が1つに纏まる事は難しい事です。そう解釈して頂ければと思います。ああ、その反対派が聖女様に危害を加える事はあり得ませんのでご安心下さい。ただ、気分を害する事を言ってくる愚か者が居るかも知れませんが無視するか私か助手に言って頂ければこちらで対処致します」
神官長ザビルさんは優しく微笑みながら朝比奈さんに説明し最後に軽く頭を下げる。そして朝比奈さんは少し間を開けてから「判りました」と答えた。
それから私達はザビルさんと別れ、メイドさんに連れられて各自の部屋へと案内された。その部屋は12畳ほどの広さのワンルーム。前室に化粧室を備えたトイレと割りと広めのウォークインクローゼットがあった。
メインの部屋には寝心地が良さそうな大きめのベッドに2人掛けのソファーが小さなテーブルを挟んで2つある。そして可愛いカーテンがある窓側には読書をするのにピッタリな机と椅子が置いてあった。
私は大きなベッドに横になり、今日の出来事を思い出し頭の中で映像として再生する。そして私は第三者の視点でその映像を見た。
これは私がサバイバルで父親に仕込まれた緊急時の対処法だ。その時は冷静に判断していると思っていても必ず何処かにミスがある。それを視点を変え改めて見ることで、そのミスを少しでも減らし新たな発見をする為にと。
(あの右端に居たメイド。朝比奈さんの質問が出た時から少し落ち着きがなかったな。それも貴族の反対派の話になると汗出てたし反対派の内通者とかかな?それとあの神官助手の女性。常に笑顔だったけど目が笑って無かったんだよなぁ。それも私を見る時が特にね)
私はそのまま思考を巡らしこれからどうするかを考える。(他の女の子達、朝比奈さんの部屋に集まってるんだよね。転校初日の見知らぬ女の子だから仕方無いのかなぁ。お話ししたいなぁ。お友達になりたいなぁ)
「はぁ、まずは王様がどんな人柄かを知ることが大事だね。でも総武王って言われてるんだからゴッツいおっさんなんだろうな。せめてカッコいい王子様とか居ないもんかね。あとは貴族だけど胡散臭い人がたくさん居るんだろうなぁ。あまり関り合いにはなりたくないね」
それから私はベッドから起き上がり手持ちのモノを確認する。と言ってもカバンしか無いんだけどね。
そんな事をしているとドアをノックする音が聞こえてきた。これから夕食なんだろう。「はい」と返事をすると1人メイドが部屋には入ってきた。(初めて見る顔だ。年齢は二十歳前と言ったところか。おっ、髪がピンク色だよ。編んで右肩から垂らしてて、なんか可愛いね)
「お食事の時間です」
ピンク髪のメイドさんはそう言って食事が乗っているであろうカートを押して来た。
(えーっと、これはどう言うことかな?まさか各自部屋でお食事じゃないよね。とすれば、プラス1の私は厄介者認定された訳だ)
そんな私は心の中で項垂れて、表面ではニコニコ笑顔でメイドさんをお迎えした。そしてそのメイドさんが用意した夕食はとても美味しそうだ。特にサラダに入っている三つ葉のような葉物がたくさんあって見た目も綺麗だ。
でもね、この葉物なんだけど私知ってるよ?睡眠作用の高い植物だよね?あっ、こっちの炒め物の中にも細かく切って入れてるね。
私はメイドさんに「美味しそうですね!」と言ってその葉物も含めてモリモリ食べた。(食材はアレだけど味付けは少し濃いめで美味しいね。特にこの炒め物に入ってる豚肉みたいなヤツの脂身が旨い!)
メイドさんは私の横に立ち水のお代わりを注いだりとお世話をしてくれる。その時には目を輝かせ興味があるのだろう色々と私の事や他の女の子達の事を聞いてきた。たぶんこの人は何も知らないのだろう。
私はこのメイドさんと楽しく世間話をしながら夕食を食べる。そしてその夕食は30分程で完食した。(うん、美味しかった)
そしてそのメイドさんは、食事の後片付けをすると紅茶とお菓子を準備しテーブルに置いて部屋から出ていった。(ありがとねー)
私はドアの前に行き聞き耳を立てた。ドアの外には人の気配がある。動きがあまり無いのでたぶん見張りの兵士だろう。外の様子を確認した私はポケットから小さな布袋を取り出して中の丸薬を2粒摘まんで口に入れた。
「ふぅ、常に持ち歩いている解毒剤があって良かったよ。これでもし私が知らない薬物が入れてあってもまず大丈夫だと思う」
私は薬物に関しても父親に色々と叩き込まれていた。それも全て試して体で覚えさせられた。(今思うと辛かったけど役に立ったな)
そして私は再びドアまで行って開け、見張りの兵士に声を掛けた。
「あのー、私疲れてたみたいで御飯食べたら眠くなったのでこれから寝ようと思います。なので部屋には誰も居れないで下さい」
「はっ、判りました。もし、誰か訪ねて来られても翌朝にしてもらうように言っておきますのでゆっくりとお休み下さい」
見張りの兵士は1人だけで生真面目そうな若者だった。(おお、好青年だね!)
「ふふ、ありがとうございます。ではお休みなさい」
私はそう言ってドアを閉め、ソファーに座り紅茶を一口飲んで肩の力を抜いた。
(夕食に入っていた薬物はたぶん睡眠薬だけ。寝てる間に私を何処かに運び出し殺すという可能性は少し残ってるが、まず朝まで他の女の子達と接触せずにじっとして欲しかったのだろうと思う。その間に私を厄介者だと認識させるように話を仕向けるのか?)
私はソファーから立ち上がり窓際まで行き静かに窓を開けた。そしてベルトのバックルから小さな鉤爪を取り外し、それからスカートを太ももまで捲り上げ、太ももに巻いている長さ1メートルほどのマイクロコードをほどき鉤爪に結んだ。マイクロコードはパラシュート等に使われるパラコードより細いものだが、私の体重であれば引っ張り強度に問題はない。
その鉤爪を持って私は窓から身を乗り出し、1つ上の階の窓枠へと狙いを定めて振り投げる。そしてその鉤爪は「ガチッ!」と音がして見事窓枠下に引っ掛かかった。
私の部屋は3階だ。手を滑らせるか鉤爪が外れて落ちれば骨折以上の怪我をするだろう。でも私は大丈夫。それは慣れてるから。
「さあ、なにか収穫はあるかな?」
私はマイクロコードをしっかりと握り、部屋の外へと飛び出した。
まぁそうだよね。私達はまだ中学生だ。泣きわめいて情緒不安定になってもおかしくない。だけど信頼感のある朝比奈さんが居るお陰で他の女の子達は意外と冷静だ。若干2名が目をキラキラさせて興奮してるけどね。
「私共は必ず聖女様が元の世界へ戻れるようにあらゆる手段を講じて探すとお約束します。出来ればこの国が立ち直るまで、その聖女様のお力をお貸し頂ければと。
その間は最高の環境で聖女様が望むの物も可能な限り用意させて頂きます。その後、元の世界に戻られても良いですし、この国を気に入られて永住して頂いても問題ありません。私としては後者であることを期待しております。
本日は色々とありお疲れでしょう。この後は各自のお部屋を準備してありますので、夕食の時間までゆっくりとお休み頂ければと思います。それでもしご質問等があればその夕食時に伺いますのでお話しください」
そう言う神官長ザビルさんは主に朝比奈さんを見て話していた。(まぁ、朝比奈さん次第だと思ってるんだろうね)
その朝比奈さんが「1つだけいいですか?」と言ってザビルさんに質問をした。
「この場所ですが教会にしてはとても大きな建物ですよね。兵士の方もたくさん居られますし城のような造りに見られます。ここはもしかしてお城ですか?そうであれば王様とか貴族の方は私達の事、いえ、今回の事に関してどのようなスタンスなんでしょうか」
ほんと朝比奈さんには感心するな。神官長ザビルさんは今のところ善良で好意的に見える。でもそれがこの国の総意とは限らない。
その朝比奈さんはザビルさん、神官助手、そしてメイドと、この部屋に居る全ての異世界人に対して僅かな仕草も見逃さないよと言った目で見ていた。(どれ、私も見ましょうかね)
「はい、朝比奈様がおっしゃるように、ここは王都でダジール王が居られる王城です。そのダジール王は庶民から総武王と呼ばれ称えられています。もちろん今回の事はダジール王が私に命じられ行った事です。そして明日の昼にそのダジール王と謁見する予定です。
あと貴族については賛成派がほとんどです。ですが何処の国や世界でも意見が1つに纏まる事は難しい事です。そう解釈して頂ければと思います。ああ、その反対派が聖女様に危害を加える事はあり得ませんのでご安心下さい。ただ、気分を害する事を言ってくる愚か者が居るかも知れませんが無視するか私か助手に言って頂ければこちらで対処致します」
神官長ザビルさんは優しく微笑みながら朝比奈さんに説明し最後に軽く頭を下げる。そして朝比奈さんは少し間を開けてから「判りました」と答えた。
それから私達はザビルさんと別れ、メイドさんに連れられて各自の部屋へと案内された。その部屋は12畳ほどの広さのワンルーム。前室に化粧室を備えたトイレと割りと広めのウォークインクローゼットがあった。
メインの部屋には寝心地が良さそうな大きめのベッドに2人掛けのソファーが小さなテーブルを挟んで2つある。そして可愛いカーテンがある窓側には読書をするのにピッタリな机と椅子が置いてあった。
私は大きなベッドに横になり、今日の出来事を思い出し頭の中で映像として再生する。そして私は第三者の視点でその映像を見た。
これは私がサバイバルで父親に仕込まれた緊急時の対処法だ。その時は冷静に判断していると思っていても必ず何処かにミスがある。それを視点を変え改めて見ることで、そのミスを少しでも減らし新たな発見をする為にと。
(あの右端に居たメイド。朝比奈さんの質問が出た時から少し落ち着きがなかったな。それも貴族の反対派の話になると汗出てたし反対派の内通者とかかな?それとあの神官助手の女性。常に笑顔だったけど目が笑って無かったんだよなぁ。それも私を見る時が特にね)
私はそのまま思考を巡らしこれからどうするかを考える。(他の女の子達、朝比奈さんの部屋に集まってるんだよね。転校初日の見知らぬ女の子だから仕方無いのかなぁ。お話ししたいなぁ。お友達になりたいなぁ)
「はぁ、まずは王様がどんな人柄かを知ることが大事だね。でも総武王って言われてるんだからゴッツいおっさんなんだろうな。せめてカッコいい王子様とか居ないもんかね。あとは貴族だけど胡散臭い人がたくさん居るんだろうなぁ。あまり関り合いにはなりたくないね」
それから私はベッドから起き上がり手持ちのモノを確認する。と言ってもカバンしか無いんだけどね。
そんな事をしているとドアをノックする音が聞こえてきた。これから夕食なんだろう。「はい」と返事をすると1人メイドが部屋には入ってきた。(初めて見る顔だ。年齢は二十歳前と言ったところか。おっ、髪がピンク色だよ。編んで右肩から垂らしてて、なんか可愛いね)
「お食事の時間です」
ピンク髪のメイドさんはそう言って食事が乗っているであろうカートを押して来た。
(えーっと、これはどう言うことかな?まさか各自部屋でお食事じゃないよね。とすれば、プラス1の私は厄介者認定された訳だ)
そんな私は心の中で項垂れて、表面ではニコニコ笑顔でメイドさんをお迎えした。そしてそのメイドさんが用意した夕食はとても美味しそうだ。特にサラダに入っている三つ葉のような葉物がたくさんあって見た目も綺麗だ。
でもね、この葉物なんだけど私知ってるよ?睡眠作用の高い植物だよね?あっ、こっちの炒め物の中にも細かく切って入れてるね。
私はメイドさんに「美味しそうですね!」と言ってその葉物も含めてモリモリ食べた。(食材はアレだけど味付けは少し濃いめで美味しいね。特にこの炒め物に入ってる豚肉みたいなヤツの脂身が旨い!)
メイドさんは私の横に立ち水のお代わりを注いだりとお世話をしてくれる。その時には目を輝かせ興味があるのだろう色々と私の事や他の女の子達の事を聞いてきた。たぶんこの人は何も知らないのだろう。
私はこのメイドさんと楽しく世間話をしながら夕食を食べる。そしてその夕食は30分程で完食した。(うん、美味しかった)
そしてそのメイドさんは、食事の後片付けをすると紅茶とお菓子を準備しテーブルに置いて部屋から出ていった。(ありがとねー)
私はドアの前に行き聞き耳を立てた。ドアの外には人の気配がある。動きがあまり無いのでたぶん見張りの兵士だろう。外の様子を確認した私はポケットから小さな布袋を取り出して中の丸薬を2粒摘まんで口に入れた。
「ふぅ、常に持ち歩いている解毒剤があって良かったよ。これでもし私が知らない薬物が入れてあってもまず大丈夫だと思う」
私は薬物に関しても父親に色々と叩き込まれていた。それも全て試して体で覚えさせられた。(今思うと辛かったけど役に立ったな)
そして私は再びドアまで行って開け、見張りの兵士に声を掛けた。
「あのー、私疲れてたみたいで御飯食べたら眠くなったのでこれから寝ようと思います。なので部屋には誰も居れないで下さい」
「はっ、判りました。もし、誰か訪ねて来られても翌朝にしてもらうように言っておきますのでゆっくりとお休み下さい」
見張りの兵士は1人だけで生真面目そうな若者だった。(おお、好青年だね!)
「ふふ、ありがとうございます。ではお休みなさい」
私はそう言ってドアを閉め、ソファーに座り紅茶を一口飲んで肩の力を抜いた。
(夕食に入っていた薬物はたぶん睡眠薬だけ。寝てる間に私を何処かに運び出し殺すという可能性は少し残ってるが、まず朝まで他の女の子達と接触せずにじっとして欲しかったのだろうと思う。その間に私を厄介者だと認識させるように話を仕向けるのか?)
私はソファーから立ち上がり窓際まで行き静かに窓を開けた。そしてベルトのバックルから小さな鉤爪を取り外し、それからスカートを太ももまで捲り上げ、太ももに巻いている長さ1メートルほどのマイクロコードをほどき鉤爪に結んだ。マイクロコードはパラシュート等に使われるパラコードより細いものだが、私の体重であれば引っ張り強度に問題はない。
その鉤爪を持って私は窓から身を乗り出し、1つ上の階の窓枠へと狙いを定めて振り投げる。そしてその鉤爪は「ガチッ!」と音がして見事窓枠下に引っ掛かかった。
私の部屋は3階だ。手を滑らせるか鉤爪が外れて落ちれば骨折以上の怪我をするだろう。でも私は大丈夫。それは慣れてるから。
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