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γ-クラリウム星系群編(前編)
090-華麗なディナーを
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ディナーの時間になったので、俺たちは50階にあるレストランの入り口へと向かう。
一応ここは、種族や立場に合わせて40のレストランがあるが、その中でも人間用の料理を供する食べ放題プランのあるレストランを選択した。
ドレスコードはないが、あまり汚い格好だと入店拒否だそうだ。
「案の定、広いね...」
「うん...」
ちょっとしたコンサートホールくらいはあり、中央にバイキングスペースがある。
席は端の方に並んでいて、吹き抜けの2階、3階にも席があるようだな。
席は自由ではなく、決まっているらしく俺たちの席は1階の奥だった。
大理石の床を軽く踏み鳴らしながら、俺たちは席へと座った。
「私は飲み物を注文してるから、アルは先に行っていいよ」
「う、うん!」
飲み物は地球のようなドリンクバーではあるが、酒だけは注文式らしい。
せっかくなので、俺も酒を注文する。
この世界に来てから、頑なに酒を飲まなかったが、今日は少なくとも大丈夫なはずだ。
「正直、前から気になってたんだ」
缶で売ってた、何かの発泡酒。
パッケージにはビールらしいものがプリントされていたが、緑色なんだよな。
「お待たせしました」
ちゃんと人間のウェイターが運んできた缶の中身をグラスに空ける。
マジで緑だが、嫌な匂いはしない。
「バスターコ・ビール」というらしく、パッケージにはダムザールというロゴが印刷されていた。
アルを待ちつつ、先に酒を腹に入れる事にした。
俺はあんまり気にしたことはないが、満腹だと味が鈍ると言って空腹の時にわざと酒を飲む人種がいるらしいな。
「甘い...?」
ビール特有の苦味とあまり相性の良くない、強い甘みを感じた。
評価が分かれるタイプのやつだ、これは。
「お、いいじゃん」
その時、アルが帰ってきた。
彼のお盆の上には、割と普通の内容の食事が並んでいた。
「野菜から先に、だよ」
「はーい」
アルはこういう時、先に見知ったものから取って、あとからチャレンジするタイプだ。
俺とは違うようだな。
俺はお盆を持って、ビュッフェスペースへと向かうのだった。
「それでなんだけど」
ディナーと言っても、俺はただアルとここで美味しいものを食べるだけで終わらせる気はない。
「明日はアンドロイドを買いに行くけど、他に買いたいものとか、行きたいところある?」
「......リリーさんのお洋服とか!」
「私はいいよ...」
「ダメ! だって、いつもTシャツにジャケットだもん...もっと、おしゃれしても...いいのに...」
そうかな?
俺は疑問符を浮かべる。
俺は女として見られるのが嫌で、わざと男寄りの格好を続けている。
だが、この先ドレスコードや、交渉の場において、女を前面に出さなければいけない時は来るだろう。
そういう時のために、買って揃えておくのは悪くないかもしれない。
「他は?」
「うーん...携帯が欲しい!」
「あー、それね」
いわゆるプリペイド携帯のようなものを与えていただけで、アルが今持っている携帯は俺の持っているものよりはるかに機能的に劣る。
だから、もっと自由に色々できるようにしてやりたい。
今やってるゲームも若干スペック不足だしな。
「わかった。もうお腹いっぱい?」
「ううん、もう一回行ってくる!」
そう言うと、彼はお盆を持って席を立った。
よく食べるなあ。
普段食わせなさすぎたか...?
子供の基準はよくわからない。
一応ここは、種族や立場に合わせて40のレストランがあるが、その中でも人間用の料理を供する食べ放題プランのあるレストランを選択した。
ドレスコードはないが、あまり汚い格好だと入店拒否だそうだ。
「案の定、広いね...」
「うん...」
ちょっとしたコンサートホールくらいはあり、中央にバイキングスペースがある。
席は端の方に並んでいて、吹き抜けの2階、3階にも席があるようだな。
席は自由ではなく、決まっているらしく俺たちの席は1階の奥だった。
大理石の床を軽く踏み鳴らしながら、俺たちは席へと座った。
「私は飲み物を注文してるから、アルは先に行っていいよ」
「う、うん!」
飲み物は地球のようなドリンクバーではあるが、酒だけは注文式らしい。
せっかくなので、俺も酒を注文する。
この世界に来てから、頑なに酒を飲まなかったが、今日は少なくとも大丈夫なはずだ。
「正直、前から気になってたんだ」
缶で売ってた、何かの発泡酒。
パッケージにはビールらしいものがプリントされていたが、緑色なんだよな。
「お待たせしました」
ちゃんと人間のウェイターが運んできた缶の中身をグラスに空ける。
マジで緑だが、嫌な匂いはしない。
「バスターコ・ビール」というらしく、パッケージにはダムザールというロゴが印刷されていた。
アルを待ちつつ、先に酒を腹に入れる事にした。
俺はあんまり気にしたことはないが、満腹だと味が鈍ると言って空腹の時にわざと酒を飲む人種がいるらしいな。
「甘い...?」
ビール特有の苦味とあまり相性の良くない、強い甘みを感じた。
評価が分かれるタイプのやつだ、これは。
「お、いいじゃん」
その時、アルが帰ってきた。
彼のお盆の上には、割と普通の内容の食事が並んでいた。
「野菜から先に、だよ」
「はーい」
アルはこういう時、先に見知ったものから取って、あとからチャレンジするタイプだ。
俺とは違うようだな。
俺はお盆を持って、ビュッフェスペースへと向かうのだった。
「それでなんだけど」
ディナーと言っても、俺はただアルとここで美味しいものを食べるだけで終わらせる気はない。
「明日はアンドロイドを買いに行くけど、他に買いたいものとか、行きたいところある?」
「......リリーさんのお洋服とか!」
「私はいいよ...」
「ダメ! だって、いつもTシャツにジャケットだもん...もっと、おしゃれしても...いいのに...」
そうかな?
俺は疑問符を浮かべる。
俺は女として見られるのが嫌で、わざと男寄りの格好を続けている。
だが、この先ドレスコードや、交渉の場において、女を前面に出さなければいけない時は来るだろう。
そういう時のために、買って揃えておくのは悪くないかもしれない。
「他は?」
「うーん...携帯が欲しい!」
「あー、それね」
いわゆるプリペイド携帯のようなものを与えていただけで、アルが今持っている携帯は俺の持っているものよりはるかに機能的に劣る。
だから、もっと自由に色々できるようにしてやりたい。
今やってるゲームも若干スペック不足だしな。
「わかった。もうお腹いっぱい?」
「ううん、もう一回行ってくる!」
そう言うと、彼はお盆を持って席を立った。
よく食べるなあ。
普段食わせなさすぎたか...?
子供の基準はよくわからない。
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