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γ-クラリウム星系群編(後編)
126-お前は物語の主人公などではない
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オリオンは緊急避難口の一つに接舷する。
砲撃の前面に晒される事になるが、逆にオリオンが盾になって避難民は守られる。
俺のわがままだが、このまま見捨てていくのも心苦しい。
「こちら、輸送艦オリオン! 避難民の収容を開始する、こちらは避難船ではないため、苦情は受け付けない!」
俺は外部スピーカーでそう訴えると、カーゴホールドのハッチを開けた。
作業用ドローンが、避難民を少しずつ収容している。
皆、非常時なのに強かだ。
ステーションのシールドは消えているが、酸素はまだ抜けきっていない。
『....ッ! 砲撃感知! 接触します!』
直後、轟音が響いた。
急いで確認すると、後部にビームが突き刺さっている。
オリオンの位相装甲が起動している証拠だ。
俺にはよく分からないが、攻撃を中和する機能があるという。
『波長が長い......! 振り落とせば楽なんですけど....』
「避難に影響する、出来れば中和しきって」
『はーい!』
接触箇所からして、狙って放たれたものではない。
つまり、まだ大丈夫だ。
「避難率は?」
『わかりません、収容率は22%! 概算なら出せますが.....』
「概算でいいから、出して」
俺は進捗率を見て、溜息を吐く。
そして、初めて後ろからの視線に気づいた。
「......アル」
「逃げようよ、リリーさん、ステーションが爆発したら.....」
「駄目、見捨ててはいけない」
「...リリーさん!」
俺は前を向いて、また振り返った。
アルは、目に涙を浮かべていた。
「.....リリーさんは、アルヴィンじゃないんだよ!」
「.........」
アルヴィンはいつもやっているゲーム「エグニカ・ドールクライス」の主人公だ。
正確には、主人公キャラクターというべきか。
「あんなのに撃たれたら、死んじゃうよ!」
「だけど、今はまだ狙われてないし....」
「まだ、でしょ!?」
そうだ。
まだ、まだなのだ。
集中的に狙われたら、あくまで緊急防護である位相装甲では防御しきれない。
ゲーム中でもそうだった。
電力を使い果たして、位相置換が出来なくなる。
相手の数も遠すぎてわからないし、手持ちのミサイルやビーム砲では遠すぎて届かない。
『望遠スキャン波がこちらに集中、ターゲットされています』
「.....まだ!」
『無駄です!』
直後。
敵のいる方から閃光が走る。
真っすぐに突き抜けたそれは、ステーションを再び貫いた。
『位相装甲、出力最大!』
俺の目の前で、ステーションが崩壊していく。
中央部を破壊されたことで、ステーション自体が爆縮しようとしている。
避難用口が破壊され、俺は火の中へ消えていく人々を目にした。
「あ――――」
『退避します! シールド展開、ワープ準備!』
だが、どうしようもない。
オリオンは破壊されるステーションから離脱して、ワープの準備に入る。
「......ごめん」
「うん」
俺は息を吐く。
らしくない事をした、本当は気付いている。
風邪ひいて、頭やられたせいか。
ヒーローなんかになれっこない、ただあの瞬間俺はきっと、ハイになっていたんだ。
おかしくなっていたんだ。
異常だったんだ。
非日常に切り替わるのが急すぎた。
――――俺はアルを守らなきゃいけないのに。
「.....待って! それでも......これだけはやらせてほしい」
シールドを張っている今なら、出来ない事ではない。
「ワープブースターによる短距離ワープは出来る?」
『はい、可能です』
「あの戦艦に何とか、打撃を与えて離脱すれば、向こうは追ってこれないと思うんだ」
『ああ、それなら簡単ですよ』
ペルソナの声が響く。
簡単って......
「何するの?」
『体当たりです!』
砲撃の前面に晒される事になるが、逆にオリオンが盾になって避難民は守られる。
俺のわがままだが、このまま見捨てていくのも心苦しい。
「こちら、輸送艦オリオン! 避難民の収容を開始する、こちらは避難船ではないため、苦情は受け付けない!」
俺は外部スピーカーでそう訴えると、カーゴホールドのハッチを開けた。
作業用ドローンが、避難民を少しずつ収容している。
皆、非常時なのに強かだ。
ステーションのシールドは消えているが、酸素はまだ抜けきっていない。
『....ッ! 砲撃感知! 接触します!』
直後、轟音が響いた。
急いで確認すると、後部にビームが突き刺さっている。
オリオンの位相装甲が起動している証拠だ。
俺にはよく分からないが、攻撃を中和する機能があるという。
『波長が長い......! 振り落とせば楽なんですけど....』
「避難に影響する、出来れば中和しきって」
『はーい!』
接触箇所からして、狙って放たれたものではない。
つまり、まだ大丈夫だ。
「避難率は?」
『わかりません、収容率は22%! 概算なら出せますが.....』
「概算でいいから、出して」
俺は進捗率を見て、溜息を吐く。
そして、初めて後ろからの視線に気づいた。
「......アル」
「逃げようよ、リリーさん、ステーションが爆発したら.....」
「駄目、見捨ててはいけない」
「...リリーさん!」
俺は前を向いて、また振り返った。
アルは、目に涙を浮かべていた。
「.....リリーさんは、アルヴィンじゃないんだよ!」
「.........」
アルヴィンはいつもやっているゲーム「エグニカ・ドールクライス」の主人公だ。
正確には、主人公キャラクターというべきか。
「あんなのに撃たれたら、死んじゃうよ!」
「だけど、今はまだ狙われてないし....」
「まだ、でしょ!?」
そうだ。
まだ、まだなのだ。
集中的に狙われたら、あくまで緊急防護である位相装甲では防御しきれない。
ゲーム中でもそうだった。
電力を使い果たして、位相置換が出来なくなる。
相手の数も遠すぎてわからないし、手持ちのミサイルやビーム砲では遠すぎて届かない。
『望遠スキャン波がこちらに集中、ターゲットされています』
「.....まだ!」
『無駄です!』
直後。
敵のいる方から閃光が走る。
真っすぐに突き抜けたそれは、ステーションを再び貫いた。
『位相装甲、出力最大!』
俺の目の前で、ステーションが崩壊していく。
中央部を破壊されたことで、ステーション自体が爆縮しようとしている。
避難用口が破壊され、俺は火の中へ消えていく人々を目にした。
「あ――――」
『退避します! シールド展開、ワープ準備!』
だが、どうしようもない。
オリオンは破壊されるステーションから離脱して、ワープの準備に入る。
「......ごめん」
「うん」
俺は息を吐く。
らしくない事をした、本当は気付いている。
風邪ひいて、頭やられたせいか。
ヒーローなんかになれっこない、ただあの瞬間俺はきっと、ハイになっていたんだ。
おかしくなっていたんだ。
異常だったんだ。
非日常に切り替わるのが急すぎた。
――――俺はアルを守らなきゃいけないのに。
「.....待って! それでも......これだけはやらせてほしい」
シールドを張っている今なら、出来ない事ではない。
「ワープブースターによる短距離ワープは出来る?」
『はい、可能です』
「あの戦艦に何とか、打撃を与えて離脱すれば、向こうは追ってこれないと思うんだ」
『ああ、それなら簡単ですよ』
ペルソナの声が響く。
簡単って......
「何するの?」
『体当たりです!』
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