東の森

Manoka

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ドーラ・グーノ

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マザーツリーの西側にある窪みの中で、一番高い位置にある窪みが私の住処だ。

「わあ、ここ、お姉ちゃんのお家なの?」

窪みの中は簡単な木製のベットと机があるだけの、大きな鳥の巣の様な場所だ。
小さい人間はは、窪みから外の景色を見ながら目をキラキラと輝かせた。

フワッと香る人間の臭い。
しかし大きい人間と違ってさほど臭くない。

私は寝床に腰を下ろし人間の様子を伺うが、やはり何ら変化は無さそうだ。

こんな人間は初めてみた。
小さい人間を見るのは初めてではないが、どの人間も必ずこのマザーツリーでは生き延びることが出来なかった。

「ビノ」
「うわっ」

大きい羽音と共に窪みの入り口へ降り立ったのは、森の南側の門番・イリス。
イリスが降り立った際の風圧で、小さい人間は後ろへよろめき尻餅をついた。

イリスは窪みの中にいた人間をみるや否や、その青い澄んだ瞳を大きく見開いた。

「なっ、何だ!?人間か!?」
「あぁ、そうだよ」
「何故ここに!?」

イリスもマザーツリーで平然と生きている人間に驚きを隠せない様子だった。
やはり、イリスもここで生きる事が出来る人間を見るのは初めてと言う事だ。

「この人間はマザーツリーの影響を受けていない」
「そんな、馬鹿な…」

イリスはじっと人間を見た。
人間は不安そうな顔をして目を泳がせた。
マザーツリーの影響を受けない人間、つまりこの森にとって敵ではないという事なのか。

私はベットから立ち上がり、イリスの隣まで静かに歩き、人間に聞こえない様に耳打ちした。

「この人間は森から出せない。危険すぎる。しばらくはここで様子を見る、いいな」

イリスは静かに頷いた。
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