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初めて2人で過ごす夜
3日振りにレオナードさんと会うことになり、夕方からなので夕食に招待することにした。仕事帰りに買い物をして急いで準備をする。
ハラルさんとのこともお礼をしたかったから招待したのだがよくよく考えたら貴族の方だし料理が口に合うのか心配になった。
ラモン亭に行ったほうが良かったかしら? とりあえず舌が肥えてそうなレオナードさん対策で日本家庭料理風のメニューにした。完璧に再現するのは調味料がないからできない。主婦だった頃の記憶を辿りメニューを決めた。
薄切りのお肉を2枚重ねにして間にチーズを挟み込み塩と胡椒を振り小麦粉を付けて卵に潜らせる。
パン粉はないので固いパンを削り味付け代わりに香草入りにした。
少な目の油で揚げ焼きにしてチーズカツの完成。
カツを揚げ焼きをしている間に皮付きのジャガイモを固めに茹で乱切りにして玉葱は薄目にスライスする。
油の中でじっくりとみじん切りにしたニンニクを炒めきつね色になったらベーコンと玉葱を入れる。ベーコンが美味しそうな色になったらジャガイモを入れ更に炒める。ジャガイモも焦げ目が付いたら白ワイン少量、塩と胡椒も振り絡めてジャーマンポテトの完成。本当はコンソメがあると旨味が出ていいんだけどなぁ。
あとはサラダを作り根菜類とベーコンのスープを作った。日本の旨味を出す調味料が便利で懐かしいけどもしかして塩分高めだったのかしら… 。
丁度作り終わる頃レオナードさんがやってきた。
「リオナ、会いたかった」
レオナードさんは甘い言葉を照れずに言うけど毎回こんな感じなのかな? 私の方が少し気恥ずかしい。
「いらっしゃい。私も会いたかったわ」
「いい匂いだな。今日は楽しみにしていたんだ」
「お口に合うかわかりませんが…。食べましょうか」
二人で夕食を自宅で取るなんて初めてだった。レオナードさんは美味しいと言ってくれたから上手くできたと思っておこう。
夕食後、二人用だけど小さめなソファーに座りお茶を飲む。レオナードさんの体が大きいので密着した状況に戸惑った。
「リオナ、この前久しぶりに実家に帰っていたんだ」
「実家に?」
「あぁ、父と話し合いするためだ。元々、家は継がない気でいたからはっきりと自分の意志を話してきたんだ」
「それって…、レオナードさんは後悔しないんですか?」
「騎士団に入るときから決めてたことだったから後悔なんてしない。俺には優秀な弟が二人いるから困ることはないんだ」
「お父様は納得されたのですか?」
「理由も聞かれないし反対もされなかったけど本心はよく分からない。それに弟にも会って事情を話したから」
「そうですか。貴族のことはよく知りませんのでレオナードさんが自分で決めたことなら良かったのかな?」
「俺が必要なのはリオナと共に生きていくことだから後悔することもない。貴族でなくなっても一生暮らせるだけの金もある。俺の幸せはリオナが一生傍にいること。だからこの先もずっと傍にいてくれ」
「でもレオナードさんは私の我儘を全て受け入れているような気がして申し訳ないんです。家のことも結婚のことも全て相手が私でなければ諦める必要がないのに。傍にいたいと願うのに自分の考えがなかなか変えれずに罪悪感でいっぱいなんです」
「我儘? そんなことは思ったことがないぞ。全て自分で選択して決めているから一つも諦めたりしていないし結婚したくなければしなければいい。別に気が変わるのを待っているわけではないから勘違いするなよ。どれだけ時間がかかっても万一したくなったら言ってくれればいいさ。結婚したからリオナが俺だけのものとは限らないだろ? 心が離れてしまえば所詮紙切れで繋がっているだけじゃないか」
「ありがとうございます。いつかお返事できるようになったら伝えます」
「それでいい。リオナ愛してるよ」
覆い被さるように包まれて抱きしめられると唇が重なった。
「リオナ、抱いてもいいか?」
「えっ……はい。でも少し待っててもらえますか?」
「待つ? 一体どこに行くんだ?」
「えっと、ひ、避妊薬を飲みたいです」
「避妊薬…。使ったことがあるのか? 誰とだ」
「違いますよ! レーナがレオナードさんと交際してると知ったらくれたんです。一度も使ったことなんてありませんよ」
「次は俺が用意する」
「たくさん入っているから当分要りませんよ。でもそのですね…」
「どうした? 遠慮なく言ってみろ」
「その…、私も避妊薬を飲みますがレオナードさんも協力して欲しいというか…」
「善処するが子供ができてもちゃんと育てるぞ。もちろん二人でな」
交際したときからこうなることは分かっていた。もし子供ができても働きながら育てればいい。幸い職場にも恵まれているしリイベル会長からはアイディア料的な報酬も貰える。ミシェルさんは貰っておけばいいのよと言ってくれるので貯金も平民にしてはかなりある。
人生に絶対はないし誓った愛も永遠とは限らない。だからレオナードさんが心変わりして離れていっても大丈夫。決して前世のようにはなりたくない…。
薬を飲み終わりレオナードさんのところへ戻った。
「リオナおいで」
レオナードさんの熱の帯びた言葉に胸が高鳴った。抱き抱えられてベッドに移動し灯りを消したらレオナードさんから貪るような口付けをされる。
それをきっかけにして火がついたようにお互い相手を求め合う。
今世では初めて、前世以来久しぶりに肌を重ねる行為は幸福感に包まれ二人の夜を過ごした。
「おはよう、リオナ」
「おはようございます?」
レオナードさんがベッドに腰を掛けて私の頭を撫でている。
「何で驚いているんだ?」
「その…、朝に目覚めたら一人ではなかったので」
「身体は大丈夫か? リオナは今日も仕事に行く日なのか?」
「体は節々が痛いですが大丈夫です。今日は仕事が休みなので心配しないでください。レオナードさんはお仕事ですか?」
「あぁ、すまないがこれから仕事に行く。ゆっくり寝てろと言いたいが戸締りをしてくれるか?」
「今、服を着ますね。レオナードさんはお仕事なのに私だけ休んで申し訳ないです」
「俺は鍛えているからこのくらい何でもない。それよりまた今晩来るからリオナはゆっくり休んでくれ。夕食を適当に買うから一緒に食べよう」
「あっ、はい。今晩…」
「何だ、嫌か?」
「いえ、嬉しいんですが…」
「大丈夫、今日は何もしないから安心しろ」
本当に昨夜は体力が削られたからお願いします。レオナードさんはものすごく絶倫で体力お化けです。
日本人は淡白な人が多いけどこの世界では当たり前なの? 今度レーナに聞いてみようか…。
ハラルさんとのこともお礼をしたかったから招待したのだがよくよく考えたら貴族の方だし料理が口に合うのか心配になった。
ラモン亭に行ったほうが良かったかしら? とりあえず舌が肥えてそうなレオナードさん対策で日本家庭料理風のメニューにした。完璧に再現するのは調味料がないからできない。主婦だった頃の記憶を辿りメニューを決めた。
薄切りのお肉を2枚重ねにして間にチーズを挟み込み塩と胡椒を振り小麦粉を付けて卵に潜らせる。
パン粉はないので固いパンを削り味付け代わりに香草入りにした。
少な目の油で揚げ焼きにしてチーズカツの完成。
カツを揚げ焼きをしている間に皮付きのジャガイモを固めに茹で乱切りにして玉葱は薄目にスライスする。
油の中でじっくりとみじん切りにしたニンニクを炒めきつね色になったらベーコンと玉葱を入れる。ベーコンが美味しそうな色になったらジャガイモを入れ更に炒める。ジャガイモも焦げ目が付いたら白ワイン少量、塩と胡椒も振り絡めてジャーマンポテトの完成。本当はコンソメがあると旨味が出ていいんだけどなぁ。
あとはサラダを作り根菜類とベーコンのスープを作った。日本の旨味を出す調味料が便利で懐かしいけどもしかして塩分高めだったのかしら… 。
丁度作り終わる頃レオナードさんがやってきた。
「リオナ、会いたかった」
レオナードさんは甘い言葉を照れずに言うけど毎回こんな感じなのかな? 私の方が少し気恥ずかしい。
「いらっしゃい。私も会いたかったわ」
「いい匂いだな。今日は楽しみにしていたんだ」
「お口に合うかわかりませんが…。食べましょうか」
二人で夕食を自宅で取るなんて初めてだった。レオナードさんは美味しいと言ってくれたから上手くできたと思っておこう。
夕食後、二人用だけど小さめなソファーに座りお茶を飲む。レオナードさんの体が大きいので密着した状況に戸惑った。
「リオナ、この前久しぶりに実家に帰っていたんだ」
「実家に?」
「あぁ、父と話し合いするためだ。元々、家は継がない気でいたからはっきりと自分の意志を話してきたんだ」
「それって…、レオナードさんは後悔しないんですか?」
「騎士団に入るときから決めてたことだったから後悔なんてしない。俺には優秀な弟が二人いるから困ることはないんだ」
「お父様は納得されたのですか?」
「理由も聞かれないし反対もされなかったけど本心はよく分からない。それに弟にも会って事情を話したから」
「そうですか。貴族のことはよく知りませんのでレオナードさんが自分で決めたことなら良かったのかな?」
「俺が必要なのはリオナと共に生きていくことだから後悔することもない。貴族でなくなっても一生暮らせるだけの金もある。俺の幸せはリオナが一生傍にいること。だからこの先もずっと傍にいてくれ」
「でもレオナードさんは私の我儘を全て受け入れているような気がして申し訳ないんです。家のことも結婚のことも全て相手が私でなければ諦める必要がないのに。傍にいたいと願うのに自分の考えがなかなか変えれずに罪悪感でいっぱいなんです」
「我儘? そんなことは思ったことがないぞ。全て自分で選択して決めているから一つも諦めたりしていないし結婚したくなければしなければいい。別に気が変わるのを待っているわけではないから勘違いするなよ。どれだけ時間がかかっても万一したくなったら言ってくれればいいさ。結婚したからリオナが俺だけのものとは限らないだろ? 心が離れてしまえば所詮紙切れで繋がっているだけじゃないか」
「ありがとうございます。いつかお返事できるようになったら伝えます」
「それでいい。リオナ愛してるよ」
覆い被さるように包まれて抱きしめられると唇が重なった。
「リオナ、抱いてもいいか?」
「えっ……はい。でも少し待っててもらえますか?」
「待つ? 一体どこに行くんだ?」
「えっと、ひ、避妊薬を飲みたいです」
「避妊薬…。使ったことがあるのか? 誰とだ」
「違いますよ! レーナがレオナードさんと交際してると知ったらくれたんです。一度も使ったことなんてありませんよ」
「次は俺が用意する」
「たくさん入っているから当分要りませんよ。でもそのですね…」
「どうした? 遠慮なく言ってみろ」
「その…、私も避妊薬を飲みますがレオナードさんも協力して欲しいというか…」
「善処するが子供ができてもちゃんと育てるぞ。もちろん二人でな」
交際したときからこうなることは分かっていた。もし子供ができても働きながら育てればいい。幸い職場にも恵まれているしリイベル会長からはアイディア料的な報酬も貰える。ミシェルさんは貰っておけばいいのよと言ってくれるので貯金も平民にしてはかなりある。
人生に絶対はないし誓った愛も永遠とは限らない。だからレオナードさんが心変わりして離れていっても大丈夫。決して前世のようにはなりたくない…。
薬を飲み終わりレオナードさんのところへ戻った。
「リオナおいで」
レオナードさんの熱の帯びた言葉に胸が高鳴った。抱き抱えられてベッドに移動し灯りを消したらレオナードさんから貪るような口付けをされる。
それをきっかけにして火がついたようにお互い相手を求め合う。
今世では初めて、前世以来久しぶりに肌を重ねる行為は幸福感に包まれ二人の夜を過ごした。
「おはよう、リオナ」
「おはようございます?」
レオナードさんがベッドに腰を掛けて私の頭を撫でている。
「何で驚いているんだ?」
「その…、朝に目覚めたら一人ではなかったので」
「身体は大丈夫か? リオナは今日も仕事に行く日なのか?」
「体は節々が痛いですが大丈夫です。今日は仕事が休みなので心配しないでください。レオナードさんはお仕事ですか?」
「あぁ、すまないがこれから仕事に行く。ゆっくり寝てろと言いたいが戸締りをしてくれるか?」
「今、服を着ますね。レオナードさんはお仕事なのに私だけ休んで申し訳ないです」
「俺は鍛えているからこのくらい何でもない。それよりまた今晩来るからリオナはゆっくり休んでくれ。夕食を適当に買うから一緒に食べよう」
「あっ、はい。今晩…」
「何だ、嫌か?」
「いえ、嬉しいんですが…」
「大丈夫、今日は何もしないから安心しろ」
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