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第三章 裏切りと復讐の果て
聖剣にも認めてもらえたけど
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地下四階層は、墓地区画だった。火の玉の様な青白い光がそこかしこに飛んでいて薄明るく、一面墓だらけなのが見渡せる。
こんもりと土が盛られ、その上に石碑や石像がおかれているだけの墓だ。
魔物の気配も感じないが、なんとも不気味な場所だ。
「なんか、寒気がする。墓から、ゾンビが山の様に湧いてくるんじゃない」
ミラのいうとおりに、寒気がする。不気味な雰囲気から肌寒くかんじるだけなのか、それとも実際に気温が低いのかは分からないけど、鳥肌が立ち、震えがでる。
「まさか、墓の中に、聖剣がかくされているなんて、無いよな。墓荒らしなんてしたくないぞ」
「とりあえず、全体を見て回りましょう」
トラップを警戒して、慎重に奥に向かって歩いていったが、どこまでいっても、墓しかなかった。トラップも魔物の気配もなく、ここは安全地帯らしいが、本当に不気味な場所。
「あれ、聖剣じゃないか」
ケントが指さした先に、剣らしきものがあった。
急いで駆け寄ると、少し大きめの盛り土の上に、墓標代わりに、剣が刺してあった。
でも、どうみても聖剣ではない。冴えないどこにでもありそうな汚い剣で、錆びも浮いている。
皆、がっかりして肩をおとしたが、モローは呪われるのも恐れず、墓の上に踏み込んでいった。
「これが、聖剣だったりしてな」
モローは冗談半分に、剣を引き抜こうとした。
「どうなってるんだ、これ。抜けない」
腰を落として、両手で力いっぱい抜こうとも、びくともしなかった。
『聖剣は、勇者を選ぶと訊いたことがあります。聖剣が拒否している限り、抜けないということなのかもしれません』
ジョージも、ケントもコリンも、ミラまでバーサク化して挑戦したが、誰一人引き抜く事ができなかった。
どうみても、さえない安物の剣にしか見えないが、これが聖剣エクスカリバーなのかもしれない。
となれば、これは先代勇者の墓。その墓の上に乗るなんて、許される事じゃない。
皆が、メグも試してみろと言うけど、できずに躊躇していた時だった。
「先輩、あれ……」
ミカが指刺した先には、今まさに土から這い出てこようとする骸骨がいた。C級アンデッド魔物のスケルトンだ。墓から次々と這い上がってくる。
あっというまに、十体以上のスケルトンの群れができてしまった。
「ドリャ」
ミラの一撃で、数体がまとめて粉々になった。
スケルトンは、正直、雑魚の様な魔物だ。動きも大したことないし、攻撃も剣をもっていれば、剣で切りかかってくるが、今は素手なので、噛みつきや、殴打だけ。
だが、C級なのは、不死身で、なんどでも再生して、立ち上がってくるからだ。
メグがバラバラにした筈のスケルトンも、骨が再び組み上がって、元の姿に戻って、立ち上がってくる。
ナイトメア同様に、再生できる限界があるのか、何度も倒し続けていると、塵になって消えるが、なかなかに厄介な魔物だ。
一体でも手古摺らされるのに、それがいつの間にか百体。いや、どんどん這い出してきているので数百体。この墓地の数だとすると、数千体が襲ってくることになる。
骨折してる重傷者も含め、全員で応戦をはじめたが、万全な状態で戦えているのは、ケント、ミラ、モロー、ロンの僅か四人だけ。
邪眼の目の戦士四人と、メグ、リットは骨折しているので、痛いのを我慢しながら、顔をしかめて、戦っている状態だ。リリーやミカは、近接されて逃げ回っていて、戦闘どころではないし、ミミは、魔法と充電切れの鞭で応戦するが、鞭の威力では破壊することもできない。
倒しても倒しても、蘇るし、墓から次々と這い出てきて、その数は増える一方。
「これは、だめだ。全滅しかねない。メグ、引こう」
モローが弱腰になって、そんなことを言ってきたが、目の前に聖剣があるのに諦められる訳がない。
『聖剣を引き抜いて、逃走すればいいではありませんか』
私が本当の勇者なら、抜けるのかもしれない。先代勇者の墓を荒らすことになるけど、やむをえないし、先代勇者もそれを望んでいるのかもしれない。
メグは、剣が刺さっている位置に行き、その剣に手を掛けた。
その瞬間、その剣が、ライトニングの様な眩しい光を放ちだし、スケルトンがつぎつぎと塵になって消えて行った。
そして、光が消えると、錆びまで浮かんでいた筈の剣が、銀色に輝く新品のような剣に変わっていて、柄の部分まで、金細工を施した如何にも銘剣の柄と思える様相に変化していた。
「おおっ、間違いないこれが聖剣エクスカリバーだ。メグ、抜いてみろ」
ケントに言われて、引き抜いてみたら、片手で簡単に抜くことができた。
そして、その剣を天高く掲げてみたら、またまぶしく光り始めた。
先ほどの光が届かず、塵にならずに生き残っていた残りのスケルトンも、今度の光で、完全に消え失せた。
同時に、無数の記憶がフラッシュバックするように、押し寄せてくる。
幼少の私の頭を撫でながら、嬉しそうにする父の顔。ケンタウロスの大賢者セージ。私を可愛がってくれていた乳母で侍女のミリアム。魔法に生き甲斐を見出し、研究に没頭していた軟禁生活。遊び友達になってくれていたベルゼブブこと魔人メフィ。
忘れていた記憶が、全て完全に蘇った。
私は、前世の記憶をもったまま、この世界に生まれた。母は、私と引き換えにその命をなくしてしまい、父は酷く悲しんだが、母の形見だと私を溺愛してくれた。
その父は、確かに王で人間だったが、魔界を統べる王、大魔王ヴァンサンだった。私はなんと魔王の娘だったのだ。
父は魔人ではなく、人間だったことが疑問だったが、その魔王城で、すくすくと育っていった。
鬼人の乳母ミリアムは、直ぐに普通の赤ん坊ではないと気づいたみたいだけど、周りの皆には内緒にしてくれ、私も赤ん坊らしく振舞った。
言葉を話す様になっても、幼児言葉を使い、異世界転生者だと気づかれないように、子供らしい演技を続けた。
だから、周りの人は、頭の良い子供だ程度にしか、私を見ていなかった。
そして、三歳になった時、魔法の先生として、セージがやってきた。
最初は、セージにも子供の振りをしていたが、初めて使う魔法が面白くて、次々と質問しているうちに、普通の子供ではなく、別の世界の記憶持つ異世界転生者だと気づかれてしまった。
セージはそのことを父に話さず、秘密にしてくれていたが、七歳の時、セージに前世の話をしている所を誰かに見られたらしく、密告されてしまった。
そして、父は、私を誰もいない地にて、軟禁する決断をした。
魔王は、異世界転生者の勇者に殺される運命にあり、父は私がその勇者になるに違いないと、恐れたのだ。
私は、侍女ミリアムとセージの二人と共に、以前の魔王が君臨していた魔界、今の地下迷宮三階層に、軟禁されることになった。
そこは、私の遊び場になった。魔物や魔人とも友達になって、いろいろと実験なんかもして楽しく過ごした。魔物にトラップを教えたのも私。
でも、自分と同じ人間の友達が欲しい。
私は、人間界の言葉を必死に勉強して、いつか人間の友達をつくると決めていた。
侍女のミリアムが病気でなくなったのを機に、私はセージにお願いして、人間界に転送してもらいたいとお願いした。
魔王の娘であることも、前世の記憶も全て封印し、何も知らない純粋な一人の人間として、人間界で人生をやり直したいと願ったのだ。
ああ、全て思い出した。
なのに、私は聖剣に選ばれ、勇者になってしまった。つまり父を打ち滅ぼす宿命を背負ってしまったことになる。
父は、私がいつか勇者になって自分を討つ存在になると、軟禁したけど、それでも殺す事はしなかった。幼少期には、溺愛してくれて、いつもそばに居て、可愛がってくれた。
そんな父を討つなんてできない。
それに、魔王の娘だと、知れば、流石に皆も私から離れて行く。どうしよう。
記憶を取り戻し、大魔王の娘だと知ったメグは、これからどうするのか。
本章は、これで最後で、次章でこの物語も完結になります。
こんもりと土が盛られ、その上に石碑や石像がおかれているだけの墓だ。
魔物の気配も感じないが、なんとも不気味な場所だ。
「なんか、寒気がする。墓から、ゾンビが山の様に湧いてくるんじゃない」
ミラのいうとおりに、寒気がする。不気味な雰囲気から肌寒くかんじるだけなのか、それとも実際に気温が低いのかは分からないけど、鳥肌が立ち、震えがでる。
「まさか、墓の中に、聖剣がかくされているなんて、無いよな。墓荒らしなんてしたくないぞ」
「とりあえず、全体を見て回りましょう」
トラップを警戒して、慎重に奥に向かって歩いていったが、どこまでいっても、墓しかなかった。トラップも魔物の気配もなく、ここは安全地帯らしいが、本当に不気味な場所。
「あれ、聖剣じゃないか」
ケントが指さした先に、剣らしきものがあった。
急いで駆け寄ると、少し大きめの盛り土の上に、墓標代わりに、剣が刺してあった。
でも、どうみても聖剣ではない。冴えないどこにでもありそうな汚い剣で、錆びも浮いている。
皆、がっかりして肩をおとしたが、モローは呪われるのも恐れず、墓の上に踏み込んでいった。
「これが、聖剣だったりしてな」
モローは冗談半分に、剣を引き抜こうとした。
「どうなってるんだ、これ。抜けない」
腰を落として、両手で力いっぱい抜こうとも、びくともしなかった。
『聖剣は、勇者を選ぶと訊いたことがあります。聖剣が拒否している限り、抜けないということなのかもしれません』
ジョージも、ケントもコリンも、ミラまでバーサク化して挑戦したが、誰一人引き抜く事ができなかった。
どうみても、さえない安物の剣にしか見えないが、これが聖剣エクスカリバーなのかもしれない。
となれば、これは先代勇者の墓。その墓の上に乗るなんて、許される事じゃない。
皆が、メグも試してみろと言うけど、できずに躊躇していた時だった。
「先輩、あれ……」
ミカが指刺した先には、今まさに土から這い出てこようとする骸骨がいた。C級アンデッド魔物のスケルトンだ。墓から次々と這い上がってくる。
あっというまに、十体以上のスケルトンの群れができてしまった。
「ドリャ」
ミラの一撃で、数体がまとめて粉々になった。
スケルトンは、正直、雑魚の様な魔物だ。動きも大したことないし、攻撃も剣をもっていれば、剣で切りかかってくるが、今は素手なので、噛みつきや、殴打だけ。
だが、C級なのは、不死身で、なんどでも再生して、立ち上がってくるからだ。
メグがバラバラにした筈のスケルトンも、骨が再び組み上がって、元の姿に戻って、立ち上がってくる。
ナイトメア同様に、再生できる限界があるのか、何度も倒し続けていると、塵になって消えるが、なかなかに厄介な魔物だ。
一体でも手古摺らされるのに、それがいつの間にか百体。いや、どんどん這い出してきているので数百体。この墓地の数だとすると、数千体が襲ってくることになる。
骨折してる重傷者も含め、全員で応戦をはじめたが、万全な状態で戦えているのは、ケント、ミラ、モロー、ロンの僅か四人だけ。
邪眼の目の戦士四人と、メグ、リットは骨折しているので、痛いのを我慢しながら、顔をしかめて、戦っている状態だ。リリーやミカは、近接されて逃げ回っていて、戦闘どころではないし、ミミは、魔法と充電切れの鞭で応戦するが、鞭の威力では破壊することもできない。
倒しても倒しても、蘇るし、墓から次々と這い出てきて、その数は増える一方。
「これは、だめだ。全滅しかねない。メグ、引こう」
モローが弱腰になって、そんなことを言ってきたが、目の前に聖剣があるのに諦められる訳がない。
『聖剣を引き抜いて、逃走すればいいではありませんか』
私が本当の勇者なら、抜けるのかもしれない。先代勇者の墓を荒らすことになるけど、やむをえないし、先代勇者もそれを望んでいるのかもしれない。
メグは、剣が刺さっている位置に行き、その剣に手を掛けた。
その瞬間、その剣が、ライトニングの様な眩しい光を放ちだし、スケルトンがつぎつぎと塵になって消えて行った。
そして、光が消えると、錆びまで浮かんでいた筈の剣が、銀色に輝く新品のような剣に変わっていて、柄の部分まで、金細工を施した如何にも銘剣の柄と思える様相に変化していた。
「おおっ、間違いないこれが聖剣エクスカリバーだ。メグ、抜いてみろ」
ケントに言われて、引き抜いてみたら、片手で簡単に抜くことができた。
そして、その剣を天高く掲げてみたら、またまぶしく光り始めた。
先ほどの光が届かず、塵にならずに生き残っていた残りのスケルトンも、今度の光で、完全に消え失せた。
同時に、無数の記憶がフラッシュバックするように、押し寄せてくる。
幼少の私の頭を撫でながら、嬉しそうにする父の顔。ケンタウロスの大賢者セージ。私を可愛がってくれていた乳母で侍女のミリアム。魔法に生き甲斐を見出し、研究に没頭していた軟禁生活。遊び友達になってくれていたベルゼブブこと魔人メフィ。
忘れていた記憶が、全て完全に蘇った。
私は、前世の記憶をもったまま、この世界に生まれた。母は、私と引き換えにその命をなくしてしまい、父は酷く悲しんだが、母の形見だと私を溺愛してくれた。
その父は、確かに王で人間だったが、魔界を統べる王、大魔王ヴァンサンだった。私はなんと魔王の娘だったのだ。
父は魔人ではなく、人間だったことが疑問だったが、その魔王城で、すくすくと育っていった。
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だから、周りの人は、頭の良い子供だ程度にしか、私を見ていなかった。
そして、三歳になった時、魔法の先生として、セージがやってきた。
最初は、セージにも子供の振りをしていたが、初めて使う魔法が面白くて、次々と質問しているうちに、普通の子供ではなく、別の世界の記憶持つ異世界転生者だと気づかれてしまった。
セージはそのことを父に話さず、秘密にしてくれていたが、七歳の時、セージに前世の話をしている所を誰かに見られたらしく、密告されてしまった。
そして、父は、私を誰もいない地にて、軟禁する決断をした。
魔王は、異世界転生者の勇者に殺される運命にあり、父は私がその勇者になるに違いないと、恐れたのだ。
私は、侍女ミリアムとセージの二人と共に、以前の魔王が君臨していた魔界、今の地下迷宮三階層に、軟禁されることになった。
そこは、私の遊び場になった。魔物や魔人とも友達になって、いろいろと実験なんかもして楽しく過ごした。魔物にトラップを教えたのも私。
でも、自分と同じ人間の友達が欲しい。
私は、人間界の言葉を必死に勉強して、いつか人間の友達をつくると決めていた。
侍女のミリアムが病気でなくなったのを機に、私はセージにお願いして、人間界に転送してもらいたいとお願いした。
魔王の娘であることも、前世の記憶も全て封印し、何も知らない純粋な一人の人間として、人間界で人生をやり直したいと願ったのだ。
ああ、全て思い出した。
なのに、私は聖剣に選ばれ、勇者になってしまった。つまり父を打ち滅ぼす宿命を背負ってしまったことになる。
父は、私がいつか勇者になって自分を討つ存在になると、軟禁したけど、それでも殺す事はしなかった。幼少期には、溺愛してくれて、いつもそばに居て、可愛がってくれた。
そんな父を討つなんてできない。
それに、魔王の娘だと、知れば、流石に皆も私から離れて行く。どうしよう。
記憶を取り戻し、大魔王の娘だと知ったメグは、これからどうするのか。
本章は、これで最後で、次章でこの物語も完結になります。
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