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trick or treat
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私は十月三十一日が大嫌いだ。
みんなはハロウィンだとか言いながら仮装をし楽しんでいるが、私はそんな十月三十一日が大嫌いだ。
「雫たん、おはよー今日もいい天気だね、雫たんも今日のパーティー行くでしょ?」
今日は私の親友の優希の招待で友達とクラスメイトとハロウィンパーティーをするらしい……が、
私はどうしてもそのパーティーには行きたくなかった。
「ごめん、優希……私今日はパスしようかな……」
少し優希の顔色を伺いつつそう告げた。
「え?ダメだよ、雫たんは強制参加だよ。」
私はどうしても行きたくなくて嘘をつく事にした
「私仮装の衣装も用意してないし、やっぱり今日はパスしとくよ。」
親友には悪いと思ったが、どうしても行きたくなかったのだ。
「そう言うと思って、雫たんの服も用意しといたよ。」
私の親友は私の考えている事が分かるのか、いつも私の考えの上を行く。
本当に行きたくないという表情を浮かべながら親友を見る。
そこには楽しそうにニコニコした親友の笑顔があった。
「でね、その服、私とお揃いで……双子コーデってやつ?一緒に着るの楽しみなんだよね。」
その笑顔を見ると断れない自分がそこにはいた……
「分かった……行くよ。」
「わーい、本当に今日楽しみだなー。」
その日の夕方、覚悟を決めて親友の家に行った。
辺りはもう薄暗くなっていた。
親友の家に着くとすぐにチャイムを鳴らし中に入った。
親友が選んだ双子コーデは魔女の衣装だった。
私と親友はその服を着てパーティー会場へ向かった。
会場へ入ると、少し冷たい空気が漂っていた。
「ねぇ、ちょっと寒くない?」
「ハロウィンパーティーだから雰囲気を作ってるんだよ。」
そう親友は言ったが私は薄々何かに気付いてはいた。
会場内を見渡すと、黒猫やミイラ、ゾンビなどのコスプレをした人達が多かった。
会場内に集まった人はみんな同じクラスの面々だった。
中には顔が分からないようなメイクなどをしている人がいて、正直半分誰なのか分からなかった。
そんな中、親友はほかの人と話しているのが見えた。
少しすると親友は私の所に小走りで駆け寄ってきた。
その後ろからクラスメイトも歩いてきた。
私は親友も含めたクラスメイト五人と話をしている時だった。
「ねぇ雫さん、さっきから何か気になることでもあるの?」
クラスメイトの一人がそう私に問いかけた。
「何も無いよ、大丈夫。」
そう私が答えると、その中の一人が、
「私みんなにお菓子用意して来たの、一つづつどうぞ。」
そう言い紙袋の中の袋を一人ずつ取るように促した。
最後に私が取ろうとすると、そこにはもう何も入っていなかった。
「あれ?私人数分ちゃんと入れたはずだよ、一、二、三……」
クラスメイトが人数を数え始める。
「四、五、六、七……えっ?七人?あれ、私誰か二回数えたのかな?」
私はクラスメイトは数え間違えていない、ただここに、年に一回十月三十一日にだけ帰ってくる本来なら居ない人が一人居るだけなのだと心の中で思った。
みんなはハロウィンだとか言いながら仮装をし楽しんでいるが、私はそんな十月三十一日が大嫌いだ。
「雫たん、おはよー今日もいい天気だね、雫たんも今日のパーティー行くでしょ?」
今日は私の親友の優希の招待で友達とクラスメイトとハロウィンパーティーをするらしい……が、
私はどうしてもそのパーティーには行きたくなかった。
「ごめん、優希……私今日はパスしようかな……」
少し優希の顔色を伺いつつそう告げた。
「え?ダメだよ、雫たんは強制参加だよ。」
私はどうしても行きたくなくて嘘をつく事にした
「私仮装の衣装も用意してないし、やっぱり今日はパスしとくよ。」
親友には悪いと思ったが、どうしても行きたくなかったのだ。
「そう言うと思って、雫たんの服も用意しといたよ。」
私の親友は私の考えている事が分かるのか、いつも私の考えの上を行く。
本当に行きたくないという表情を浮かべながら親友を見る。
そこには楽しそうにニコニコした親友の笑顔があった。
「でね、その服、私とお揃いで……双子コーデってやつ?一緒に着るの楽しみなんだよね。」
その笑顔を見ると断れない自分がそこにはいた……
「分かった……行くよ。」
「わーい、本当に今日楽しみだなー。」
その日の夕方、覚悟を決めて親友の家に行った。
辺りはもう薄暗くなっていた。
親友の家に着くとすぐにチャイムを鳴らし中に入った。
親友が選んだ双子コーデは魔女の衣装だった。
私と親友はその服を着てパーティー会場へ向かった。
会場へ入ると、少し冷たい空気が漂っていた。
「ねぇ、ちょっと寒くない?」
「ハロウィンパーティーだから雰囲気を作ってるんだよ。」
そう親友は言ったが私は薄々何かに気付いてはいた。
会場内を見渡すと、黒猫やミイラ、ゾンビなどのコスプレをした人達が多かった。
会場内に集まった人はみんな同じクラスの面々だった。
中には顔が分からないようなメイクなどをしている人がいて、正直半分誰なのか分からなかった。
そんな中、親友はほかの人と話しているのが見えた。
少しすると親友は私の所に小走りで駆け寄ってきた。
その後ろからクラスメイトも歩いてきた。
私は親友も含めたクラスメイト五人と話をしている時だった。
「ねぇ雫さん、さっきから何か気になることでもあるの?」
クラスメイトの一人がそう私に問いかけた。
「何も無いよ、大丈夫。」
そう私が答えると、その中の一人が、
「私みんなにお菓子用意して来たの、一つづつどうぞ。」
そう言い紙袋の中の袋を一人ずつ取るように促した。
最後に私が取ろうとすると、そこにはもう何も入っていなかった。
「あれ?私人数分ちゃんと入れたはずだよ、一、二、三……」
クラスメイトが人数を数え始める。
「四、五、六、七……えっ?七人?あれ、私誰か二回数えたのかな?」
私はクラスメイトは数え間違えていない、ただここに、年に一回十月三十一日にだけ帰ってくる本来なら居ない人が一人居るだけなのだと心の中で思った。
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