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次に紬の意識が戻ると、目の前に一人の知らない女性が椅子に座っていた。
「ようやく気が付いたようじゃな、私は時空を操る女神だ、そなたは不幸な死に方をしたようじゃな、私はそなたの事が不幸だと思いこの度そなたの次生まれる時の要望があれば一つ叶えてやろうと思いここで待っていたのじゃ。」
そう言うとその女性は座ったまま紬を見下す。
「私……やっぱり殺されたんですか?あの人に……」
下を向きながらボソッと呟く。
「そうじゃ、あの者にそなたは殺されたのじゃ、その後あの者も自分を刺して死んでしまったがな。」
その言葉を聞き紬は辺りを見回す。
誰も居ないことを確認すると、その女性の方を見た。
「あー……大丈夫じゃ、あの者はここにはおらんゆえ安心せい。」
その言葉を聞くと紬は安心する。
「で、そなたは次に生まれる時何を望む?地位か?お金か?それとも美しい容姿か?」
紬は少し考えると、一言「安全に暮らすこと。」と言った。
「よかろう、そなたの望みしかと聞いたぞ。」
女性がそう言うといきなり紬の下の床に穴が空き、紬は穴の中へと落ちて行った。
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