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女神について

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ルーペルトの答えは意外にもNOだった。
「私は個人的には進行はしていないが、王家は信仰している。」
そう言い終わるとルーペルトは、私に近寄ってきて、そして小さな声で呟いた。
「この女神は多分表はいい顔をしているが、どうも裏があるような気がしてならないんだよな……」
私はそれを聞いて自分自身に起きた事を思い出す。
(そういえばあの時女神は私に良いような条件を出しながら、結局何も安全な生活でも無かったし……)
「お兄様、少し聞きたいのですが、この女神は何を祀った女神なのですか?」
私がそう聞くと、少し間が空き話始める。
「それがどうやら空間を操る女神らしい、それ以外の事はさっき話した土地を蘇らしたり、人を何処からか連れてきた事くらいしか伝えられてないんだ。」
私の中で引っかかったのが、どこから人を連れて来たという所だった。
私も違う世界から転生して来たという事もありあの女神だと確信がもてた。
「お兄様はその女神について他には何もご存知無いのですか?」
私はつい興奮してルーペルトに詰め寄ってしまった。
「何かいつものライムートらしくないなぁ?どした……いつもの冷静さが欠けてるぞ。」
ルーペルトのその言葉に我に帰る。
「取り乱してすみませんでした……その……お兄様がビックリするかもしれないのですが、私はその女神に一度だけ昔あったことがあるんです、その時に色々ありまして……もう一度あって言いたい事があるんですよ。」
私がそう言うと、ルーペルトの表情が見る見るうちに変わっていった。
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