大晦日の思い

ha-tsu

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大晦日の思い

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私は小さい頃から一人の男性に片思いしていた。
いつも私の隣にはその人がいて、いつも私の事を気にかけてくれて、時には頭を撫でたりもしてくれた。
私が十六歳になった、そんな冬の出来事だった。
「えっ?まさ兄県外の大学に行くの?」
私の脳みそに衝撃が走った。
「将来の事とか考えたらどうしてもそこの大学に行きたくて……ごめんな、奈琉なるが成人するまでは一緒にいようと思ってたんだけど……」
真咲まさきは言い終わると下を向いてしまった。
私は幼い頃に両親が事故で他界し、その頃から幼馴染であるまさ兄の家に居候している。
そのせいか、いつも私の隣にはまさ兄がいて、そんな毎日が当たり前だと思っていた。
「ねぇまさ兄いつ引っ越すの?」
「来年早々には行こうと思ってる。」
私はいつの間にか変わっていったまさ兄への思いを言わず、今の関係で毎日過ぎて行くのだと思っていて、思わず焦ってしまった。
「まさ兄、今年の大晦日は二人で過ごさない?県外に行く前にまさ兄と思い出作りたい……」
奈琉の申し出に少しビックリした表情をするも、すぐに真咲は首を縦に振った。

大晦日当日の夕方。
「じゃあ行ってくる。」
「おばさん、いってきまーす。」
奈琉と真咲は二人で年越しをするため家の近くの神社へ向かう事にした。
「ちょっと出るの早かったなぁ……結構寒いけど大丈夫?」
真咲はそう言うと奈琉を見る。
「うん、大丈夫だよ。」
奈琉がそう言うと、フッと真咲は笑いながら奈琉の鼻を触る。
「赤くなってる……ちょっとまってて。」
そう言い真咲はどこかへ走って行った。
少しすると両手に何かを持って帰って来た。
「これ、奈琉好きだろ?さっき見かけて。」
真咲の手にはコンポタの缶ジュースがあった。
「あ……ありがとう。」
二人は飲みながら他愛のない会話をしていた。
気が付くとそこで何時間も話し込んでしまっていた。
「おっ?そろそろ日付変わるなぁ。」
真咲が時計を見ながらそう言った。
「ねぇまさ兄、カウントダウンしよ。」
奈琉がそう言うと、二人でカウントダウンを始める。
「五、四、三、二、一、ハッピーニューイヤー。」
二人は少し大きな声になりながらも、顔を見合わせていた。
「お参りしに行こうか。」
「そうだな……」
少し照れながら二人は神社へ向かい、賽銭を投げお参りをした。
(どうか私の気持ちが伝わって両思いでありますように。)
そう奈琉は心の中で何度もお願いした。
奈琉は帰り道に自分の気持ちを伝えようと思い、少し遠い道から帰ろうと提案した。
「ねぇまさ兄、私ね今までたくさんまさ兄に助けて貰ったし、いっぱいお礼も言いたいし、もっともっと言いたい事あるんだけど……えっとね……」
奈琉はそこまで言うと、言葉につまりなかなか声を発する事が出来ずにいた。
「どうした?何か言いにくい事でもあんのか?」
真咲はそう言いながら奈琉の頭を撫でながら続けて言った。
「何か言いたい事があるのは気付いてたけど、言わないと俺も分からへんからな、ゆっくりでいいから言ってな。」
その真咲の優しさに後押しされ、奈琉はついに一言発する。
「まさ兄、ずっと好きやったんよ……今も好きで……」
奈琉が言い終わる前に真咲の体は奈琉を包んでいた。

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