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5.彼からの手紙
父から指示された辺境伯令嬢の役割など、逃げて放棄したかったのだが、父はもう招待状を送ったと言い、逃げる事は許さなかった。
パーティーまでの間にも、彼から手紙が届く。手紙など書きなれていないような文面だった。
失礼かもしれないが、読むだけ読んで返事はしなかった。
普通に考えて、いきなりあんな事をした人に返事をする義理はない・・・。
返事を書いていないのにもかかわらず、ほぼ毎日手紙は届いた。
どうせまたすぐに会うのだから、何度も手紙を送ってこなくてもいいのにと思う。
手紙の内容は、恥ずかしすぎて、誰にもみられたくない内容だ。あの時の私が忘れられないとか、あの時の私がどう可愛かっただとか会いたくて堪らないなどと、恥かしい事を書いて送ってきた。
誰に見られるかわからない手紙に、こんな内容を書いてくる神経が本当に信じられないと思う・・・。
返事を送らないでいると、返事がないのが不満なのか、手紙の返事がほしいと催促がくる。手紙は強引な感じではないのだが、とにかく内容が、恥ずかしすぎて見るのも嫌になった。
それに、こんな手紙にどう返事をしたらいいか、正直わからない。私も早く会いたい、とでも返事が帰ってくるのを、期待でもしているのだろうか・・・。
やらかした事を考えれば普通ならわかるだろうに・・・本当にどう返事をしたらいいのか悩ましかった。・・・こんな手紙への返事の書き方を教えて欲しいくらいだ。教えてもらったからといって書きはしないが・・・。
さすがに、このような内容には、返事は書けないというのが本音だった。
父が、彼宛の招待状に、私をパートナーにと記したので、ドレスの準備をしなければいけなくなった。戦勝パーティーの主役でもある彼のパートナーだから、相手よりも、自分が恥ずかしくないようにとドレスを選ぶ。
ドレスの準備をするのは自分のためで、決して彼のためではないのだ。
ララにも見立ててもらい、黒に近い紺色のホルターネックのマーメイドドレスに決まった。
スレンダーなので身体のラインが、とても綺麗ですよと言われ身体を鍛えてもいるのだから、引き締まっていて当然だと思った。
ディミドラは、ウエストやヒップラインは自信があった。
だが、自分の胸はないわけではないが、豊満ではないので、胸元がシースルで覆われていて、透け感があるが見えにくいのをセレクトした。
なるべく彼に肌を晒したくなかったのだが、ホルターネックはどうしても、背中が出ているタイプしかなかったので、そこは髪で隠れるようにするというので妥協した。
今度ドレスをオーダーメイドする時には、ほぼ素肌を隠したドレスを注文しておこうと思うのだった。
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