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68.彼の仕事ぶり
ディミドラは、レナードが団長の仕事が終わるまで、彼の仕事ぶりを見ながら待った。思ったより時間はかからず、彼はディミドラの所に戻ってくる。
「待たせたな。誰にも話しかけられなかったか?」
彼は、ディミドラを心配して早く戻ってきたようだ。
「私に話しかけてくる人なんていませんよ。私は今日、あなたの婚約者としての立場なのですから・・・」
さすがにこの状況でもあり、ディミドラに話しかけてくる者はいなかった。
「だが、先程は殿下に話かけられただろう・・・」
まだ彼は気にしていたようだ。だからだろうか、こんなに早くディミドラのもとに戻ってきたのか・・・。
「気にしてたんですね。でも、本当に誰にも話しかけられてないので大丈夫ですよ。それに、私はずっと貴方が団長として指示を出すのをみてましたから、他は見えていません・・・。仕事をする男性は、かっこよくみえますからね」
「それは、俺だから格好よく見えたんじゃないのか?」
彼はディミドラの返事に機嫌を良くして調子にのり、ディミドラの腰を引き寄せてきた。
「そうかもしれませんね?」
ディミドラは意味ありげにレナードに笑みを向けておいた。ちゃんと腰に回された手を解くのは忘れない。
「それより、結局何が起こったんですか?」
ディミドラは、レナードへ騒動の何が原因だったのか確認する。
「男爵夫人が、獣人を惑わせる香をゾディアスに使ったようだ・・・。最近夫人が、自分はゾディアスの番だと言ってきていて、いろいろ対応はしていたんだが・・・今日は、ゾディアスを惑わせて自分のものにしようとしたらしい。リンジェーラ嬢が、それを阻止するために自分の血の匂いで、ゾディアスを正気に戻そうとして、この騒ぎになったようだ」
彼は小声でディミドラに詳細を教えてくれた。
「リンジーの怪我は大丈夫なようでした?」
ディミドラから見ても外傷はないようにみえたが、一応確認しておきたかった。
「ガラスで傷つけたみたいだが、回復魔法を施していたから大丈夫みたいだったぞ。血はゾディアスが舐めとって匂いもしなかったからな、問題はない」
それはリンジェーラが、大丈夫ではないなと思ってしまった。だから、リンジェーラの耳が赤かったのかとディミドラは察する。
「リンジェーラ嬢に触れようとした者達は、ゾディアスに威圧されて倒れていたからな、彼女は触れられてもいないはずだ」
それならばよかったと思った。リンジェーラの行動は下手をしたら自分に危害が及んだ行動だったから・・・。
彼女が傷つかなかったことにディミドラは安心したのだった。
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