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34. 安堵するのは R18
しおりを挟むルシウスはレミリアを抱きかかえ、レミリアに聞かせるようにリップ音をたててさらに口付けた。
「ルシウスっ、待って」
「何がだ」
だがルシウスは素知らぬそぶりで、何がと言いかえしてくる。拒絶するために言い返そうにも、何がと言われ、レミリアはその先の言葉を口にするのが恥ずかしくなり、口籠りながらもルシウスを睨むように見上げた。
しかし、そんな睨みは大した威力もないようで、レミリアの反応を楽しんでいるかのように、ルシウスの口角がわずかにあがる。そして、ゆっくりと顔が近づき、瞳を伏せて浅い口付けが再開されれば次第に深くなっていった。
「んッ・・・は、ぁ・・・ルぅ・・・」
レミリアはルシウスの名前を呼んで行動を止めようとするが、口付けは息つく暇なく続けられる。それどころか、ルシウスはレミリアを宥めるように頬を優しくするりと撫でた。
そして撫でていた手が徐々に下がり出し、以前同様に制服の上から弄られる。大きくてがっちりとした彼の手に、触れているのはルシウスなのだと感じさせた。そしてその事実に、レミリアの目からは無意識に涙が溢れる。
しかし、そんな無意識の涙に気づき、ルシウスは手を止め、泣かないでくれと頬を伝った涙を拭うのだ。
そして、優しく頭をなで離れていってしまう手を見つめ、ルシウスの手は怖くないのにと、今頃になり先ほどの事を思いだしてしまうのだ。
「すまない・・・」
「ごめん、なさいッ」
「いや・・・レミリアの事を考えずに。怖かったか・・・?」
ルシウスはレミリアを抱き起こし、また離れてしまう。
だが、レミリアは、その気遣いを寂しく感じ、自分から初めてルシウスにぎゅっと抱きついた。
「ルシウスが怖かったわけじゃないの・・・ただ、あの人の言っていたようにならなくてよかったって、側にいるのがルシウスな事に、今になって安心しただけなの」
決して自分はルシウスが嫌なわけではないと伝えたくて、レミリアは余計な事まで口走る。
「・・・あいつらは何を言ったんだ」
抱きついていたため、ルシウスの表情はわからなかったが、静かな怒りをレミリアは感じた。しかしルシウスは、優しく抱きしめ返しながら、頭を撫でてくれていたため、レミリアは彼らの言動をそのまま口にしていた。
「手中に納めれば三男でも、婿になって侯爵を継げると・・・・・・純潔を、もらい・・・僕は君の夫、未来の侯爵になるんだって・・・。あんな事を考える人がいるなんて思わなくて・・・もうあの人達の顔も見たくないわ」
レミリアは、ルシウスの温もりに包まれて、本音を漏らし、体を預けた。そして、レミリアはルシウスの鼓動を聞きながら、緊張がとけ、だんだんと眠気に襲われるのだ。
「・・・・・・君が望むなら、そうしよう」
だからルシウスのこの言葉に、含まれているものがあるとはレミリアは気がつく事はないのだった。
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