婚約者には好きな人〜ネガティブ思考令嬢は婚約破棄を告げスルーされる〜

ドール

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36.レミリアの思い

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 父が帰ってきて、明日からは学園に行ってもよいと許可がでた。しかし学園であろうとも、今後は1人で行動する事がないようにと厳しめに注意される。


「今回は、何事もなかったようだが、低俗な考えをもつものは多数いる。醜聞がたてば、ルシウスを婿に迎えるという彼女の願いも叶わなくなる。十分に注意するように」


 やはりというか、父が心配していたのはルシウスを婿に迎えられなくなるという事だけだった。決してレミリアの心配をしたわけではないとわざわざ言って理解させるように、父は要件だけいうとさっさと部屋をでて行った。


 父の言葉で、今更レミリアは傷ついたりはしない。ただ・・・そういう事かと客観的に、父の行動に納得するのだ。


 もう親からの愛情を望む幼子ではない。もとより、愛情なんて知らずに育った・・・。だから幼い頃とて望んだりはしなかった。

 無いものを望む事があっても、知らない物を望もうなんて思うわけはないのだから・・・・・・。


 けれど、レミリアにとってルシウスだけは違った。親の愛情よりもレミリアにはルシウスの存在が大切だった。彼がいたから、レミリアは温かさを、人としての心を、人を思う気持ちを知ったのだから。


 彼だけはレミリアに寄り添ってくれた。離れていかなかった。それだけで自分は、認知され、存在しているのだと、許されているのだと、思えたのだ。今の自分があるのもルシウスがいたから・・・。


 だからルシウスが幸せになるにはどうしたらいいのか、レミリアははっきりさせないといけないと思うようになっていた。


 ルシウスがどうしたいのか、レミリアはどうしたらいいのか・・・ルシウスがレミリアと結婚するのは、彼女を側におくため、迎えるためだというのなら、レミリアは受け入れようと思うようになっていた。

 ただ、レミリアとて、ルシウスを愛しているから、配慮して欲しい部分もある事をはっきりと伝えたいと思った。


 今までのレミリアなら何も伝えられず、流されるままだっただろう。だが、ルシウスがレミリアの側からいなくなる事は、彼の温もりを感じてしまっては、やはり耐えられそうになかった。婚約破棄を告げたのはルシウスを思ってだが、本当は身が裂かれそうな思いだった。


 ルシウスと離れるより、どんな形であろうとも、彼の側にいたいと思う自分は滑稽かもしれない。他に思い合う人がいても、離れる事の方が、レミリアは耐えられなそうにないと思うようになっていたのだ。


 でも、やはり彼女との接触は、ルシウスが望んだとしても拒みたい。レミリアの唯一譲れない事だった。


 しかし、そんなレミリアの手元には、ルシウスの意中の人からの手紙が届いていた。

 『明日の放課後、お話があります。科学室横の空き教室に来て下さい。こられるまで待ち続けます』

 と・・・・・・。
 


 


 
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