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22.友の作戦
しおりを挟む「何よ、アレ」
ルシウス達が去り、アビゲイルが不機嫌さを隠す事なく口を開いた。
「あんな子を紹介してくるなんて・・・名前だって、さっきのわざと言ったんじゃないの?良識ある貴族令嬢なら、あんな事間違えるわけないのに・・・。それに、指摘した時に今気づきましたって仕草とかわざとらしいわ」
ルシウスと彼女の関係をしらないアビゲイルでも、あの2人の間には何かあると勘ぐりだした。
「そうか?不自然ではなかったとは思うけど」
アイザックは、アビゲイルの考えとは違うようで、口をはさんでくる。
「見る目がおかしいんじゃない?レミリアが嫌な思いをしたっていうのに・・・。あんたはどっちの味方なのよ」
アビゲイルはアイザックを睨んだ。
「ただ、感じただけを言っただけだろ。お前こそ、悪意がある目でみるからそうみえたんじゃないか?」
「ふーん。あの子の肩を持つ気なのね。可愛い子だからって、みたまんまじゃないのが理解できないだなんて、所詮あんたも、ただの男だったわけだ。何?あの子が気に入ったとでもいうわけ?まったく、見てくれに騙されるなんて見る目がないんだから」
「・・・・・・はぁ、もういい」
今のアビゲイルには何を言っても無駄だろうと、アビゲイルのつっかかる態度にアイザックは呆れたようにため息をついた。
「レミリア、あの子と仲良くしなくてもいいからね。レミリアが仲良くするのは私とロゼで充分よ。レミリアを大切に出来ない人が婚約者だなんて許せないのに、さらに傷つけるような人を寄越すなんて・・・絶対に守るからね!」
アビゲイルが意気込む姿を見ながら、アビゲイルの発言で、なぜルシウスへ敵意ある態度をとっていたのか、理解した。そして、まわりからみてレミリアは、ルシウスに大切にされていないと思われていたということに悲しくなった。
そんなレミリアの様子には気づかず、レミリアが何やら名案を思いついたとアイザックの方を見て笑みを深め、あの子に近づきなさいと言っていた。
「レミリアの側には私達がいるから、あの子の監視はアックがしなさい。なんなら、親切にでもして、あんたに惚れさせちゃいなさい。
顔はいいんだから、優しくすればレミリアから興味をそらせるはずだわ」
アビゲイルはアイザックに、さらりとありえない事を言うのだ。
「はぁ・・・」
アビゲイルの案にアイザックは呆れて、またため息をつき、難しい顔をする。
「何よ。可愛い妹の命令が聞けないの?」
「お願いじゃなくて、命令って言ってる所がアビーらしいんだが、さすがに騙すようなのはなぁ」
アイザックはお手上げと言った感じで、乾いた笑いをした。
「・・・アビー、アックに無理な事を言わないで」
「無理な事じゃないわ!アックは私に似て顔はいいんだし、話術もあるからきっと大丈夫よ。それに騙すんじゃないわ。アックの優しさを少し分けてあげるだけよ。それで無愛想なやつより、強くて優しく守ってくれるナイトに惹かれるなら、それは仕方ないと思うの」
2度も顔がいいとアビゲイルは自信たっぷりに言う。だが、ルシウスは彼女には愛想があるし、強いし優しいし、すでにナイトの役割をこなしているとレミリアは思った。
「優しさねぇ。そんなに持ち上げられちゃ・・・期待に沿わないわけにはいかないなぁ。可愛い半身の妹の願いだしな」
「命令ね」
「・・・なんで我が妹は訂正してくるかな」
結局アイザックはアビゲイルの口車に乗せられ、願いを受けいれるのだった。
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