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59.朝のひと時
しおりを挟む翌日、レミリアはルシウスの腕の中で目をさました。
横で眠るルシウスの顔は昔のようにあどけなくて、レミリアは愛おしさから自分からルシウスに軽く口付けた。
レミリアは触れるだけの口付けをして離れようとしたが、ルシウスが舌を絡めてきて、離れられないように後頭部に手がまわる。
「んん、っん、はぁ」
驚き目を見開くレミリアに、ルシウスも目をうっすらとあけた。そんなルシウスはいたずらが成功したように目が笑っている。
「ルシウスっ、もうっ起きてたのね」
「ああ、レミリアが身じろいだあたりでな。まさかこんな可愛い事をされるとは思わなかった」
レミリアを見つめるルシウスの目が、レミリアを愛しく見つめてきてレミリアは恥ずかしくなる。先程の寝顔とは違う、明らかに男の顔をするルシウスにレミリアはこれからを少し不安に思った。
「学園に遅れるから、もう起きましょ」
「そうだな、行かなかったら番犬がうるさそうだしな」
ルシウスはレミリアにまた優しく口付けると、ベッドから抜け出すがルシウスは昨日のままの姿で、レミリアは昨日の事を思い出してしまい目を逸らした。
明るい中でルシウスの裸体を見て、昨日の事を思い出す自分をルシウスに知られたくないと思い、ベッドから抜け出せずにいると、影がかかった。
「どうした。痛むのか」
ルシウスがレミリアの顔を覗きこみ、レミリアの曝け出された肩に口付けた。
レミリアはルシウスの行動で、自分も何も着ていない事に今更ながらに気づいて恥ずかしくなり焦った。
「な、なんでもないわ」
「そうか、そのままでいるから誘われているのかと思った」
ルシウスはまた揶揄うように笑みを浮かべて近づいてくる。
「あっ、お腹すいちゃったわ」
レミリアはルシウスの意識を逸らそうと話題をかえながら、シーツで肌を隠した。
「部屋に持ってこさせよう。だがその前に一緒に湯浴みをしにいこう」
ルシウスはレミリアの頭を撫でると、シーツごとレミリアをかかえて浴室に足を運ぶ。
そして甲斐甲斐しくルシウスはレミリアのために世話を焼き、身体を綺麗にして、ルシウスに抱えられるように一緒に湯船に浸かった。
「ルシウスったら、貴方がここまでしなくてもいいのに」
「俺がしたいんだ、させてくれ。それとも、嫌だったか?」
ルシウスの不安気な声が響いて、レミリアはとっさに首を振った。
「違うの。ただ、恥ずかしくて。ルシウスに、愛されてるって感覚が。今までと違うし・・・」
ルシウスはレミリアをぎゅっと抱きしめる。
「今まで我慢してたんだ。母に言われ続けた言葉で、レミリアは父親のような寡黙な人が好きなんだと思ってた。あの人はそうじゃない。それじゃあの子に嫌われるわ、もっとあの人のようにしなさいって小さい頃から言われ続けたから、そうしてた。でも、本当はレミリアのために何でも世話を焼きたいし尽くしたいと思ってる」
ルシウスはレミリアの肩に顔を埋め、こんな本当の自分を曝け出しても、レミリアは俺を愛してくれるかと呟いた。
「私は、小さい頃のルシウスの優しさに救われたの。両親から愛情はもらえなかったから、そんな自分が愛してもらるなんて思ってなかった。ルシウスがただ一緒にいてくれた事で安心感と幸せを感じたし、私のために交流の時間をとってくれたり、屋敷にきてくれたり、プレゼントを直接渡しに来てくれたりして嬉しかった。今までこんな気持ちを知る事なんてなかったから、ルシウスがいてくれたおかげで・・・私は、居場所があった。貴方を愛する感情を知れた・・・・・・だからルシウスが側にいてくれるだけで幸せよ。どんな貴方でも、貴方だから、愛してる」
レミリアはルシウスに思っていた事をちゃんと伝えると、ルシウスはありがとうと言い、俺も勿論愛していると口付けをくれるのだった。
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