婚約者には好きな人〜ネガティブ思考令嬢は婚約破棄を告げスルーされる〜

ドール

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〜ルシウス視点〜

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 ルシウスはレミリアを連れて屋敷の外に出た。父から指示を受けていたのか、馬を一頭連れた使用人から手綱を渡される。いつものように馬にまたがり、レミリアに向けて手をさしだした。

 
 レミリアと2人で乗ったことがなかったためか、レミリアは促されるままルシウスに手を伸ばした。しっかりとレミリアの手を握り、引きあげて、横抱きにかかえる。


 レミリアを落とさないように、しっかり安定した体勢をとらせるため腰をささえて、自身の胸元に寄りかかるように引き寄せた。


 「2人、馬、ダメ、体勢も」

 しかし、レミリアはこの状況をだめだと、まだあまり出ない声でたどたどしく伝えてくる。


「大丈夫だ。レミリアは軽いし、この馬は馬力がある。それに、長時間走らせるわけではないから問題ない。体勢に関してはレミリアは馬に跨がるのに慣れていないから、この方が寄りかかれるし楽なはずだ」

 ルシウスに寄りかかるようにさせ、少し我慢してくれと伝えて、ルシウスは馬を走らせる。
 

 そして屋敷を見下ろせる、開けた丘に着くと手綱を引いて馬を止めた。花が所々に咲いているだけで、レミリアと来るのには大した物はない場所ではあるが、視界が広く見晴らしのよい丘のため、ここなら誰かに話を聞かれることもなく、学園よりも最適な場所だった。


「レミリア、おいで」

 ルシウスは馬から降りて、何故こんなところに連れてこられたのだろうと、不思議そうに周りを眺めているレミリアに、馬からおりるように両手を伸ばして構えながら声をかけた。


 レミリアが馬から降りるには、ルシウスが抱えられるしかないため手を伸ばしていたのだが、レミリアは何故か戸惑っていた。

「レミリア、大丈夫だからおいで」

 ルシウスがレミリアに距離をつめると、レミリアは体勢を崩してしまい、自分からルシウスに抱き付くような形で倒れ込む。


「ごめん、なさい」

 レミリアはルシウスに抱きついた形になり、恥ずかしがるぞぶりをみせた。


「大丈夫だ。そんなにやわじゃない。それに、あの時もちゃんと受け止めただろう」
 ルシウスはレミリアに頼りないと思われていたのかと、おかしくなり、レミリアと触れ合う時間に顔を綻ばせた。


 だが、何故かレミリアの瞳が潤み、涙が溢れる。

「レミリア、どうした」

 ルシウスはそんなレミリアの顔を覗きこみ、伝い落ちてしまっていた涙をぬぐう。レミリアはルシウスからの問いには上手く答えられず、首を振ってルシウスに微笑んできた。


「ッレミリア」

 ルシウスはレミリアの笑みに急に胸が締め付けられる感覚になり、なんの前触れもなく性急に口付けた。レミリアにあんな笑みを向けられ、愛おしい感情が溢れてしまい、口付けの合間に幾度となく名前を呼びながら柔らかいレミリアの唇を食すのだった。

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