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9.勘違い
しおりを挟む公爵家から帰り、姉達に話があると呼び出した。シルフィは、姉達から貰った指輪に認識阻害の効果があると知らされてなかったので、だいぶショックだった。
今まで、姉に外では行動を慎むよう、目立たないようにと言われていて、従ってきたが、さらにこんな魔術の代物も渡されているだなんて思わなかった。
「お姉様・・・この指輪お返しします」
「えっ?だってコレ、私達とお揃いなのよ?どうしたの?」
リズリーお姉様が困惑したように指輪の受け取りを拒否する。
「私、今日はキール様の妹、シェリー様に誘われて公爵家へお邪魔致しました。そこで、キール様の弟、シエル様にこの指輪には認識阻害の術式が施されていると・・・言われたのです。なぜ、そんな指輪をお姉様達は私に渡したのですか・・・そんなに・・・私は、人に見せることができない存在ですか」
声が震えてしまう。姉達から真実を知りたいが、知る事も怖い。でもはっきりさせなければ、いけないと思った。
「私は・・・そんなにまでして、お姉様達に疎まれているのですか・・・。お姉様達とは違う、この髪色がダメですか?容姿がだめですか?・・・胸だって普通、何もかもお姉様達より劣る私がだめですか・・・ッ、そんなにお姉様達にとって、見目が大事ですかッ・・・私を隠しておきたかったですかッ」
シルフィは自分で言っていて悲しくなった。
「違うのよ・・・フィー。誰も貴方の事を劣っているだなんて思ってはいないわ。隠しておきたかったからその指輪を渡したのは否定しないけど」
「それは、同じではないですか・・・。私はお姉様達にとって見られるだけで、恥ずかしいから隠しておきたかったのしょッ」
姉達が沈黙する
「この子・・・何か勘違いしてる?」
マライヤお姉様が、つぶやいた。
「え?」
「確かに指輪の効果は話てないけど・・・だけど、自分を卑下しているし、理解してないのかしら?」
アメリアお姉様も同じ意見のようだ。
「私は言ってたわよ?フィーは可愛いから、外では目立たないようにしなさいって、変なのが近づいてくるからって。あんなに散々言ってたのに・・・?どうしてそんな勘違いを・・・」
リズリーお姉様も勘違いだという。
「髪の色だって、別に珍しいだけだし、見た目なんて美少女で、可憐な花のような愛らしさなのに・・・、私達よりも男がよってきて危ないから、注意してただけなのに・・・」
姉達はため息をつく。
「「「自己評価ひくすぎでしょ!!!」」」
姉達の叫びがかぶった。
シルフィは、とても深刻な表情をしていたが、姉達が言っている事が今まで思っていた事と違って、困惑顔に変わっていた。
「何を勘違いしたのか・・・。指輪の事は黙っていて悪かったわ・・・。だって知ってたらフィーは付けなかったと思うし、でもつけとかないと、またデビュタントの二の舞になってしまうわ」
「デビュタント?あの囲まれたのってことですか?」
「あら、何であの時囲まれたかわかってないわけ?なんて鈍いのかしら、自意識過剰よりはいいんだろうけど・・・私の妹可愛すぎる・・・」
アメリア呟く。
「はいはい、私の妹でもあるのよ・・・私達のに訂正ね」
リズリーが口を挟み、訂正する。
「私が実は可愛いという・・・事?お姉様がいう可愛いは妹に対しての、ただの可愛いではなくて・・・私の勘違い・・・」
シルフィは、姉達の会話を受け止め、自分の勘違いだと気付いた。すると、今まで散々姉達に言っていた事が的外れで、自分が悲観ぶっていたのが恥ずかしくなった。
「ごめんなさい・・・私、お姉様達に・・・勘違いして、いけない事をいいました・・・」
「貴方がなぜ、自己評価が低くなったのかはわからないけど、私達も隠し事をして、指輪を渡したのは悪かったわ・・・。だからおあいこでいいかしら」
「お姉様達がいいのなら、いいです」
「もちろんいいわよ。リア、マヤも、いいわよね」
リズリーお姉様が2人に声をかかけ、2人は頷く。
「お姉様が私の事を思って、この指輪をくれたのも理解出来ましたが、やはり外さないほうがいいんでしょうか。公爵家へ行った時に、シエル様は魔力量が桁違いな僕には効果がない的な事をいわれてましたし、キール様も同じだと思うのですが・・・それにこの術式はキール様のお父様がほどこしたらしいのです」
「え?そうなの?それはしらなかったわ。やってても意味なかったのね。なら、彼の前ではいいわ。はずして反応の違いをみてみなさいな」
アメリアお姉様は少し企んだような顔をした。
「貴方を守ってくれる婚約者が決まるまでは、学園でもなるべくつけておきなさいね。じゃないと、貴方は押しに弱いし、押し切られちゃうわよ」
シルフィは姉の言葉に、確かにと思い、また指輪を身につけるのだった。
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