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91.役目
しおりを挟む話し合ったあと、1時間たってしまっており、ゾディアス様の薬の効果が切れてしまった。
ゾディアス様は、顔色を悪くされていたので、リンジェーラは父に今日はまたゾディアス様と帰ると告げた。
父は嫁ぐならリンジェーラの畑のハーブ達はどうするか考えておくように言い、応接室を出て行った。
兄も父の後について出る時に、自分は大抵屋敷で仕事だからいつでも戻ってくるようにと言ってくれた。
2人が出て行くとゾディアス様は我慢していたのか、リンジェーラの首筋に顔を埋めて匂いを嗅いできた。
「大丈夫ですか、ゾディアス様まだ薬があるなら飲まれたら?」
「いや、リンジーの香りで大丈夫だ」
だが、このままではリンジェーラは歩けないし困ってしまう。
少しして、ゾディアス様は落ちついたのか、帰ろうと言った。リンジェーラがゾディアス様から離れようとするが、なぜかゾディアス様はリンジェーラを離さず、抱えられて歩き出される。
「あのッ、離してください。皆んなに見られてしまいます」
さすがに密着しすぎて恥ずかしいため、ゾディアス様に懇願した。
「すまないが我慢してくれ・・・できれば首に腕を回してくれ」
リンジェーラはゾディアス様にお願いをされて、仕方なく諦めるしかなかった。
ゾディアス様の要望に応え抱きついた形で、そのまま馬車まで連れて行かれた。馬車までの間、伯爵家の使用人にはかなり温かい目で見守られた感があった。
「すまなかったな・・・さすが匂いを誤魔化せていただけある。長居はきついな。誰も獣人がよりつかないわけだ・・・」
ゾディアス様は改めてリンジェーラが守られていた環境が厳重だということを認識した様だ。
「だが、リンジーのことがしれわたった後は、薬を飲んだものが侵入するかもしれないが、その場合は大丈夫なのか?」
ゾディアス様は気になった事をリンジェーラに聞いてきた。
「それは、父が薬を作る時にちゃんと考えてくれたみたいですよ。私も懸念したのが、その問題でしたから。効果を無効にするスプレーも作ってくれてます。ちなみにすでに屋敷内には至る所に侵入者に備えておいています。なんならボタンひとつで屋敷中に拡散するようにもしてくれたらしいです。私、父に愛されてるなって感じますね」
ゾディアス様はリンジェーラが説明するのを聞いて、さらに顔色を悪くした。
「想像しただけで守りが万全で頼もしいが、自身におきかえるとかなり恐ろしいな・・・」
「父は私に絶対の安心を与えてくれますから。これからは、ゾディアス様がその役目を任されるのですからお願いしますね」
リンジェーラは弱っているゾディアス様の姿を見て、頬に口付けをしてあげた。
それが引き金となってからか、ゾディアス様からもお返しの口付けを何度も受け続けてしまうのだった。
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