うしお

かおるとあいこ。

文字の大きさ
1 / 1

うしお

しおりを挟む
 夢を見ていた。月の夜、寄せては返す波。澪は、浅瀬に足を浸す。冷たい! 目を覚ますと、開けっ放しの窓から横殴りの雨が吹き込んで来ていた。
 澪はため息をつく、今日は友人の紹介で知り合った悠人と初めて2人だけでのデートの日だった。
 「雨すごいね、ユニバどうする?」
 澪は悠人にLINEを打った。ほどなくして、返信が返ってくる。
 「うーん、雨天中止かなぁ。。」
 澪はがっくしとうなだれた。と、またLINEが来た。
 「あの、よかったら、家来る? 初デートが家なんて、申し訳ないけど」
 澪は突飛な提案にちょっと驚いたが、このままデートがお流れになるのはとても残念に思っていたので、駅で待ち合わせて悠人の家でデートをすることとなった。
 澪と悠人は2人ともいける口だ。澪は手土産にワインを2本買って行った。
 悠人の家はとてもすっきりとしたマンションの一室であった。平日は仕事が忙しく、寝るためだけに返っているため、何もないのだという。
 悠人は立派なワイングラスとソムリエナイフを出てきた。そして2人でワインを飲んだ。
 2本目に差し掛かった頃、少し酔ったのか、2人の距離は自然と近づいていた。
 そしてまた、ごく自然なことのように、ブラのホックも外されていた。悠人は澪の紅潮した頬に触れ、その手はやがて、澪の身体を滑り落ちるように澪を愛撫し、秘所へと伸びた。澪は、少し戸惑ったが、恋人同士の仲ではないか。身を任せることにした。澪のそこは、もう潮で充ちていた。
 すると、悠人はくす、と笑った。
 「すごい濡れてる。でも、こういうこと慣れてないんでしょ」
 澪はスムーズな誘導とは裏腹な、ひっかかりのようなものを感じた。
 酔いは覚め、澪の中で、あんなに満潮だった潮は引いていった。
 「ごめん、今日はそろそろお開きでいいかな?」
 そう言い残して、澪は雨の中を去っていった。
 そして2人は、二度と会うことはなかった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

有名俳優の妻

うちこ
恋愛
誰もが羨む結婚と遺伝子が欲しかった そこに愛はいらない

お義父さん、好き。

うみ
恋愛
お義父さんの子を孕みたい……。義理の父を好きになって、愛してしまった。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...