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鑑定できないのなら追放してください
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はるか昔のこと、人々は大いなる魔法文明のもと栄えていたという。
だがしかし、大国同士が争いを始めたために中小国もそれに巻き込まれ、大陸大戦となり報復の応酬で文明はあっという間に縮小されていったという。
それがおよそ五百年前のこと。
その当時の芸術品や武具、宝石などは現在では作り出すことができずにいて、古代遺物という名で研究対象とされている。
これはそんなアーティファクトに魅入られた一人の青年の物語である。
「リソール!貴様!なんてことをしてくれたんだ!?」
白衣にモノクルをかけた白髪のじいさんが俺に文句を言ってくる。
この人は国営博物館の館長でありガンブツという名だ。
「はぁ?」
国立学院のアーティファクト科を卒業式し、国営博物館の鑑定所に勤めだしてはや三年。
俺はなぜか国王陛下の前に罪人のように引きずられている。
「はあ?ではないわ!貴様の鑑定ミスによって我が国営博物館は陛下に対し大変な失礼をしてしまったのだぞ!」
「鑑定ミスとは?」
「しらばっくれるな!この旧都で発掘された宝剣を我がオルドス国の王族のものだと鑑定したのは貴様だろうが!」
旧都は魔力戦争の名残なのだろうか?
ダンジョン化しており、そこからはいろいろなアーティファクトが見つかっている。
それを探し出すのがトレジャーハンターであり、価値を見極めるのが俺たち鑑定士だ。
「いやいや、それは偽物だって言いましたよね?まあ見栄えは素晴らしいですが、あからさまに現代技術で作られているので間違えるわけないじゃないですか。というか大発見って騒いでいたの館長でしょう?」
図星を刺されたガンブツは顔を真っ赤にして否定する。
「違う違う!貴様が言い出したのだ!」
「見苦しいぞ。ガンブツ」
「はっ……陛下……」
ツンツンとした金髪で俺たちを見下してくる王は代替わりをしたばかりで俺よりも若い。
そんな王に俺の命運はかかっている。
「ガンブツは部下の管理不足として減給を。リソールは国内での鑑定士の仕事を一切取り扱えないものとする」
はぁ!?なんで俺が職業を取り上げられて館長はそのままなんだよ!?
俺は頭を下げながらも震える手で絨毯の上に手を擦り付ける。
「陛下、それはどうかと思います。リソールは国立学院でも特段に優秀な生徒でしたし、この三年間で鑑定ミスはないものと聞きます。それがこんなレベルの贋物に惑わされるとは思えません」
恩師であった国立学院長のセレイン翁が抗議をしてくれるが、
「ガンブツは余の教育係だった男だ。その男と新人では信用に差ができて当然だろう?ガンブツが余を騙すわけがない」
「そ、そうでありますよ陛下……」
ダラダラと汗を流すガンブツ。
その様子だけでも完全に黒いのだが、陛下は気づくことはない。
はぁ……ならばこんな国にいる必要はないな。
「かしこまりました。国立学院首席卒業の名誉もお返ししますので、国外追放としてください」
「リソール!早まるな!」
「先生、長らくのご教授ありがとうございました」
「よかろう。しかし、貴様が首席とは国立学院も落ちたものだな」
「陛下……後悔はなさいませんな?」
「余が後悔することなどありえん」
「でしたらもうお止めすることはありますまい」
「リソール。貴様は国外追放だ。さっさと出ていけ」
「かしこまりました」
こうして俺はあっという間に無職となり、博物館裏にある寮へと戻っていった。
「まったく狭い部屋だな」
日頃からハンターから毎日持ってこられるものを鑑定していたらここには寝るだけでしかなかったな。私物もろくにない。
だがまあ、清々する。
「先輩!だ、大丈夫でしたか!?」
後輩のトリスがノックもせずに入ってきた。
「大丈夫じゃないな。国外追放だよ」
「そんな!あれは館長とその息子のせいで!」
「もういいんだよ。華美なアーティファクトばかり有り難がるこの国にも飽き飽きしていたところだ」
「確かに……地味な壺や絵画には一切価値を認めませんからね」
「歴史が詰まっているならばそれは立派なアーティファクトだ。十分に価値があると俺は思っている。それがわからない館長とはいずれこうなると思っていたよ」
「うぅ……先輩がいなくなると日々の鑑定作業にも支障が出るというのに……」
「まあ、頑張れよ」
「……先輩もお達者で」
俺はあっという間に荷物をまとめると、トリスをの肩を叩いて自室だった場所を離れた。
「まったく……相変わらず気が早いやつだ。歴史学は辛抱強くと教えたのだがな」
「セレイン先生。申し訳ありませんね、性分でして」
「これからどうするのだ?」
「そうですね。隣国に向かおうかと思います」
「ふむ……アリシオル王国か。あそこもダンジョンを保有している国だったな」
「ええ、そこで自分の感性に刺さるアーティファクトを見つけて堪能させていただきます」
「ならばこれを持っていけ」
「これは、紹介状ですか?」
「ああ、それなりには使えるだろう」
「こんなものを用意しているなんて、先生には先が見えていたようですね」
「私が鑑定して見破れたものを貴様が本物というわけないだろう。これはガンブツの仕業だと思ったわい。まったく……最後の弟子をこんな形で失うとはな」
「頑張らせていただきますよ。それでは先生、ご達者で」
「ふん。さっさと行け」
こうして俺はオルドス国から国外追放となり、隣国であるアリシオル王国へと旅立った。
オルドス国よりも歴史が長く、アーティファクトの発掘にも力を入れている場所だ。
「さあ、どんなアーティファクトとの出会いが待っているのかな?楽しみだ」
そうして俺は旅の必需品を買い込んだ後、馬車へと乗り込むのだった。
だがしかし、大国同士が争いを始めたために中小国もそれに巻き込まれ、大陸大戦となり報復の応酬で文明はあっという間に縮小されていったという。
それがおよそ五百年前のこと。
その当時の芸術品や武具、宝石などは現在では作り出すことができずにいて、古代遺物という名で研究対象とされている。
これはそんなアーティファクトに魅入られた一人の青年の物語である。
「リソール!貴様!なんてことをしてくれたんだ!?」
白衣にモノクルをかけた白髪のじいさんが俺に文句を言ってくる。
この人は国営博物館の館長でありガンブツという名だ。
「はぁ?」
国立学院のアーティファクト科を卒業式し、国営博物館の鑑定所に勤めだしてはや三年。
俺はなぜか国王陛下の前に罪人のように引きずられている。
「はあ?ではないわ!貴様の鑑定ミスによって我が国営博物館は陛下に対し大変な失礼をしてしまったのだぞ!」
「鑑定ミスとは?」
「しらばっくれるな!この旧都で発掘された宝剣を我がオルドス国の王族のものだと鑑定したのは貴様だろうが!」
旧都は魔力戦争の名残なのだろうか?
ダンジョン化しており、そこからはいろいろなアーティファクトが見つかっている。
それを探し出すのがトレジャーハンターであり、価値を見極めるのが俺たち鑑定士だ。
「いやいや、それは偽物だって言いましたよね?まあ見栄えは素晴らしいですが、あからさまに現代技術で作られているので間違えるわけないじゃないですか。というか大発見って騒いでいたの館長でしょう?」
図星を刺されたガンブツは顔を真っ赤にして否定する。
「違う違う!貴様が言い出したのだ!」
「見苦しいぞ。ガンブツ」
「はっ……陛下……」
ツンツンとした金髪で俺たちを見下してくる王は代替わりをしたばかりで俺よりも若い。
そんな王に俺の命運はかかっている。
「ガンブツは部下の管理不足として減給を。リソールは国内での鑑定士の仕事を一切取り扱えないものとする」
はぁ!?なんで俺が職業を取り上げられて館長はそのままなんだよ!?
俺は頭を下げながらも震える手で絨毯の上に手を擦り付ける。
「陛下、それはどうかと思います。リソールは国立学院でも特段に優秀な生徒でしたし、この三年間で鑑定ミスはないものと聞きます。それがこんなレベルの贋物に惑わされるとは思えません」
恩師であった国立学院長のセレイン翁が抗議をしてくれるが、
「ガンブツは余の教育係だった男だ。その男と新人では信用に差ができて当然だろう?ガンブツが余を騙すわけがない」
「そ、そうでありますよ陛下……」
ダラダラと汗を流すガンブツ。
その様子だけでも完全に黒いのだが、陛下は気づくことはない。
はぁ……ならばこんな国にいる必要はないな。
「かしこまりました。国立学院首席卒業の名誉もお返ししますので、国外追放としてください」
「リソール!早まるな!」
「先生、長らくのご教授ありがとうございました」
「よかろう。しかし、貴様が首席とは国立学院も落ちたものだな」
「陛下……後悔はなさいませんな?」
「余が後悔することなどありえん」
「でしたらもうお止めすることはありますまい」
「リソール。貴様は国外追放だ。さっさと出ていけ」
「かしこまりました」
こうして俺はあっという間に無職となり、博物館裏にある寮へと戻っていった。
「まったく狭い部屋だな」
日頃からハンターから毎日持ってこられるものを鑑定していたらここには寝るだけでしかなかったな。私物もろくにない。
だがまあ、清々する。
「先輩!だ、大丈夫でしたか!?」
後輩のトリスがノックもせずに入ってきた。
「大丈夫じゃないな。国外追放だよ」
「そんな!あれは館長とその息子のせいで!」
「もういいんだよ。華美なアーティファクトばかり有り難がるこの国にも飽き飽きしていたところだ」
「確かに……地味な壺や絵画には一切価値を認めませんからね」
「歴史が詰まっているならばそれは立派なアーティファクトだ。十分に価値があると俺は思っている。それがわからない館長とはいずれこうなると思っていたよ」
「うぅ……先輩がいなくなると日々の鑑定作業にも支障が出るというのに……」
「まあ、頑張れよ」
「……先輩もお達者で」
俺はあっという間に荷物をまとめると、トリスをの肩を叩いて自室だった場所を離れた。
「まったく……相変わらず気が早いやつだ。歴史学は辛抱強くと教えたのだがな」
「セレイン先生。申し訳ありませんね、性分でして」
「これからどうするのだ?」
「そうですね。隣国に向かおうかと思います」
「ふむ……アリシオル王国か。あそこもダンジョンを保有している国だったな」
「ええ、そこで自分の感性に刺さるアーティファクトを見つけて堪能させていただきます」
「ならばこれを持っていけ」
「これは、紹介状ですか?」
「ああ、それなりには使えるだろう」
「こんなものを用意しているなんて、先生には先が見えていたようですね」
「私が鑑定して見破れたものを貴様が本物というわけないだろう。これはガンブツの仕業だと思ったわい。まったく……最後の弟子をこんな形で失うとはな」
「頑張らせていただきますよ。それでは先生、ご達者で」
「ふん。さっさと行け」
こうして俺はオルドス国から国外追放となり、隣国であるアリシオル王国へと旅立った。
オルドス国よりも歴史が長く、アーティファクトの発掘にも力を入れている場所だ。
「さあ、どんなアーティファクトとの出会いが待っているのかな?楽しみだ」
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