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第一章 魔術師令嬢の契約結婚
契約結婚だって言ったよな?
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ジェシカは変わった人だった。
見合いでてきぱきと男爵家の説明を始めたときは教師や役人のようだったのに、情緒面では子どものようでもある。
写真ではわからなかった髪は小麦色。さらさらと流れる髪を適当な紐で適当に括っている。特段美人でもないが、愛嬌のある顔は素直に感情を表すせいで割り増しして好ましく見えた。人柄も悪くないと思う。
なによりユーグの顔に全く興味がなさそうなのには感動を覚えた。称賛や言及しないにしても多少は何か反応されるのが普通だったため、何もないどころか、前回の変装と今回の素顔の違いにも気づかれないとなると、視力の心配までしそうになる。
晩餐のときに聞いてみたところ、
「皆だって、視覚情報だけではなくてもっと総合的に判断していると思うわ。私は、声と魔力の質も重視しているのかしら。あんまり自覚はないけれど。あとは単純に、あなたが来るってわかっていたんだから別の人だとは思わなかったってだけ」
注意力が足りないなんて思わないで、と言い訳した。
さすが、配偶者の条件は魔力の相性だと言い切っただけのことはある。
自分の容貌を気にせず接してくれるのは気楽でよかった。
契約結婚の相手としては最高とも言える。
見合いのとき、女避けに結婚してはどうかというドナルドの提案を思い出したユーグは子どもを作らない条件を出した。離婚しても爵位返上にならないようだし、恋愛がわからないと話したジェシカが誰かと恋に落ちるようなことがあれば離婚したらいい。
ユーグ自身は恋愛沙汰にはうんざりしており、ジェシカとの縁談を断ったからと言って別の誰かと恋愛や結婚するあてもなかった。ちょうどいい。
契約結婚にジェシカも納得して婚姻届にサインしたと思った。
いや、納得しているのは間違いないと思う。ただ、ジェシカが考えている契約結婚は、ユーグが想定していた状況とはどこか違うのだ。
主寝室には、小さなドレッサーと書き物机、窓際にやはり小さなティーテーブルと椅子が二客あり、あとはベッドだ。ソファなんて気の利いたものはなかった。同じベッドで寝るしかない。
昼間の彼女の言い分は間違っていない。
一緒に寝ただけでは子どもはできないし、ユーグが手を出さなければいいだけだ。
もちろん手を出すつもりなどない。
ないのだが、……なんだか理不尽な要求を突き付けられているような気がする。
かといって、父親が亡くなったばかりのジェシカにさっさと遺品を整理して部屋を空けろとも言えなかった。
入浴を済ませたジェシカが寝室にやってきた。
彼女がくるまで、ユーグは手持ちぶさたでうろうろしていた。綺麗にピンと整えられたシーツのかかったベッドには座りにくい。いやいっそ先に寝てしまうか。ティーテーブルに水差しに添えられたグラスが二つあるのに気づくと、そこに座るのも落ち着かなかった。
なんといっても実質の初夜だ。
手を出すつもりはない。
ないけれど、初夜なのだ。
ジェシカは窓際に立つユーグに気づくと、「先に寝ていても構わなかったのに」と笑った。
「それは?」
彼女は小さな石板を持っていた。水差しを避けて、ティーテーブルの上に乗せる。ちょっとした本くらいの大きさだ。魔術の道具だろうが、市販の魔道具とは違う。
「魔術陣のための石板よ」
見てて、とジェシカはグラスに水を注いで、それに指先を浸した。
石板に水で図形を描く。
大きな四角。内側に円。縦横に線を何度も引いて、魔術文字を書き加えた。
一度の水で一息にそれを描き上げ、ジェシカは一歩下がる。
「夜の雲。空の川。歌を捧げよう。光を届けよう」
高い声が聞いたことのないメロディを紡ぐ。
ジェシカの髪がふわりと揺れる。
魔術陣が光ったと思ったら、その光は宙に浮いた。
瞬く間に、天井に星空が出来ていた。
「おお……」
魔道具ではなく、魔術師が使う魔術は初めて見た。
ユーグが感嘆していると、ジェシカが部屋の照明を消した。そうすると天井の星はより輝いて見える。
「すごいな」
「綺麗でしょ。私、これ気に入ってるのよ」
すごいと評したのはジェシカ自身だったが、彼女は星空だと思ったようだ。誇らしげに天井を見るジェシカにユーグは目を細める。
そういえば、魔術陣と呪文の専門だと聞いた。
魔術院では貴族でないと役職がもらえないらしく、そのために爵位継承ひいては配偶者が必要だったらしい。
制度が違えば、結婚する必要なんてなかったのだろう。
そうしたら、ユーグの顔に興味を持たないジェシカは、ユーグを選ぶことはなかったと思う。
ありもしない状況を想像して少し嫌な気分になり、ユーグは首を振った。
なぜジェシカと出会わなかった可能性を考えたくないのか、その理由には至らなかった。
ベッドは二人で寝ても十分な広さがあった。手を伸ばさなければ触れることもない。
何の気概もなく「おやすみなさい」と言うジェシカに、ユーグは呆れる。
彼女に背を向けてユーグも寝る体勢になった。
少し経ったころ、背後で身じろぎがした。
「ねえ、触ってもいい?」
「は?」
拒否する前に、背中にぴたりとジェシカが抱きついた。
片腕でぎゅっと引き寄せられて、素足が絡む。
背中に柔らかいものが当たる。その体温は勢いで振り払うには心地よすぎた。
「な、なにを」
「ふぅ……」
うなじにジェシカの吐息がかかり、ユーグは震えた。
あらぬところに熱が集まり出すのを、必死にこらえる。
「気持ちいい……」
甘い声が耳を犯す。
「気持ちいいのか?」
馬鹿みたいに繰り返す自分の声は少し上ずっていた。
ジェシカは「ん」と鼻から抜けるような声で答え、
「やっぱり、あなたの魔力、気持ちいい……」
「魔力……」
「あぁ……肩こりが治っていくわ……」
「肩こり……」
ユーグはすっと一気に力が抜けた。
「あのね、昔、母が言ってたのよ。女の子なんだから、抱きつく相手は家族だけにしなさいって。デニスもアンもダメって」
「…………」
「父が亡くなって、もう誰もいなくなってしまって……。別にそれでもいいと思っていたんだけれど、あなたが新しい家族になってくれてうれしい」
ありがとう、とジェシカは言った。
ユーグのうなじに触れた唇は、ちゅっと軽い音を立ててすぐに離れた。
親愛のキスだとわかったけれど、心に刺さった。
ジェシカはユーグの前に回した手をさまよわせた。ユーグはその手を取って握る。
ぎゅっと握り返された力の強さに、ジェシカの寂しさを感じとってユーグは切なくなった。
そうするともう彼女を振り払うことはできなかった。
しばらくして、背後から寝息が聞こえたことを確認して、ユーグはそっとジェシカを離す。
魔術の星の光がジェシカの顔をそっと照らしている。
顔にかかる髪を除け、軽く頬に触れた。
彼女が言うような魔力の相性はわからない。
睫毛の影。少し開いた唇。細い首筋と寝間着の襟ぐりから覗く鎖骨。先ほどまで自分の背中に当たっていた膨らみが呼吸に合わせて上下している。
ゆっくりと視線で辿ってから、ユーグは彼女に布団をかけた。
ジェシカから適度な距離をあけて、ベッドに寝ころぶ。
「契約結婚じゃなかったのか……」
ユーグは深くため息をついた。
見合いでてきぱきと男爵家の説明を始めたときは教師や役人のようだったのに、情緒面では子どものようでもある。
写真ではわからなかった髪は小麦色。さらさらと流れる髪を適当な紐で適当に括っている。特段美人でもないが、愛嬌のある顔は素直に感情を表すせいで割り増しして好ましく見えた。人柄も悪くないと思う。
なによりユーグの顔に全く興味がなさそうなのには感動を覚えた。称賛や言及しないにしても多少は何か反応されるのが普通だったため、何もないどころか、前回の変装と今回の素顔の違いにも気づかれないとなると、視力の心配までしそうになる。
晩餐のときに聞いてみたところ、
「皆だって、視覚情報だけではなくてもっと総合的に判断していると思うわ。私は、声と魔力の質も重視しているのかしら。あんまり自覚はないけれど。あとは単純に、あなたが来るってわかっていたんだから別の人だとは思わなかったってだけ」
注意力が足りないなんて思わないで、と言い訳した。
さすが、配偶者の条件は魔力の相性だと言い切っただけのことはある。
自分の容貌を気にせず接してくれるのは気楽でよかった。
契約結婚の相手としては最高とも言える。
見合いのとき、女避けに結婚してはどうかというドナルドの提案を思い出したユーグは子どもを作らない条件を出した。離婚しても爵位返上にならないようだし、恋愛がわからないと話したジェシカが誰かと恋に落ちるようなことがあれば離婚したらいい。
ユーグ自身は恋愛沙汰にはうんざりしており、ジェシカとの縁談を断ったからと言って別の誰かと恋愛や結婚するあてもなかった。ちょうどいい。
契約結婚にジェシカも納得して婚姻届にサインしたと思った。
いや、納得しているのは間違いないと思う。ただ、ジェシカが考えている契約結婚は、ユーグが想定していた状況とはどこか違うのだ。
主寝室には、小さなドレッサーと書き物机、窓際にやはり小さなティーテーブルと椅子が二客あり、あとはベッドだ。ソファなんて気の利いたものはなかった。同じベッドで寝るしかない。
昼間の彼女の言い分は間違っていない。
一緒に寝ただけでは子どもはできないし、ユーグが手を出さなければいいだけだ。
もちろん手を出すつもりなどない。
ないのだが、……なんだか理不尽な要求を突き付けられているような気がする。
かといって、父親が亡くなったばかりのジェシカにさっさと遺品を整理して部屋を空けろとも言えなかった。
入浴を済ませたジェシカが寝室にやってきた。
彼女がくるまで、ユーグは手持ちぶさたでうろうろしていた。綺麗にピンと整えられたシーツのかかったベッドには座りにくい。いやいっそ先に寝てしまうか。ティーテーブルに水差しに添えられたグラスが二つあるのに気づくと、そこに座るのも落ち着かなかった。
なんといっても実質の初夜だ。
手を出すつもりはない。
ないけれど、初夜なのだ。
ジェシカは窓際に立つユーグに気づくと、「先に寝ていても構わなかったのに」と笑った。
「それは?」
彼女は小さな石板を持っていた。水差しを避けて、ティーテーブルの上に乗せる。ちょっとした本くらいの大きさだ。魔術の道具だろうが、市販の魔道具とは違う。
「魔術陣のための石板よ」
見てて、とジェシカはグラスに水を注いで、それに指先を浸した。
石板に水で図形を描く。
大きな四角。内側に円。縦横に線を何度も引いて、魔術文字を書き加えた。
一度の水で一息にそれを描き上げ、ジェシカは一歩下がる。
「夜の雲。空の川。歌を捧げよう。光を届けよう」
高い声が聞いたことのないメロディを紡ぐ。
ジェシカの髪がふわりと揺れる。
魔術陣が光ったと思ったら、その光は宙に浮いた。
瞬く間に、天井に星空が出来ていた。
「おお……」
魔道具ではなく、魔術師が使う魔術は初めて見た。
ユーグが感嘆していると、ジェシカが部屋の照明を消した。そうすると天井の星はより輝いて見える。
「すごいな」
「綺麗でしょ。私、これ気に入ってるのよ」
すごいと評したのはジェシカ自身だったが、彼女は星空だと思ったようだ。誇らしげに天井を見るジェシカにユーグは目を細める。
そういえば、魔術陣と呪文の専門だと聞いた。
魔術院では貴族でないと役職がもらえないらしく、そのために爵位継承ひいては配偶者が必要だったらしい。
制度が違えば、結婚する必要なんてなかったのだろう。
そうしたら、ユーグの顔に興味を持たないジェシカは、ユーグを選ぶことはなかったと思う。
ありもしない状況を想像して少し嫌な気分になり、ユーグは首を振った。
なぜジェシカと出会わなかった可能性を考えたくないのか、その理由には至らなかった。
ベッドは二人で寝ても十分な広さがあった。手を伸ばさなければ触れることもない。
何の気概もなく「おやすみなさい」と言うジェシカに、ユーグは呆れる。
彼女に背を向けてユーグも寝る体勢になった。
少し経ったころ、背後で身じろぎがした。
「ねえ、触ってもいい?」
「は?」
拒否する前に、背中にぴたりとジェシカが抱きついた。
片腕でぎゅっと引き寄せられて、素足が絡む。
背中に柔らかいものが当たる。その体温は勢いで振り払うには心地よすぎた。
「な、なにを」
「ふぅ……」
うなじにジェシカの吐息がかかり、ユーグは震えた。
あらぬところに熱が集まり出すのを、必死にこらえる。
「気持ちいい……」
甘い声が耳を犯す。
「気持ちいいのか?」
馬鹿みたいに繰り返す自分の声は少し上ずっていた。
ジェシカは「ん」と鼻から抜けるような声で答え、
「やっぱり、あなたの魔力、気持ちいい……」
「魔力……」
「あぁ……肩こりが治っていくわ……」
「肩こり……」
ユーグはすっと一気に力が抜けた。
「あのね、昔、母が言ってたのよ。女の子なんだから、抱きつく相手は家族だけにしなさいって。デニスもアンもダメって」
「…………」
「父が亡くなって、もう誰もいなくなってしまって……。別にそれでもいいと思っていたんだけれど、あなたが新しい家族になってくれてうれしい」
ありがとう、とジェシカは言った。
ユーグのうなじに触れた唇は、ちゅっと軽い音を立ててすぐに離れた。
親愛のキスだとわかったけれど、心に刺さった。
ジェシカはユーグの前に回した手をさまよわせた。ユーグはその手を取って握る。
ぎゅっと握り返された力の強さに、ジェシカの寂しさを感じとってユーグは切なくなった。
そうするともう彼女を振り払うことはできなかった。
しばらくして、背後から寝息が聞こえたことを確認して、ユーグはそっとジェシカを離す。
魔術の星の光がジェシカの顔をそっと照らしている。
顔にかかる髪を除け、軽く頬に触れた。
彼女が言うような魔力の相性はわからない。
睫毛の影。少し開いた唇。細い首筋と寝間着の襟ぐりから覗く鎖骨。先ほどまで自分の背中に当たっていた膨らみが呼吸に合わせて上下している。
ゆっくりと視線で辿ってから、ユーグは彼女に布団をかけた。
ジェシカから適度な距離をあけて、ベッドに寝ころぶ。
「契約結婚じゃなかったのか……」
ユーグは深くため息をついた。
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