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結婚契約
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「あなたと私なら都合のいい結婚ができるんじゃない?」
クラリスから提案され、ハリーは慌てた。
「いや、ちょっと待ってくれ」
ハリー自身も考えなかったわけではないが、思いついた側から却下した案だ。それを彼女から出されるとは思ってもみなかった。
「私もあなたも結婚したい。お互いに事情を知っている。学生時代に友人として付き合えたんだから、性格が合わないということもないでしょう?」
「まあ、それはそうだが」
「あとは……魔術師は魔力の相性だったかしら?」
テーブル越しに手を取られて、ハリーは思わず固まる。白くて細いクラリスの指がハリーの手の甲をするりと撫でていった。
「特別良いわけでもないけれど、反発が起こるほど悪くもないわね。あなたはどう思う?」
「魔力の相性についてなら悪くないと思うが、結婚については待ってくれないか」
「どうして?」
「いや、どうしてって。……君は俺のことが好きだったりする、のか……?」
恐る恐る尋ねると、クラリスはあっさりと首を振った。わかっていたことだったが、それでもハリーは内心で肩を落とす。
「恋愛って意味なら違うけれど、友人としては好ましく思っているわ」
あのね、とクラリスは人差し指を立てる。こんな仕草は学生時代と変わらない。
「結婚って日常生活なのよ。ふわふわキラキラしたものだけでできているわけじゃないわ。そこに必要な情って、恋情ではなく友情でも構わないと思うの。信頼できる相手で、何かあっても話し合いで解決できそうな相手と考えると、あなたはこれ以上ない同居人だと思う」
「同居人ね……」
それにはハリーも賛成だけれど……。
「一年二年でまた離婚になるなら、俺にとっては意味がない」
「私にとってもそうよ。できるだけ長く続けたいわ」
「……それはもう同居じゃなくて結婚だろう?」
「ええ。だから、最初から結婚しましょうって言っているわ」
クラリスはきっぱりと言う。
彼女はやけになっているのではないか。
結婚なんて思い付きで決めていいことではない。自分だけの話ならともかく、クラリスの話なのだ。
ハリーは意を決して、口を開く。
「俺は、学生時代、君に憧れを抱いていたよ。婚約者がいるって聞いてすぐにあきらめたけれどね。高嶺の花が今になって目の前に落ちてきて、手を出さないでいられる自信がない。君と俺の『都合がいい』は等価ではないよ」
クラリスはハリーの告白に驚いていた。
「君は俺に抱かれるのは平気なのか?」
「………………」
クラリスはしばし絶句した。
これできっとこの話は終わりになる。
ハリーはそう思って、彼女の返事を待っていたのだが、考え込んだ彼女が出した結論はこうだった。
「あなたなら平気だと思う。生理的嫌悪感もないし……。一緒に暮らせると思えるほど信頼しているなら、他の人に見せないところまで見せることもできると思うわ」
「なっ……君は俺とできるって言うのか? 俺に恋愛感情はないのに?」
「誤解しないで! 誰とでもってわけじゃないわ」
クラリスは真っ赤になって否定する。
「あなたとだって積極的にしたいわけじゃない。あなたがしたいなら応えられると思うっていうだけ」
「俺が特別ってわけではないんだな……」
「そうね……そうなるわね……私の特別はもう……」
クラリスははっとした顔で、
「ごめんなさい。私、失礼なことを言っているわ」
「いや、いいよ」
今の彼女に対して恋愛感情があるわけではないけれど、二度目の失恋をした気分だった。
彼女を助けたい。自分なら助けられる。彼女からも請われている。
――そういう正の感情と同時に意趣返ししたい衝動も手伝って、ハリーはこう答えていた。
「わかった。結婚しよう」
それからは早かった。
数日のうちに婚姻届を用意し、仕事を調整してハリーはクラリスの実家を訪問した。
彼女の兄ウォルト・アンダーソン子爵の立ち合いのもと、婚姻届に署名する。
子爵にはおおむね本当のことを話してある。
学生時代の友人だったこと。魔術契約士であること。特許を持っていること。貴族としては底辺だが、国家資格を得た際に騎士爵に叙されていることなどから、なんとか理解してもらった。
――貴族相手にあっては、社会的立場はものを言う。
「クラリスが納得しているなら、犯罪の懸念があるならともかく、もう大人だから私がとやかく言うことでもない」
ウォルトはあきらめ半分といった様子でそう言った。四十前後の柔和な顔つきの紳士だ。
アンダーソン子爵名義で送った断りの手紙に、今だにラッセルから返事はないらしい。長引きそうだとウォルトも感じたそうで、その点からもハリーとの再婚は受け入れられた。
ハリーの離婚歴も取りざたされた。
「一度目は相手が私の秘書と駆け落ちしまして、二度目も相手から別に好きな人ができたからと離婚を切り出され……という具合です」
「君は女性に逃げられるようには見えないが」
そう言ったウォルトは、ハリーの不貞などを予想していたのだろう。
女性受けが悪くない容姿だと自覚してはいる。だから離婚の原因が相手にあると話すと驚かれるのだ。
ハリーは茶化すように肩をすくめてみせた。
「家庭に向かないんですよ」
「私の好きな人はもう手が届かないところにいるから、私は逃げたりしないわ」
「期待しているよ」
クラリスの言にハリーが笑うと、ウォルトは微妙な顔をした。
「二人がそれでいいなら、私が言うことはないがなぁ」
婚姻届のあと、ハリーは魔術契約書を取り出した。
指輪を二つ、その上に乗せる。
「これは?」
クラリスには説明済みで、首を傾げたのはウォルトだけだ。
「私が王都で名を上げたきっかけが、この結婚契約です」
「結婚契約? 初めて聞くなぁ」
一度目の離婚のあとに考案した魔術契約で、ハリーの持つ特許はこの契約に使う魔道具だ。
「この指輪は魔道具です。結婚を続けられないと思ったとき、相手が持つ指輪の石の色が変わって知らせます」
ハリーは契約書の条文を指さす。
「どちらかの魔道具の色が変わったときには速やかに話し合いを持つ。話し合いのあとも気持ちが変わらない場合は離婚する。――期間や罰則は夫婦ごとに変えますが、これが結婚契約です」
仲人や互いの実家など、第三者にも伝わるようにする場合もある。
罰則は、金銭よりも、声が出なくなったり四肢に異常が現れたりといった身体に関わるものが主流だ。契約を履行するか破棄すれば元に戻る。魔術契約は古代魔術の呪いの流れを汲むため、不穏な面がある。だからこそ国家資格がないと就けない職だった。
「これは一番標準的な契約です。話し合いの期間は三か月、罰則は声が出なくなる。――ご希望があれば今ここで書き直しますのでおっしゃってください」
ウォルトはクラリスに目を向けた。
「妹が了承しているなら、私から付け足すことはない」
「それでは」
ハリーは自ら署名し、ソファの隣に座るクラリスにペンと書類を渡す。
クラリスは『クラリス・フォーグラフ』と署名した。家名を書くときに一瞬彼女の手が止まったことに気づき、やはり彼女の方がより負担が大きい結婚だったとハリーは改めて思った。
「これでいいかしら」
「ああ、ありがとう」
ハリーは二人の署名がそろった書類を目の前に置く。
自分の魔術契約を行うのは久しぶりだ。前回の離婚時に、結婚契約を解除して以来になる。
書類の下部に魔術陣を描いた。
「木蓮の白、樅の葉が刺す藍。古の潮流を辿り、魔術契約士ハリー・フォーグラフが宣言する。この札に名前を記せし両名、契約をなす。大地よ、大海よ、大気よ。見届けよ」
呪文を唱えると魔術陣が光る。
息を飲んだのはウォルトだろう。
光は一瞬で消えた。魔術陣の黒だったインクは藍色に変わっている。魔術契約が成功した証だった。
ハリーは自分用の指輪を自ら嵌め、クラリスに一方を渡した。
ハリーが持つのは赤い石、クラリスの方は藍色の石がついている。相手の気持ちが変わったときは石が白くなる。常時起動の魔術陣は小さくて済むため、日常の邪魔にならない程度の大きさだ。
「まあ」
クラリスは小さく声を上げて、くすりと笑う。
「たぶん、そういうところね」
「え?」
聞き返すハリーにクラリスは左手を差し出した。薬指には華奢な白金の指輪が嵌っている。前夫エルトン・レインとの結婚指輪だ。
さすがのハリーも理解する。
「なるほど」
どの指か少し迷った末、ハリーは彼女の薬指に二つ目の指輪を嵌めたのだ。
クラリスから提案され、ハリーは慌てた。
「いや、ちょっと待ってくれ」
ハリー自身も考えなかったわけではないが、思いついた側から却下した案だ。それを彼女から出されるとは思ってもみなかった。
「私もあなたも結婚したい。お互いに事情を知っている。学生時代に友人として付き合えたんだから、性格が合わないということもないでしょう?」
「まあ、それはそうだが」
「あとは……魔術師は魔力の相性だったかしら?」
テーブル越しに手を取られて、ハリーは思わず固まる。白くて細いクラリスの指がハリーの手の甲をするりと撫でていった。
「特別良いわけでもないけれど、反発が起こるほど悪くもないわね。あなたはどう思う?」
「魔力の相性についてなら悪くないと思うが、結婚については待ってくれないか」
「どうして?」
「いや、どうしてって。……君は俺のことが好きだったりする、のか……?」
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「恋愛って意味なら違うけれど、友人としては好ましく思っているわ」
あのね、とクラリスは人差し指を立てる。こんな仕草は学生時代と変わらない。
「結婚って日常生活なのよ。ふわふわキラキラしたものだけでできているわけじゃないわ。そこに必要な情って、恋情ではなく友情でも構わないと思うの。信頼できる相手で、何かあっても話し合いで解決できそうな相手と考えると、あなたはこれ以上ない同居人だと思う」
「同居人ね……」
それにはハリーも賛成だけれど……。
「一年二年でまた離婚になるなら、俺にとっては意味がない」
「私にとってもそうよ。できるだけ長く続けたいわ」
「……それはもう同居じゃなくて結婚だろう?」
「ええ。だから、最初から結婚しましょうって言っているわ」
クラリスはきっぱりと言う。
彼女はやけになっているのではないか。
結婚なんて思い付きで決めていいことではない。自分だけの話ならともかく、クラリスの話なのだ。
ハリーは意を決して、口を開く。
「俺は、学生時代、君に憧れを抱いていたよ。婚約者がいるって聞いてすぐにあきらめたけれどね。高嶺の花が今になって目の前に落ちてきて、手を出さないでいられる自信がない。君と俺の『都合がいい』は等価ではないよ」
クラリスはハリーの告白に驚いていた。
「君は俺に抱かれるのは平気なのか?」
「………………」
クラリスはしばし絶句した。
これできっとこの話は終わりになる。
ハリーはそう思って、彼女の返事を待っていたのだが、考え込んだ彼女が出した結論はこうだった。
「あなたなら平気だと思う。生理的嫌悪感もないし……。一緒に暮らせると思えるほど信頼しているなら、他の人に見せないところまで見せることもできると思うわ」
「なっ……君は俺とできるって言うのか? 俺に恋愛感情はないのに?」
「誤解しないで! 誰とでもってわけじゃないわ」
クラリスは真っ赤になって否定する。
「あなたとだって積極的にしたいわけじゃない。あなたがしたいなら応えられると思うっていうだけ」
「俺が特別ってわけではないんだな……」
「そうね……そうなるわね……私の特別はもう……」
クラリスははっとした顔で、
「ごめんなさい。私、失礼なことを言っているわ」
「いや、いいよ」
今の彼女に対して恋愛感情があるわけではないけれど、二度目の失恋をした気分だった。
彼女を助けたい。自分なら助けられる。彼女からも請われている。
――そういう正の感情と同時に意趣返ししたい衝動も手伝って、ハリーはこう答えていた。
「わかった。結婚しよう」
それからは早かった。
数日のうちに婚姻届を用意し、仕事を調整してハリーはクラリスの実家を訪問した。
彼女の兄ウォルト・アンダーソン子爵の立ち合いのもと、婚姻届に署名する。
子爵にはおおむね本当のことを話してある。
学生時代の友人だったこと。魔術契約士であること。特許を持っていること。貴族としては底辺だが、国家資格を得た際に騎士爵に叙されていることなどから、なんとか理解してもらった。
――貴族相手にあっては、社会的立場はものを言う。
「クラリスが納得しているなら、犯罪の懸念があるならともかく、もう大人だから私がとやかく言うことでもない」
ウォルトはあきらめ半分といった様子でそう言った。四十前後の柔和な顔つきの紳士だ。
アンダーソン子爵名義で送った断りの手紙に、今だにラッセルから返事はないらしい。長引きそうだとウォルトも感じたそうで、その点からもハリーとの再婚は受け入れられた。
ハリーの離婚歴も取りざたされた。
「一度目は相手が私の秘書と駆け落ちしまして、二度目も相手から別に好きな人ができたからと離婚を切り出され……という具合です」
「君は女性に逃げられるようには見えないが」
そう言ったウォルトは、ハリーの不貞などを予想していたのだろう。
女性受けが悪くない容姿だと自覚してはいる。だから離婚の原因が相手にあると話すと驚かれるのだ。
ハリーは茶化すように肩をすくめてみせた。
「家庭に向かないんですよ」
「私の好きな人はもう手が届かないところにいるから、私は逃げたりしないわ」
「期待しているよ」
クラリスの言にハリーが笑うと、ウォルトは微妙な顔をした。
「二人がそれでいいなら、私が言うことはないがなぁ」
婚姻届のあと、ハリーは魔術契約書を取り出した。
指輪を二つ、その上に乗せる。
「これは?」
クラリスには説明済みで、首を傾げたのはウォルトだけだ。
「私が王都で名を上げたきっかけが、この結婚契約です」
「結婚契約? 初めて聞くなぁ」
一度目の離婚のあとに考案した魔術契約で、ハリーの持つ特許はこの契約に使う魔道具だ。
「この指輪は魔道具です。結婚を続けられないと思ったとき、相手が持つ指輪の石の色が変わって知らせます」
ハリーは契約書の条文を指さす。
「どちらかの魔道具の色が変わったときには速やかに話し合いを持つ。話し合いのあとも気持ちが変わらない場合は離婚する。――期間や罰則は夫婦ごとに変えますが、これが結婚契約です」
仲人や互いの実家など、第三者にも伝わるようにする場合もある。
罰則は、金銭よりも、声が出なくなったり四肢に異常が現れたりといった身体に関わるものが主流だ。契約を履行するか破棄すれば元に戻る。魔術契約は古代魔術の呪いの流れを汲むため、不穏な面がある。だからこそ国家資格がないと就けない職だった。
「これは一番標準的な契約です。話し合いの期間は三か月、罰則は声が出なくなる。――ご希望があれば今ここで書き直しますのでおっしゃってください」
ウォルトはクラリスに目を向けた。
「妹が了承しているなら、私から付け足すことはない」
「それでは」
ハリーは自ら署名し、ソファの隣に座るクラリスにペンと書類を渡す。
クラリスは『クラリス・フォーグラフ』と署名した。家名を書くときに一瞬彼女の手が止まったことに気づき、やはり彼女の方がより負担が大きい結婚だったとハリーは改めて思った。
「これでいいかしら」
「ああ、ありがとう」
ハリーは二人の署名がそろった書類を目の前に置く。
自分の魔術契約を行うのは久しぶりだ。前回の離婚時に、結婚契約を解除して以来になる。
書類の下部に魔術陣を描いた。
「木蓮の白、樅の葉が刺す藍。古の潮流を辿り、魔術契約士ハリー・フォーグラフが宣言する。この札に名前を記せし両名、契約をなす。大地よ、大海よ、大気よ。見届けよ」
呪文を唱えると魔術陣が光る。
息を飲んだのはウォルトだろう。
光は一瞬で消えた。魔術陣の黒だったインクは藍色に変わっている。魔術契約が成功した証だった。
ハリーは自分用の指輪を自ら嵌め、クラリスに一方を渡した。
ハリーが持つのは赤い石、クラリスの方は藍色の石がついている。相手の気持ちが変わったときは石が白くなる。常時起動の魔術陣は小さくて済むため、日常の邪魔にならない程度の大きさだ。
「まあ」
クラリスは小さく声を上げて、くすりと笑う。
「たぶん、そういうところね」
「え?」
聞き返すハリーにクラリスは左手を差し出した。薬指には華奢な白金の指輪が嵌っている。前夫エルトン・レインとの結婚指輪だ。
さすがのハリーも理解する。
「なるほど」
どの指か少し迷った末、ハリーは彼女の薬指に二つ目の指輪を嵌めたのだ。
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