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20 風花とヒカル
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靖が玲の病室に戻ってきた後、玲が目を覚ましている事に気が付き看護婦さんを呼んだ
ひと通り検査が終わった後、あの日の夜にあった事を靖は聞いて口をポカーンと開けて驚いた
「風花が古妖怪と血の契約?」
「ああ、ごめん。俺なにも出来なくて…」
玲は悔しそうに俯くと靖は頭をぐしゃぐしゃとかきだした
なにやってんだ!?あいつは!!
妖狼が言ってた血が入ったという意味は血の契約の事だったのか
記憶が消されているから、妖怪の事を聞いてもあの反応なのだと納得出来た
「風花は今どこに?」
「あーヒカルの屋敷でレオンさんについてもらっている。その古妖怪の血を狙って雑魚どもに狙われてる…」
玲は苦痛な顔をして、起き上がろうとするが肋骨が痛みうずくまる
靖は玲を優しくベットに寝かせ
「お前は早く身体を治せ。俺がなんとかするから」
玲は痛みに耐え呼吸が少し荒くなっているのを整えながら靖の腕を掴かんだ
「兄さん…俺が治るまで抜けがけはしないでよ…」
挑戦的な瞳で靖を睨むと、靖は薄らと笑い
「ばぁか、あんな奴なんとも思ってねーよ」
靖を掴んでいる玲の手をゆっくりはがし、玲のお腹の上に置くとまた来ると言って病室を出て行き、ヒカルの屋敷に向かった
その頃、風花はレオンさんに部屋を案内されていた
「ここが風花さまのお部屋になります」
案内された部屋は中世ヨーロッパ風の20畳はあるだろう空間
贅沢な装飾にテーブルとイスと小さなチェストと観葉植物のみ、隣には寝室とシャワー室がある
本当にここに泊まるとなると着替えとかないので、取りに帰らなくてはいけない
風花は自分が妖怪?ってのに狙われているのはまだ半信半疑だった
靖が帰ってきたら詳しく聞こう
一時してヒカルが大きなトランクを持って部屋に入って来た
風花の前にドサっと置くと中身はパジャマや下着、タオルに基礎化粧品等々
「全部新品だから、使ってね」
笑顔で箱の中身の説明をしながら私にポンポン渡していく
「ちょ、ちょっと!」
本気で泊まれって事ね…
風花は顔引き攣らせ説明を聞いていた
「風花さんは靖とただの友達なのですか?」
風花の両手はヒカルから渡された荷物で一杯になった所でヒカルに聞かれ、ただの友達っという言葉に少し引っかかるが…
「あ、はい。同じ大学の先輩で弟さんが同じ学科です」
「玲もご存じなのですね…玲とはどういった関係で?」
ヒカルはさっきまでの優しい微笑みの中に少し瞳を曇らせる
「どういったって…同級生?でしょうか?」
「…本当に?」
風花はヒカルの目が笑ってない事に気が付き、妙な圧力を感じてコクリと頷いた
「そう…」とヒカルは小さな声でつぶやき
パッと笑顔に戻る
「うちに露天風呂があるの!良かったら一緒に入りましょう!準備して来るね」
私が返事をする前にまた後でね!とヒカルは部屋を出ていく
外はもう夕方になっていた
なかなか靖が帰って来ないので、風花はヒカルと何故かお風呂に入ることになってしまった
館の園庭から少し離れた所に小さな離れの様な小屋があり、そこに露天風呂があるらしい
「父の趣味なのよ」
「へ、へー」
趣味で露天風呂作るとか、金持ちには間違いない…
風花は呆れた様にハハと笑う
ヒカルと露天風呂を見に行くとまったく趣味レベルを通り越した青白い濁り湯の露天風呂がドーンとあった
これ、ちょっとした旅館の離れ宿じゃないの?
「凄いでしょー!さ、入ろ?」
「え、あーうん。ちょっとお手洗い行くからヒカルさん先に入ってて」
「…はーい」
風花がトイレに行っている間にヒカルは脱衣所で服を脱ぎ、先に露天風呂に入った
後からいそいそとお風呂の準備をして風花も露天風呂に向かう
既に身体を洗い露天風呂に入っているヒカルはブロンドの長い髪をアップに束ね露天風呂でくつろいでいた
風花も身体を洗いタオルを一枚持って露天風呂に近づくと、ヒカルが全裸の風花の姿を確認して頬を染めてニコリと微笑む
「風花さん…いい体してますね」
突然体を褒められ、風花は照れながらお湯に浸かった
露天風呂のお湯は温泉ではないが、とてもいい香りがする入浴剤がたっぷり入っているようで少しトロトロの湯だった
ヒカルが風花に近づき、手が当たるか当たらないか位に肩に添わせ撫でる
その手つきが妙に色っぽく、くすぐったいので風花顔を赤くし
「ヒカルさん、や、やめて下さい…」
身体を背けて少し離れる
ヒカルはくすっと笑いまた徐々に距離を縮めて手を風花に伸ばす
「風花さんの肌綺麗だね」
露天風呂のお湯のせいか、ヒカルが妙に色っぽく艶めいた瞳で見つめられ風花は身の危険を感じ出した
「!!?」
風花を触るヒカルの手がだんだんと肩から下に下がっていくのを感じ
思わず距離を取る
その瞬間、どこからかイタチのような狐のような白く半透明な動物が飛び込んできてヒカルを襲った
ヒカルは小さく何か呪文を唱えそれを弾き飛ばし、露天風呂の入り口を睨む
「式神を人間に向けて攻撃させてはいけないと、教わらなかったかな?靖」
露天風呂の入り口からスッと靖が現れ、顔を引き攣らせてヒカルを睨み返した
風花は驚き露天風呂のお湯に体を沈め隠し
「ちょ!ちょっと!!そんな堂々と覗きとかないでしょ!?」
顔を真っ赤にして抗議する風花に対し、靖は額に青筋を浮かばせてビシッとヒカルを指さし
「バカか?お前。こいつ!男だ!!」
「へ?」
風花はバッとヒカルを見るとニヤニヤとほくそ笑んでいた
ひと通り検査が終わった後、あの日の夜にあった事を靖は聞いて口をポカーンと開けて驚いた
「風花が古妖怪と血の契約?」
「ああ、ごめん。俺なにも出来なくて…」
玲は悔しそうに俯くと靖は頭をぐしゃぐしゃとかきだした
なにやってんだ!?あいつは!!
妖狼が言ってた血が入ったという意味は血の契約の事だったのか
記憶が消されているから、妖怪の事を聞いてもあの反応なのだと納得出来た
「風花は今どこに?」
「あーヒカルの屋敷でレオンさんについてもらっている。その古妖怪の血を狙って雑魚どもに狙われてる…」
玲は苦痛な顔をして、起き上がろうとするが肋骨が痛みうずくまる
靖は玲を優しくベットに寝かせ
「お前は早く身体を治せ。俺がなんとかするから」
玲は痛みに耐え呼吸が少し荒くなっているのを整えながら靖の腕を掴かんだ
「兄さん…俺が治るまで抜けがけはしないでよ…」
挑戦的な瞳で靖を睨むと、靖は薄らと笑い
「ばぁか、あんな奴なんとも思ってねーよ」
靖を掴んでいる玲の手をゆっくりはがし、玲のお腹の上に置くとまた来ると言って病室を出て行き、ヒカルの屋敷に向かった
その頃、風花はレオンさんに部屋を案内されていた
「ここが風花さまのお部屋になります」
案内された部屋は中世ヨーロッパ風の20畳はあるだろう空間
贅沢な装飾にテーブルとイスと小さなチェストと観葉植物のみ、隣には寝室とシャワー室がある
本当にここに泊まるとなると着替えとかないので、取りに帰らなくてはいけない
風花は自分が妖怪?ってのに狙われているのはまだ半信半疑だった
靖が帰ってきたら詳しく聞こう
一時してヒカルが大きなトランクを持って部屋に入って来た
風花の前にドサっと置くと中身はパジャマや下着、タオルに基礎化粧品等々
「全部新品だから、使ってね」
笑顔で箱の中身の説明をしながら私にポンポン渡していく
「ちょ、ちょっと!」
本気で泊まれって事ね…
風花は顔引き攣らせ説明を聞いていた
「風花さんは靖とただの友達なのですか?」
風花の両手はヒカルから渡された荷物で一杯になった所でヒカルに聞かれ、ただの友達っという言葉に少し引っかかるが…
「あ、はい。同じ大学の先輩で弟さんが同じ学科です」
「玲もご存じなのですね…玲とはどういった関係で?」
ヒカルはさっきまでの優しい微笑みの中に少し瞳を曇らせる
「どういったって…同級生?でしょうか?」
「…本当に?」
風花はヒカルの目が笑ってない事に気が付き、妙な圧力を感じてコクリと頷いた
「そう…」とヒカルは小さな声でつぶやき
パッと笑顔に戻る
「うちに露天風呂があるの!良かったら一緒に入りましょう!準備して来るね」
私が返事をする前にまた後でね!とヒカルは部屋を出ていく
外はもう夕方になっていた
なかなか靖が帰って来ないので、風花はヒカルと何故かお風呂に入ることになってしまった
館の園庭から少し離れた所に小さな離れの様な小屋があり、そこに露天風呂があるらしい
「父の趣味なのよ」
「へ、へー」
趣味で露天風呂作るとか、金持ちには間違いない…
風花は呆れた様にハハと笑う
ヒカルと露天風呂を見に行くとまったく趣味レベルを通り越した青白い濁り湯の露天風呂がドーンとあった
これ、ちょっとした旅館の離れ宿じゃないの?
「凄いでしょー!さ、入ろ?」
「え、あーうん。ちょっとお手洗い行くからヒカルさん先に入ってて」
「…はーい」
風花がトイレに行っている間にヒカルは脱衣所で服を脱ぎ、先に露天風呂に入った
後からいそいそとお風呂の準備をして風花も露天風呂に向かう
既に身体を洗い露天風呂に入っているヒカルはブロンドの長い髪をアップに束ね露天風呂でくつろいでいた
風花も身体を洗いタオルを一枚持って露天風呂に近づくと、ヒカルが全裸の風花の姿を確認して頬を染めてニコリと微笑む
「風花さん…いい体してますね」
突然体を褒められ、風花は照れながらお湯に浸かった
露天風呂のお湯は温泉ではないが、とてもいい香りがする入浴剤がたっぷり入っているようで少しトロトロの湯だった
ヒカルが風花に近づき、手が当たるか当たらないか位に肩に添わせ撫でる
その手つきが妙に色っぽく、くすぐったいので風花顔を赤くし
「ヒカルさん、や、やめて下さい…」
身体を背けて少し離れる
ヒカルはくすっと笑いまた徐々に距離を縮めて手を風花に伸ばす
「風花さんの肌綺麗だね」
露天風呂のお湯のせいか、ヒカルが妙に色っぽく艶めいた瞳で見つめられ風花は身の危険を感じ出した
「!!?」
風花を触るヒカルの手がだんだんと肩から下に下がっていくのを感じ
思わず距離を取る
その瞬間、どこからかイタチのような狐のような白く半透明な動物が飛び込んできてヒカルを襲った
ヒカルは小さく何か呪文を唱えそれを弾き飛ばし、露天風呂の入り口を睨む
「式神を人間に向けて攻撃させてはいけないと、教わらなかったかな?靖」
露天風呂の入り口からスッと靖が現れ、顔を引き攣らせてヒカルを睨み返した
風花は驚き露天風呂のお湯に体を沈め隠し
「ちょ!ちょっと!!そんな堂々と覗きとかないでしょ!?」
顔を真っ赤にして抗議する風花に対し、靖は額に青筋を浮かばせてビシッとヒカルを指さし
「バカか?お前。こいつ!男だ!!」
「へ?」
風花はバッとヒカルを見るとニヤニヤとほくそ笑んでいた
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