異世界に飛ばされたら守護霊として八百万の神々も何故か付いてきた。

いけお

文字の大きさ
84 / 87

番外編6 護と天照の巻き添えを受ける方々

しおりを挟む
本当に久しぶりの番外編です。



「これは、由々しき事態です。天照さんが神としての力を取り戻したのは喜ばしいのですが、これでは私達が堪ったものでは有りません」

「確かにチィの言う通りだね、天照は護から奪われた分の生気や神気を取り戻せるから幾らでも相手出来るけど私達は奪われたままだしね・・・」

「そういえば水と風に会う事は出来ましたかヒメ?」

「うん、会う事は出来たのだけど四龍の身も心も虜にする男には近付きたくないって言ってたよヒカリ。それに・・・」

「それに?」

「『人との間に産まれた子がその後どれほどの苦難の歴史を歩んできたか私達を見てきて知っている筈だ。悪い事は言わぬ、想いを捨て元の生活に戻るのだ』とも言われちゃった」

ヤミ・チィ・ヒカリ・ヒメの4人は露天風呂で外の景色を眺めながら考えさせられる、水と風は人間の女性と愛し合い子を生したが子供達は迫害され辺境に追いやられた。水と風の二龍は自分達が先祖だという事も忘れてしまった子孫を守る為に住処を辺境としている。ニ龍の懸念は護と接触する事で愛した女性とその血を受け継ぐ子孫への想いが薄れてしまわないかという恐れなのだ。

「護だったら『それならヤミ達と俺の間で生まれた子と愛し合う者だって出てくる可能性も有る、このまま誰とも接触しない生活を選んでいたらいずれはこの世界に住む場所が無くなってしまうから、他の種族と歩み寄るキッカケを作ってあげる方が本当の子孫の為に出来る事じゃないのか?』っなんて言いそうだよね」

「言いそう言いそう」

それからしばらくの間、護についての話題に花を咲かせていた4人は急に冷静さを取り戻した。

「さて、今晩の護の相手はどなたがしているのですか?」

「サーリア達、クラローの娘達よ」

「それじゃあ、1時間も保たないじゃないですか!?」

「一応、クトアやエマも控えていますけど焼け石に水でしょうね・・・。やはり最終的には天照さんに託すしか有りません」

「護は一体何になってしまうのかな?神や龍を超える存在なんて想像出来ないよ・・・」




「なあ、陰。この展開をどう見る?」

『どう見る?って言われても、我々の予想を外れてますよ完全に』

「レミアというイレギュラーな存在が、ここまで我々の予想を裏切る事態を引き起こしてくれるとは流石に無視出来なくなってきたな」

『そうですね、神守 護に神気や龍気を吸収させる技を深層心理に植え付け天照や龍族の者達を弱体化させる目論見が崩れ始めています』

「それはそうなんだが、1番の問題はこっちだ」

そう言うと陽は陰に先だっての天照の真サキュバス化の時の様子を映し出した。

『これが一体何か?』

「俺達、異世界の神々を狂喜しながら銃で撃ち殺す様には創っていない筈なんだが・・・」

『以前、神守 護が銃の射撃大会を開催して以降ああなってしまったみたいですが』

「トリガーハッピーで人が変わる神なんてシャレにならんぞ、何とかして元に戻してやらんと後々まずくないか?」

『しかし、ここまで人格が変わってしまうと修正するのも一苦労ですよ』

(ふふふ・・・ようやく見つけた)

「誰だ!?」

陽と陰は2人だけしか居ない空間に突如響く声に驚いた。

(そこまで驚く必要は無いでしょ、あなた達の予想を裏切るイレギュラーな存在が護よりも先にここを見つけても不思議じゃないと思えなかったの?)

「まさか・・・まさか、お前はレミア!?」

(当たり、今日は声だけで挨拶に来たけどスパウダとの争いが一段落したら護や天照を連れてくるわね。その時は2人共干からびるまで私と天照でお相手させて頂くわ、その力を全て吸い尽くしてあげる。他人の人生を弄ぶ創作者(メイカー)さんも最期くらいは他人に弄ばれてみるのがお似合いよ・・・)

徐々に遠ざかるレミアの声を聞きながら、2人は初めて恐怖を覚えた。その気になれば何時でも命を奪いに来る死神が箱庭の1つで生まれている、それが生まれるキッカケを作り出したのは自分達なのだ。箱庭の住人の手によって裁かれる時が来た、そう悟らざるをえなかった。

「レミア、急に動かなくなったがどうしたのだ!?」

「そうだよ、君に何か有ったら死んでも死に切れない」

「ごめんなさいね、タケミカヅチ・ラメル。少しだけ2人のお馬鹿さんにお灸を据えてきた所だったの」

「「お灸を据える?」」

「さあ、この話はお終い!まだ朝まで時間はたっぷりと有るわ、今晩も私が満足するまで愛して下さいね旦那様♪」

タケミカヅチとラメルの負けられない戦いの火蓋が今夜も切って落とされた、しかし当然ながらレミア相手に2人共コールド負けする事となる・・・。



【スライムばかり食べてた俺は、今日から少し優雅な冒険者生活を始めます。 】という作品を新たに書き始めております。試しに読んで頂いて感想やご意見を聞かせてくださると今後の作品作りに活かせるので大変有り難いです。
しおりを挟む
感想 97

あなたにおすすめの小説

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

1000年生きてる気功の達人異世界に行って神になる

まったりー
ファンタジー
主人公は気功を極め人間の限界を超えた強さを持っていた、更に大気中の気を集め若返ることも出来た、それによって1000年以上の月日を過ごし普通にひっそりと暮らしていた。 そんなある時、教師として新任で向かった学校のクラスが異世界召喚され、別の世界に行ってしまった、そこで主人公が色々します。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...