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第1章~全ての原因は魔王の所為だった~
第4話 旅立ちの時・・・結局押し切られました。
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彼女はいまだに1人で予定を決めているので、自分は水魔の方にさっき受け取った剣を返していた。
「自分には女の子を斬る事は出来ないから返すよ、最初に置いてあった祠にでも戻しておいてください。 何故か親近感沸いちゃって、あなた達とも争いたくはないですから・・・」
『実をいうとワシらもアンタが徐々に同族みたいに思えてきてたんだよ、魔王様に初対面なのに一方的に押し切られてしまう部分とか』
「殺されかけた自分が言うのもアレだけど、大分彼女には苦労させられてました?」
『よくぞ聞いてくださった! 毎度の食事を豪華な物にするようにだとか、入浴施設を作れだとか、寝室には一杯ヌイグルミを置かされましたな・・・・わざわざ変身させた者にヒト種の街まで買いに行かせて』
たくさんのヌイグルミに囲まれた魔王の寝室・・・違和感ありまくりだなそれ
「多分というかほぼ間違いなくですけど、自分は彼女に連れて行かれちゃうと思うんですが1つだけお願いしてもいいですか?」
『今のワシらじゃ出来る事に限りが有るが聞いても良いぞ』
「一応自分も男なんで、女の子に四六時中守ってもらうと流石にプライドがボロボロになってしまうから何か護身用でも良いので何か武器を頂けませんか?」
『さきほどの剣では駄目なのか?』
「駄目ですね」 即答したら不思議そうに見てくるから、個人的な見解を話す事にした。
「さきほどの剣を持っていると、自分が勇者だと知られてしまいます。 ヒトだけでなく魔族の街なども彼女の気分次第で行くかもしれません。 ただそうなって自分は勇者で彼女が魔王だと分かるとヒトや魔族、両方で争いが起きてしまう可能性が十分に有ります。 ですから、2人の正体にすぐに気付かれない様にあの剣は持っていくべきではないのです」
『・・・そうか分かった、無いよりはマシだと思うから幾つか持っていけ。 ただ、おぬしの様にHPやMPに防御が異常に高くて他が赤ん坊並って奴は初めてだからかなり趣味的な魔道具になってしまうがこの杖と指輪を持っていけ』
「頂けるだけで本当に有り難いです、この杖はどんな杖ですか?」
『それは水玉杖といって、MP1でバケツ1杯分位の大きさの水の玉を飛ばせる杖だ。 MPが続く限り連続で撃てるけれどもダメージはそれほど期待出来ない。 だが威嚇等には使えるだろう』
これ・・・使い方次第で物凄く凶悪な効果出るよ絶対。 実際、すぐにあるグロい方法を思い付いたし。
「自分向きの杖ですね、こちらの指輪はどうなんですか?」
『この指輪は水癒の指輪だ、ヒールの効果しかないがMPの消費する量を調節する事で指輪を中心に効果範囲を広げる事が可能だ。 あと、この指輪は水魔の信用の証でも有るからもしも水魔族に出会う事が有っても攻撃される事は無いだろう。 ・・・尤も攻撃する前に隣に居るであろう魔王様を見て恐怖するか誅されているだろうがな』
両方とも、自分のこの異常なMPを最大限活かせる魔道具だな。 有り難い
『あとこちらからもお願いなのだが我々にもしもの時が有った際に、すぐに連絡が出来る様に使い魔を1人おぬしの影に潜ませてはもらえぬか?』
「いいですけど、どなたになりますか?」
『こいつじゃ、名前はドロップ。 普段は親指大でいるようにさせるが、馬にも変身出来るからもし馬車を使う様な時は頼むが良かろう』
「ありがとう、よろしくなドロップ」
(よろしくお願いしますヤマト様)
『まず無いと思うが、本当に危険が迫ったと判断したらドロップは本来の姿に戻り2人をきっと助けてくれるじゃろう。 本来の姿は今は知らない方が懸命だ』
そう言われると凄く気になってしまうが、今のところはいいだろう。
『ちょっと、ヤマト! 今2人のこれからの夫婦生活の話をしているのに何をぼんやりしているのです!?』
あ、セシルさんの事すっかり忘れてた・・・って夫婦!? いつの間にか1人でそこまで勝手に話進めてるよ~!!!
「あの・・・セシルさん? 夫婦って・・・僕ら勇者と魔王ですよ?」
『あら2人の愛に何の不都合が有るのですか?』
「ちょっと待て~い! 何時の間に結婚まで話が飛躍しちゃっているの!?」
『婚姻前の異性2人が寝屋を共にして旅をする、これは立派な婚前旅行ではありませんか?』
ヤヴァい!? 想像以上にぶっとんだ女の子だセシルさん・・・・。
『これから2人で導きあって共に分かり合っていけば良いのですわ。 そろそろ出ないと折角の初夜を野宿で迎えてしまう事になりかねませんわ急ぎましょうヤマト!』
腕を引っ張られ引きずられていく自分を水魔の皆さんが合掌して見送ってる・・・・。 こんな女の子の下で頑張ってきていた水魔の方を尊敬しそうになったが、まずは今夜の自分の貞操を守る事から始めないと。 あと何か1つ大事な事を忘れているような・・・そうだお金!?
「セシルさん! お金、まだ受け取ってないですよね? 無一文でどうやって旅をするんですか!?」
『無一文・・・愛する2人に早くも障害が起こっているのね。 大丈夫!2人の愛できっと打ち勝っていけますわ!』
「少しは自分の話を聞いてくれ~!!!!!!」
異世界に召喚された初日に、なぜか魔王と無一文で旅を始める事になってしまった・・・誰か俺を助けに来てください orz
「自分には女の子を斬る事は出来ないから返すよ、最初に置いてあった祠にでも戻しておいてください。 何故か親近感沸いちゃって、あなた達とも争いたくはないですから・・・」
『実をいうとワシらもアンタが徐々に同族みたいに思えてきてたんだよ、魔王様に初対面なのに一方的に押し切られてしまう部分とか』
「殺されかけた自分が言うのもアレだけど、大分彼女には苦労させられてました?」
『よくぞ聞いてくださった! 毎度の食事を豪華な物にするようにだとか、入浴施設を作れだとか、寝室には一杯ヌイグルミを置かされましたな・・・・わざわざ変身させた者にヒト種の街まで買いに行かせて』
たくさんのヌイグルミに囲まれた魔王の寝室・・・違和感ありまくりだなそれ
「多分というかほぼ間違いなくですけど、自分は彼女に連れて行かれちゃうと思うんですが1つだけお願いしてもいいですか?」
『今のワシらじゃ出来る事に限りが有るが聞いても良いぞ』
「一応自分も男なんで、女の子に四六時中守ってもらうと流石にプライドがボロボロになってしまうから何か護身用でも良いので何か武器を頂けませんか?」
『さきほどの剣では駄目なのか?』
「駄目ですね」 即答したら不思議そうに見てくるから、個人的な見解を話す事にした。
「さきほどの剣を持っていると、自分が勇者だと知られてしまいます。 ヒトだけでなく魔族の街なども彼女の気分次第で行くかもしれません。 ただそうなって自分は勇者で彼女が魔王だと分かるとヒトや魔族、両方で争いが起きてしまう可能性が十分に有ります。 ですから、2人の正体にすぐに気付かれない様にあの剣は持っていくべきではないのです」
『・・・そうか分かった、無いよりはマシだと思うから幾つか持っていけ。 ただ、おぬしの様にHPやMPに防御が異常に高くて他が赤ん坊並って奴は初めてだからかなり趣味的な魔道具になってしまうがこの杖と指輪を持っていけ』
「頂けるだけで本当に有り難いです、この杖はどんな杖ですか?」
『それは水玉杖といって、MP1でバケツ1杯分位の大きさの水の玉を飛ばせる杖だ。 MPが続く限り連続で撃てるけれどもダメージはそれほど期待出来ない。 だが威嚇等には使えるだろう』
これ・・・使い方次第で物凄く凶悪な効果出るよ絶対。 実際、すぐにあるグロい方法を思い付いたし。
「自分向きの杖ですね、こちらの指輪はどうなんですか?」
『この指輪は水癒の指輪だ、ヒールの効果しかないがMPの消費する量を調節する事で指輪を中心に効果範囲を広げる事が可能だ。 あと、この指輪は水魔の信用の証でも有るからもしも水魔族に出会う事が有っても攻撃される事は無いだろう。 ・・・尤も攻撃する前に隣に居るであろう魔王様を見て恐怖するか誅されているだろうがな』
両方とも、自分のこの異常なMPを最大限活かせる魔道具だな。 有り難い
『あとこちらからもお願いなのだが我々にもしもの時が有った際に、すぐに連絡が出来る様に使い魔を1人おぬしの影に潜ませてはもらえぬか?』
「いいですけど、どなたになりますか?」
『こいつじゃ、名前はドロップ。 普段は親指大でいるようにさせるが、馬にも変身出来るからもし馬車を使う様な時は頼むが良かろう』
「ありがとう、よろしくなドロップ」
(よろしくお願いしますヤマト様)
『まず無いと思うが、本当に危険が迫ったと判断したらドロップは本来の姿に戻り2人をきっと助けてくれるじゃろう。 本来の姿は今は知らない方が懸命だ』
そう言われると凄く気になってしまうが、今のところはいいだろう。
『ちょっと、ヤマト! 今2人のこれからの夫婦生活の話をしているのに何をぼんやりしているのです!?』
あ、セシルさんの事すっかり忘れてた・・・って夫婦!? いつの間にか1人でそこまで勝手に話進めてるよ~!!!
「あの・・・セシルさん? 夫婦って・・・僕ら勇者と魔王ですよ?」
『あら2人の愛に何の不都合が有るのですか?』
「ちょっと待て~い! 何時の間に結婚まで話が飛躍しちゃっているの!?」
『婚姻前の異性2人が寝屋を共にして旅をする、これは立派な婚前旅行ではありませんか?』
ヤヴァい!? 想像以上にぶっとんだ女の子だセシルさん・・・・。
『これから2人で導きあって共に分かり合っていけば良いのですわ。 そろそろ出ないと折角の初夜を野宿で迎えてしまう事になりかねませんわ急ぎましょうヤマト!』
腕を引っ張られ引きずられていく自分を水魔の皆さんが合掌して見送ってる・・・・。 こんな女の子の下で頑張ってきていた水魔の方を尊敬しそうになったが、まずは今夜の自分の貞操を守る事から始めないと。 あと何か1つ大事な事を忘れているような・・・そうだお金!?
「セシルさん! お金、まだ受け取ってないですよね? 無一文でどうやって旅をするんですか!?」
『無一文・・・愛する2人に早くも障害が起こっているのね。 大丈夫!2人の愛できっと打ち勝っていけますわ!』
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