召喚勇者は魔王と放浪する事になりました。

いけお

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第1章~全ての原因は魔王の所為だった~

第6話 とりあえず町は消えずに済んだが・・・冒険者登録は火種の元。

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「こちらに来る途中、峠の辺りでこの山賊達に出会いましたの。 生かしておく必要も無いと思ったので全員氷漬けにして殺してありますが、顔を確認した上でもし賞金が出ている様でしたら頂けるかしら?」

見た目17才の女の子がえらく物騒な事を言う分、逆にもし戦った場合勝ち目が無い事に気付けたらしく自警団の隊長らしき人が前に出てきて、まず武器を向けた事を謝ってきた。

『すまなかった、昼過ぎ辺りに山の方にデカい氷塊が出来たと報告が有ったらその氷塊が徐々に町に向かって近づいてくるから警戒態勢をしいていたんだ。 ただ、まさかこんな女の子が肩に担いで運んでいるなんて誰も思わないから魔族の連中が攻めてきたのかと皆で怯えていたんだよ』

下手な魔族よりも遥かに怖い女の子です・・・町1つや2つどころか国1つ丸々凍らせる事も可能な魔王様です。 なんにせよ、最初の町が戦場にならなくて本当に良かったよ・・・。

「じゃあ、町に入っても問題はありませんよね?」

『ただ、申し訳ない事だがさっきも言った通り警戒態勢をしくのと同時に町の人達にも高台まで避難してもらっている。 おかげで宿や食堂は開けていないから今町に残ってある非常食をまずはお詫びとして受け取ってもらえるだろうか?』

もしもの時は戦場になるから先に避難させておいたのか、懸命な判断だな。 道理で閑散としている訳だ。

「ありがとう、ほぼ丸1日何も食べてなかったからお腹がすいていたんだよ」

『ははは、丸1日ってここからだとまるで山向こうの神殿跡のある平原付近から歩いてきたみたいじゃないか。 だったら命拾いしたな、そこから先の魔族領で何か動きが有ったとかで近隣の領主の軍隊に出動命令が下るかもしれないと噂されていたんだ』

噂じゃなくて実際に動いてました、しかしヒトの軍隊が動こうとしてるのが気になるな。

「ここ数十年争いが無かったと聞いてますが、何時くらい前から噂が出てましたか?」

『おまえこの国の人間じゃないな、去年辺りから【勇者を降臨させ魔王を打倒して豊かな土地を取り返すのだ!】と国のお偉方が言い出して近隣の領主に武装や訓練を開始させていたんだぞ。 そういえば数日前にどこぞの教会の神官達が護衛を連れて町を抜けていったが出会わなかったか?』

やはり、自分を利用して魔族領の侵略をするつもりだったらしいな・・・。 セシルの言う通りだった、でもセシルが領土の凍結を解除しているのが伝わったら一気に攻めていくかもしれないな。 セシルも少し複雑な表情をしているが、こちらはおそらく宿に泊まれないことによる夫婦生活の影響しか考えていないだろう・・・。

そこへ自警団の1人が隊長の下へ報告にやってきた。

『報告します、死体を調べたところ近隣の山に潜み通りがかった者達を襲い金品や女性を奪っていた賊達と判明。 賞金も些少ではありますが出ておりましたが、冒険者向けの依頼となっていたので無登録の者には支給されない様です』

あちゃ~冒険者の登録をしていないと賞金が出ないのか。 

「こちらの町でも登録は可能なのでしょうか?」

『冒険者ギルドの支部が有るから行ってみろ、警戒態勢を出すのと一緒にギルド所属の冒険者達もそこで待機している筈だから色々と聞いてみるがいい』

案内されて来たギルド支部には、既に大勢の冒険者達が揃っていた。 セシルを見て口笛吹くのも居たが無視して支部の中の受付へ行くと若い女性の方が笑顔で出迎えてくれた。

『いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件でしょうか?』

「山に居た山賊を討伐したのですが、まだ冒険者登録をしていなかったので賞金を受け取る事が出来ない為、こちらの自警団の隊長さんに案内されて来ました」

『あ、あの氷塊を運んできたのがあなた達だったのですか!? 失礼しました、では冒険者の登録を始めますがよろしいでしょうか?』

周囲がざわつき始めた、山賊達を氷漬けにして氷の塊で町まで運んできた化け物が居るとギルドの方にも伝わってた様だがその犯人がたった2人でその内の張本人が女の子だとは知れてなかったらしい。

『ではこちらのカードに触れてください、このカードは本人証明で有ると同時に依頼の賞金を保存して財布の代わりとして利用する事が可能です。 カードには名前や職業・ステータスなど記載されますが後で伏せておく事も出来ますからご確認ください、なお名前と職業だけこの国の中の全支部や本部に即座に加入届けが報告されますのでご了承ください』

セシルと2人で最後まで話を聞かずにカードに触れていた・・・まずかったかもしれないっと思う間もなく受付が大声を上げて叫び気絶してしまった。

『勇者・・・っと、元・魔王!? 魔王が何でこの町にっていうか目の前に・・・う~ん』

『魔王!? 中に魔王が居るのか!?』 外がかなり騒がしくなってきた。 静かにこの町を去る事はもはや無理そうになりました。
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