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未来は透明な虹色のように

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僕が存在しない未来の世界からやってきた妻
名前はミライ



僕が存在する未来の世界からやってきた妻
名前はミライ


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妻が死んだ十日後。
僕の前に、二人の妻が現れた。



「あなたがいない未来から来ました」

「あなたがいる未来から来ました」



未来から来た妻たちと送る、ちょっと不思議なラブストーリー



「甘い卵焼きなんて、今まで食べたことなかった。もしどこかであなたと出会っていたら、甘い卵焼き、絶対好きになってた」


「ずっと黙ってたんだけど…あなたの作る、うんと甘い卵焼きが大好きなの。こどもっぽいかなって…恥ずかしくてずっと言えなかったの」



二人の妻と、僕と、思い出の中の妻と過ごす、賑やかな十日間。



「ミライさん」

①②
「はーい」







三人のミライさんは、僕の心に、透明で…綺麗な虹色を残して、消えた。





君と過ごした過去も、思い出と過ごす君のいない未来も…全部重なって、きっと、もっと綺麗な虹色になるよ。

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