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16.朝の散歩(カイオ視点)
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朝目を覚まし、着替えて部屋を出ると、ルシアが二階から階段を下りてきた。顔色も悪くなく元気そうなので安心する。
「今日は夜勤なので、昼を食ってから出勤なんだ。朝は散歩がてら雑貨屋まで買い物に行かないか?」
一昨日買った食材は全て食い尽くしてしまった。もうパンもない。
「行きたい! でも、今夜は夜勤なんでしょう? こんなに朝早く起きて大丈夫なの?」
ルシアは心配してくれているようだ。
「慣れているから大丈夫だ。俺たちは二人一組で行動していて、六日のうち一回ずつ、昼間と夜の哨戒飛行任務がある。今日は昼過ぎに出勤して仮眠をとってから夜間飛行をするんだ。王都や大きな町の灯りがとても綺麗だぞ」
哨戒飛行は音速以下で飛ぶので、地上を見下ろす余裕がある。昼間の飛行も楽しいが、暗い中に民家の灯りが点々と見える夜景はとてもきれいだ。
「やっぱり、十二人しかいない竜騎士のお仕事は大変よね。体には気をつけてね」
こんな風に労ってもらうのも悪くはない。仕事を頑張ろうという気になる。
「ところで、雑貨屋さんって、こんなに早くやっているの?」
出かける用意をして二人で家の外に出てから、ルシアがそんなことを訊いてきた。
「竜の飼育係は夜勤の者も多いから、店はいつでも開いている。時間によって置いている商品が変わるけどな。今行くと調理パンが売っているぞ。これが結構美味い。それを買って公園へ行かないか? 今日は天気がいいし暖かいから」
ルシアが神殿にいる時は祈る以外のことを何もさせてもらっていないようだった。ここでも気軽に基地の外へ行かせてやれないが、基地内の散歩ぐらいは自由にしてもいいだろう。
「この基地にも公園があるの? 凄い! 王都の中央公園のことは本で読んだわ。その真中に竜の発着場があるのよね」
「ああ。王都へ行くときはあの場所へライムンドを降ろすんだ。基地の公園は王都の中央公園ほど広くはないが、大きな噴水や花時計があるんだぞ」
「本当に? 凄いわ! とっても楽しみ!」
ルシアは子どものようにはしゃぎだした。ちょっと煽りすぎたか。
「そんなに期待するなよ。それほど大したものでもないからな」
「早く行きましょう」
ルシアは人の話を全く聞かず、俺の手を引いて歩き出した。
雑貨店にはまだ調理パンが売っていた。いつも朝のうちに売り切れる人気商品なので、今日は幸運のようだ。それを四個と牛乳を二本買う。昼と夜の食材も適当に買って、俺たちは公園に行くことにした。
ルシアが荷物を持ちたいと言うので、調理パンの入った袋を渡すと、嬉しそうに笑顔で受け取った。
雑貨店から十分ぐらい歩くと公園に着く。家から直接行くと十五分ぐらいだ。
「ここが公園だ。あのベンチへ座ってパンを食おう」
俺が噴水の前のベンチを指差すと、ルシアは素直にベンチの端に座った。
「見て! 女神像の持っている水瓶から水が出ているわ。魔法で汲み上げているの?」
「いいや、機械式になっているらしい。しばらくすると、池の真ん中から水が吹き上がるから」
俺は食材が入った袋を一方の端に置いて、ベンチの中央に座る。すると、ルシアが袋に入った調理パンを差し出してきた。
「魚のフライ。スモークサーモン。ローストチキン。ローストビーフ。どれがいい?」
袋を開けながら俺が訊くと、ルシアはとても悩んでいるようだった。
「えっとね、色々なものを食べてみたいの。一つに決めることなんてできない」
「じゃあ、全て半分ずつするか?」
俺も全部食ってみたいし、それの方が都合がいい。ローストビーフパンは中々手に入らないお宝だからな。
「それは多すぎると思うの。四分の一ぐらいでいいわ」
俺は袋ごと大小になるように調理パンをちぎって分けた。小さい方をルシアに渡すと、満足そうにパンを受け取る。
「外で食べるなんて初めてよ。とっても楽しいわね。あっ、本当に水が吹き上がった。凄いわ」
子供のようにはしゃぎながらパンを食べているルシアを見ていると、ここへ連れてきて本当に良かったと思う。
「神殿はこんなこともさせてくれなかったのか?」
外でパンを食うだけで、こんなに喜んで貰えるなんて思わなかった。
「欲望を知ってしまうと、抑えるのが辛くなる。だから、神殿では私物を持たせてもらえないし、世俗の楽しいことも経験させてもらえないの。ただいつもと同じ毎日を繰り返すだけ。私たちは窓を見上げて、自由に空を舞う竜に憧れながら、神殿を出ていく時を夢見るしかできなかった。神官長は『君だけを特別扱いすることはできないのだ。本当に申し訳ない』って他の聖乙女より長く神殿にいる私にいつも謝ってくれていたけれどね」
普通の聖乙女ならば十五、六歳で神殿を出ていくので、それからいくらでも楽しいことを経験できるだろう。しかし、ルシアは十六年もそんな生活を送っていたのか。
「それは大変だったな」
十六年は本当に長過ぎる。
「でも、竜騎士はもっと大変でしょう。子どもの頃から厳しい訓練に明け暮れて、命をかけて竜に挑み竜に認められてやっと竜騎士になることができるのよね? 私たちは退屈だけど、皆に守られて安全な生活をしていたから」
「でも、俺は望んで竜騎士になったから」
厳しい訓練も、竜への挑戦も、俺が望んだことだ。望んでもいないのに、神殿に拘束されるようにして十六年も過ごしたルシアとは違う。
「なぜ、竜騎士になりたかったの?」
三個目のパンを分けた時、ルシアがそんなことを訊いてきた。
「俺の父親は人が良すぎて、友人だと思っていたやつに金を騙し取られ、三歳上の姉が売られそうになった。まだ姉は十一歳で俺は八歳だった。だから、俺は竜騎士の訓練生になる試験を受けたんだ。試験に合格して訓練生になるだけでかなりの金が貰えたから。俺は何とか合格することができて姉さんは売られずに済んだ。子どもの俺にできることはそれぐらいしかなかった」
今まで竜騎士になった理由なんて人に話したことはなかった。両親や姉さえも、俺が竜騎士に憧れていたから訓練生になったと思っている。確かに王都の端に住んでいた俺は、飛び立つ竜が格好良いと思っていたが。
「八歳って、私が神殿に入った年と同じなのね。訓練は辛くなかった?」
「普通は十歳ぐらいで訓練生になるから、訓練生の中で俺は一番体が小さくて、一番力も魔力も弱かった。だから、馬鹿にされることも多かった。それが悔しくて、意地でも弱音を吐きたくなかったし、絶対に竜騎士になってやると思ったんだ」
「貴方は強いのね。それに、優しい」
ルシアはそんなことを言いながら俺を見上げてきた。
「俺は強いが優しくはない。父親のようなお人好しには絶対にならないと決めているからな」
人に優しくしても、騙されて娘を売らなければならない羽目になるぐらいなら、最初から無視している方がいい。
「いいえ、貴方はお父さんに似ていると思うわよ。とても優しい人だわ」
「俺は優しくなんかないと言ってんだろうが。親父みたいに人を信用して搾取されるのはごめんだからな」
また怒鳴ってしまった。俺はルシアに辛く当たっている自覚はある。でも、それはルシアにも非はあると思うけど。
「多分、優しくないなんて思っているの、貴方だけだわ」
得意げにルシアが笑った。ちょっと悔しかったので、ローストビーフは全て俺の方のパンに入れてやった。
「私のパンには具がないわよ」
ルシアがパンを開いて俺に見せる。でも、ローストビーフは全て既に俺の腹の中だ。
「たまたまだ。早く食え。花時計を見に行くぞ」
「貴方はやっぱり意地悪だわ。でも、花時計は見に行くわよ」
ルシアはソースだけついた具のないパンを、それでも美味しそうに頬ばっていた。
「今日は夜勤なので、昼を食ってから出勤なんだ。朝は散歩がてら雑貨屋まで買い物に行かないか?」
一昨日買った食材は全て食い尽くしてしまった。もうパンもない。
「行きたい! でも、今夜は夜勤なんでしょう? こんなに朝早く起きて大丈夫なの?」
ルシアは心配してくれているようだ。
「慣れているから大丈夫だ。俺たちは二人一組で行動していて、六日のうち一回ずつ、昼間と夜の哨戒飛行任務がある。今日は昼過ぎに出勤して仮眠をとってから夜間飛行をするんだ。王都や大きな町の灯りがとても綺麗だぞ」
哨戒飛行は音速以下で飛ぶので、地上を見下ろす余裕がある。昼間の飛行も楽しいが、暗い中に民家の灯りが点々と見える夜景はとてもきれいだ。
「やっぱり、十二人しかいない竜騎士のお仕事は大変よね。体には気をつけてね」
こんな風に労ってもらうのも悪くはない。仕事を頑張ろうという気になる。
「ところで、雑貨屋さんって、こんなに早くやっているの?」
出かける用意をして二人で家の外に出てから、ルシアがそんなことを訊いてきた。
「竜の飼育係は夜勤の者も多いから、店はいつでも開いている。時間によって置いている商品が変わるけどな。今行くと調理パンが売っているぞ。これが結構美味い。それを買って公園へ行かないか? 今日は天気がいいし暖かいから」
ルシアが神殿にいる時は祈る以外のことを何もさせてもらっていないようだった。ここでも気軽に基地の外へ行かせてやれないが、基地内の散歩ぐらいは自由にしてもいいだろう。
「この基地にも公園があるの? 凄い! 王都の中央公園のことは本で読んだわ。その真中に竜の発着場があるのよね」
「ああ。王都へ行くときはあの場所へライムンドを降ろすんだ。基地の公園は王都の中央公園ほど広くはないが、大きな噴水や花時計があるんだぞ」
「本当に? 凄いわ! とっても楽しみ!」
ルシアは子どものようにはしゃぎだした。ちょっと煽りすぎたか。
「そんなに期待するなよ。それほど大したものでもないからな」
「早く行きましょう」
ルシアは人の話を全く聞かず、俺の手を引いて歩き出した。
雑貨店にはまだ調理パンが売っていた。いつも朝のうちに売り切れる人気商品なので、今日は幸運のようだ。それを四個と牛乳を二本買う。昼と夜の食材も適当に買って、俺たちは公園に行くことにした。
ルシアが荷物を持ちたいと言うので、調理パンの入った袋を渡すと、嬉しそうに笑顔で受け取った。
雑貨店から十分ぐらい歩くと公園に着く。家から直接行くと十五分ぐらいだ。
「ここが公園だ。あのベンチへ座ってパンを食おう」
俺が噴水の前のベンチを指差すと、ルシアは素直にベンチの端に座った。
「見て! 女神像の持っている水瓶から水が出ているわ。魔法で汲み上げているの?」
「いいや、機械式になっているらしい。しばらくすると、池の真ん中から水が吹き上がるから」
俺は食材が入った袋を一方の端に置いて、ベンチの中央に座る。すると、ルシアが袋に入った調理パンを差し出してきた。
「魚のフライ。スモークサーモン。ローストチキン。ローストビーフ。どれがいい?」
袋を開けながら俺が訊くと、ルシアはとても悩んでいるようだった。
「えっとね、色々なものを食べてみたいの。一つに決めることなんてできない」
「じゃあ、全て半分ずつするか?」
俺も全部食ってみたいし、それの方が都合がいい。ローストビーフパンは中々手に入らないお宝だからな。
「それは多すぎると思うの。四分の一ぐらいでいいわ」
俺は袋ごと大小になるように調理パンをちぎって分けた。小さい方をルシアに渡すと、満足そうにパンを受け取る。
「外で食べるなんて初めてよ。とっても楽しいわね。あっ、本当に水が吹き上がった。凄いわ」
子供のようにはしゃぎながらパンを食べているルシアを見ていると、ここへ連れてきて本当に良かったと思う。
「神殿はこんなこともさせてくれなかったのか?」
外でパンを食うだけで、こんなに喜んで貰えるなんて思わなかった。
「欲望を知ってしまうと、抑えるのが辛くなる。だから、神殿では私物を持たせてもらえないし、世俗の楽しいことも経験させてもらえないの。ただいつもと同じ毎日を繰り返すだけ。私たちは窓を見上げて、自由に空を舞う竜に憧れながら、神殿を出ていく時を夢見るしかできなかった。神官長は『君だけを特別扱いすることはできないのだ。本当に申し訳ない』って他の聖乙女より長く神殿にいる私にいつも謝ってくれていたけれどね」
普通の聖乙女ならば十五、六歳で神殿を出ていくので、それからいくらでも楽しいことを経験できるだろう。しかし、ルシアは十六年もそんな生活を送っていたのか。
「それは大変だったな」
十六年は本当に長過ぎる。
「でも、竜騎士はもっと大変でしょう。子どもの頃から厳しい訓練に明け暮れて、命をかけて竜に挑み竜に認められてやっと竜騎士になることができるのよね? 私たちは退屈だけど、皆に守られて安全な生活をしていたから」
「でも、俺は望んで竜騎士になったから」
厳しい訓練も、竜への挑戦も、俺が望んだことだ。望んでもいないのに、神殿に拘束されるようにして十六年も過ごしたルシアとは違う。
「なぜ、竜騎士になりたかったの?」
三個目のパンを分けた時、ルシアがそんなことを訊いてきた。
「俺の父親は人が良すぎて、友人だと思っていたやつに金を騙し取られ、三歳上の姉が売られそうになった。まだ姉は十一歳で俺は八歳だった。だから、俺は竜騎士の訓練生になる試験を受けたんだ。試験に合格して訓練生になるだけでかなりの金が貰えたから。俺は何とか合格することができて姉さんは売られずに済んだ。子どもの俺にできることはそれぐらいしかなかった」
今まで竜騎士になった理由なんて人に話したことはなかった。両親や姉さえも、俺が竜騎士に憧れていたから訓練生になったと思っている。確かに王都の端に住んでいた俺は、飛び立つ竜が格好良いと思っていたが。
「八歳って、私が神殿に入った年と同じなのね。訓練は辛くなかった?」
「普通は十歳ぐらいで訓練生になるから、訓練生の中で俺は一番体が小さくて、一番力も魔力も弱かった。だから、馬鹿にされることも多かった。それが悔しくて、意地でも弱音を吐きたくなかったし、絶対に竜騎士になってやると思ったんだ」
「貴方は強いのね。それに、優しい」
ルシアはそんなことを言いながら俺を見上げてきた。
「俺は強いが優しくはない。父親のようなお人好しには絶対にならないと決めているからな」
人に優しくしても、騙されて娘を売らなければならない羽目になるぐらいなら、最初から無視している方がいい。
「いいえ、貴方はお父さんに似ていると思うわよ。とても優しい人だわ」
「俺は優しくなんかないと言ってんだろうが。親父みたいに人を信用して搾取されるのはごめんだからな」
また怒鳴ってしまった。俺はルシアに辛く当たっている自覚はある。でも、それはルシアにも非はあると思うけど。
「多分、優しくないなんて思っているの、貴方だけだわ」
得意げにルシアが笑った。ちょっと悔しかったので、ローストビーフは全て俺の方のパンに入れてやった。
「私のパンには具がないわよ」
ルシアがパンを開いて俺に見せる。でも、ローストビーフは全て既に俺の腹の中だ。
「たまたまだ。早く食え。花時計を見に行くぞ」
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