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4.何かがおかしい
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趣味ではないという言葉を聞いたのは二回目だった。エサイアス殿下と婚約して間もない頃、一緒に夜会へ行ったことがある。
『平凡な女は趣味ではない。我慢してエスコートしてやっているのだから感謝しろ』
エサイアス殿下は嫌そうな顔をしながらそんなことを言ったのだった。
従兄弟だからって、容姿だけではなく趣味まで似なくてもいいのに。
「はぁ」
本当に男運がない。彼らのように美しくなくてもいい。ただ誠実な男性の妻になりたかった。
新婚初夜からため息をつかなければならないなんて、やるせないにも程がある。
新婚二日目から、リクハルド様は何事もなかったように衛兵隊の駐屯地へと出勤していった。
貴族のみで構成されている近衛騎士隊とは違い、衛兵の多くは平民で、気性も荒く実力主義だと聞いている。剣など持ったこともない令嬢に易々と背中を刺されてしまう華奢な副長など、衛兵たちに受け入れられるとはとても思えず、かなり苦労するだろう。だけど、そんなこと私には関係ない。
リクハルド様が昼間だけでも不在になるのは有り難かった。ふいに顔を合わせて気まずい思いをしなくてもいいから。
それでも、朝食と夕食は共にする。もちろん会話など一切ない。リクハルド様は食事中も無表情だけど、何が気に障ることがあるのか、たまに顔をしかめている。でも、その理由を聞いたりしない。
食事を終えるとさっさと自室に戻るのが日課になっている。夫婦の寝室だけではなく、それぞれの部屋にもベッドを置いていて本当に良かった。
そんな重苦しい日々が五日ほど過ぎた。
夕食の席に着き、美味しそうなスープを口に含んだ途端、思わず吐き出しそうになる。
「塩辛い! 何なのこれは!」
どうにか吐き出すのだけは堪えて、慌ててコップの水を飲みほした。我が家の料理人であるマーレトはとても優秀で、いつも美味しい料理が出て来るのに、今日に限って塩を大量に入れてしまったらしい。
「配膳を間違えたようだな。幸いこっちの皿には口をつけていないから交換してくれ」
リクハルド様は控えていたメイドの方を見てそんなことを言う。
「お嬢様、本当に申し訳ございません」
メイドは震えながらスープ皿を入れ替えた。
「何をしているの! こんなものを食べれば体に障ります。マーレトに作り直すように頼んできて」
私の言葉を聞いたリクハルド様の眉間にしわが寄る。
「君が命じたのではないのか?」
もしかして、塩辛いスープが入っているのはあの皿だけなの? そう思って、メイドが入れ替えたスープを恐る恐る口に運んだ。普通に美味しい。
「今すぐマーレトを呼んできなさい!」
長年我が家に仕えてくれたマーレト。ふくよかな四十代の女性料理人で、私の好きなお菓子をたくさん作ってくれた。そんな彼女がなぜこんなことを?
「この男がお嬢様を蔑ろにするから、懲らしめてやりたかった。最初は少し辛くしただけだったけど、何も言わずに完食するから、だんだんと塩や香辛料の量を増やしてやりました」
食事室にやってきたマーレトは、悔しそうにリクハルド様を睨んでいる。
「何てことを」
私のせいだ。父も母も不在の今、使用人を取りまとめるのは私の役目なのに。初夜に夫から拒否された妻だと、悲劇の主人公にでもなった気分で嘆き悲しんでいるだけだった。家のことも夫のことも全く気にしていなかった。
「私が命じたわけではありませんが、マーレトがこんなことをしたのは私の責任です。でも、国王陛下の甥であり、次期コイヴィスト伯爵でもあるリクハルド様を害そうとしたのです。このまま我が家で勤めてもらうことはできません。それに、紹介状も出せません。数日中に出て行ってもらいます」
女性の料理人は珍しい。だから、調理技術を疑われてしまうだろう。紹介状も持たず、住み込みで働けるところを見つけるのはかなり難しいと思う。それがわかっていても、ここにいていいとは言えない。
「その必要はない。その調理人は俺の好みを探っていただけだ。ちゃんと感想を伝えなかった俺も悪かった」
苦渋の思いでマーレトを追い出そうと思っていたのに、なぜかリクハルド様が止めてきた。
「その様なわけには参りません。けじめというものがございます」
「塩辛いスープの後には全く味のしない料理が出たり、辛い料理の後にはヨーグルトがついていたりと、俺一人のためにかなり気を使ってくれているんだなと思っていた。こんなに関心を寄せられたことはなかったので、ちょっと嬉しかった。だから、辞めさせなくてもいい。コイヴィスト伯爵家の大切な料理人なんだろう?」
「そ、それは、そうですけれど」
やっとそれだけ答えることができた。
リクハルド様は公爵家で使用人たちにも冷遇されていたのだろうか? マーレトが行った嫌がらせさえも嬉しいと感じるくらい、皆に無視されてきたの?
「とにかく夕食をいただこう」
リクハルド様はスプーンを手にして塩辛いスープを飲もうとしている。
「そのスープを飲んでは駄目ですから」
慌てて止めると、
「俺の体を気遣ってくれるのか?」
無表情だったリクハルド様が微かに笑顔を見せた。
「当然でしょう。私は、あなたの妻なのですから」
趣味ではない女に妻と言われて不快に感じるかと思ったけれど、リクハルド様は笑顔を崩さず小さく頷いた。
食事が終わり、自分の部屋に帰ってきた。
私は結婚してから今まで何をしていたのだろう。趣味でないと言われて、すべて諦めてしまっていた。
私の方が三歳も年上なのだから、私の方から歩み寄るべきだったのだ。たとえ、女性としての愛情を得られなかったとしても、大切な家族となることはできるかもしれないのに、その努力もしてこなかった。
母や言うように、嫌と言うほど愛を注げばよかった。そうしたら、マーレトだって嫌がらせなどすることがなかったのに。
そうと決めたら、早い方がいい。
夫婦の寝室からもリクハルド様の部屋へ行くことはできるけれど、それはちょっと恥ずかしくて、一旦廊下へ出てから、リクハルド様の部屋のドアをノックする。
「どうぞ」
すぐに返事が返ってきたので、ドアを開けた。
「何ということ!」
結婚式の前に部屋を改装したはずなのに、その時と部屋の様子が全く違っていた。
古びた木のベッドは使用人の使い古し。色が褪せたチェストは長年倉庫に保管していたもの。窓にかかっているカーテンは薄汚れて所々破れている。まるで廃屋の一室のようだった。
そして、硬そうで粗末な木の椅子にリクハルド様は座っていた。
マーレトだけではない。この家の使用人全てがリクハルド様に嫌がらせしていたなんて。
明日には使用人を入れ替えなければならない。本当に頭が痛い。使用人がこんなことをしていると知らずに放置していたなんて、自分の至らなさに涙が出そうだ。
「とにかく、こちらへ来てください」
いくら何でも夫をこんなところで寝かせるわけにはいかない。リクハルド様を夫婦の寝室へ連れて行こうと思って手を握った。
おかしい。彼の手は思った以上に硬い。確かに指は長いけれど、節くれだってタコができている。
それに、寝衣代わりに着ている半そでのシャツから出ている腕は、どう見ても筋肉質だ。とても華奢な体だとは思えない。
訝しそうにしているリクハルド様をとにかく夫婦に寝室に連れてきた。
「そのシャツを脱いでください」
確かめなければならないと思った。
「えっ?」
「聞こえませんでしたか? シャツを脱いでとお願いしたのですが」
「いや、聞こえたけれど……」
リクハルド様は脱ぐのをためらっている。やはり隠したいのだ。
じれったいのでシャツのボタンに手をかけようとすると、リクハルド様はようやくシャツを脱ぎ始めた。
私は彼の背中に回る。
「ない。どこにも傷なんてない」
小さな古傷はいくつかあったけれど、刺し傷など見当たらなかった。
『平凡な女は趣味ではない。我慢してエスコートしてやっているのだから感謝しろ』
エサイアス殿下は嫌そうな顔をしながらそんなことを言ったのだった。
従兄弟だからって、容姿だけではなく趣味まで似なくてもいいのに。
「はぁ」
本当に男運がない。彼らのように美しくなくてもいい。ただ誠実な男性の妻になりたかった。
新婚初夜からため息をつかなければならないなんて、やるせないにも程がある。
新婚二日目から、リクハルド様は何事もなかったように衛兵隊の駐屯地へと出勤していった。
貴族のみで構成されている近衛騎士隊とは違い、衛兵の多くは平民で、気性も荒く実力主義だと聞いている。剣など持ったこともない令嬢に易々と背中を刺されてしまう華奢な副長など、衛兵たちに受け入れられるとはとても思えず、かなり苦労するだろう。だけど、そんなこと私には関係ない。
リクハルド様が昼間だけでも不在になるのは有り難かった。ふいに顔を合わせて気まずい思いをしなくてもいいから。
それでも、朝食と夕食は共にする。もちろん会話など一切ない。リクハルド様は食事中も無表情だけど、何が気に障ることがあるのか、たまに顔をしかめている。でも、その理由を聞いたりしない。
食事を終えるとさっさと自室に戻るのが日課になっている。夫婦の寝室だけではなく、それぞれの部屋にもベッドを置いていて本当に良かった。
そんな重苦しい日々が五日ほど過ぎた。
夕食の席に着き、美味しそうなスープを口に含んだ途端、思わず吐き出しそうになる。
「塩辛い! 何なのこれは!」
どうにか吐き出すのだけは堪えて、慌ててコップの水を飲みほした。我が家の料理人であるマーレトはとても優秀で、いつも美味しい料理が出て来るのに、今日に限って塩を大量に入れてしまったらしい。
「配膳を間違えたようだな。幸いこっちの皿には口をつけていないから交換してくれ」
リクハルド様は控えていたメイドの方を見てそんなことを言う。
「お嬢様、本当に申し訳ございません」
メイドは震えながらスープ皿を入れ替えた。
「何をしているの! こんなものを食べれば体に障ります。マーレトに作り直すように頼んできて」
私の言葉を聞いたリクハルド様の眉間にしわが寄る。
「君が命じたのではないのか?」
もしかして、塩辛いスープが入っているのはあの皿だけなの? そう思って、メイドが入れ替えたスープを恐る恐る口に運んだ。普通に美味しい。
「今すぐマーレトを呼んできなさい!」
長年我が家に仕えてくれたマーレト。ふくよかな四十代の女性料理人で、私の好きなお菓子をたくさん作ってくれた。そんな彼女がなぜこんなことを?
「この男がお嬢様を蔑ろにするから、懲らしめてやりたかった。最初は少し辛くしただけだったけど、何も言わずに完食するから、だんだんと塩や香辛料の量を増やしてやりました」
食事室にやってきたマーレトは、悔しそうにリクハルド様を睨んでいる。
「何てことを」
私のせいだ。父も母も不在の今、使用人を取りまとめるのは私の役目なのに。初夜に夫から拒否された妻だと、悲劇の主人公にでもなった気分で嘆き悲しんでいるだけだった。家のことも夫のことも全く気にしていなかった。
「私が命じたわけではありませんが、マーレトがこんなことをしたのは私の責任です。でも、国王陛下の甥であり、次期コイヴィスト伯爵でもあるリクハルド様を害そうとしたのです。このまま我が家で勤めてもらうことはできません。それに、紹介状も出せません。数日中に出て行ってもらいます」
女性の料理人は珍しい。だから、調理技術を疑われてしまうだろう。紹介状も持たず、住み込みで働けるところを見つけるのはかなり難しいと思う。それがわかっていても、ここにいていいとは言えない。
「その必要はない。その調理人は俺の好みを探っていただけだ。ちゃんと感想を伝えなかった俺も悪かった」
苦渋の思いでマーレトを追い出そうと思っていたのに、なぜかリクハルド様が止めてきた。
「その様なわけには参りません。けじめというものがございます」
「塩辛いスープの後には全く味のしない料理が出たり、辛い料理の後にはヨーグルトがついていたりと、俺一人のためにかなり気を使ってくれているんだなと思っていた。こんなに関心を寄せられたことはなかったので、ちょっと嬉しかった。だから、辞めさせなくてもいい。コイヴィスト伯爵家の大切な料理人なんだろう?」
「そ、それは、そうですけれど」
やっとそれだけ答えることができた。
リクハルド様は公爵家で使用人たちにも冷遇されていたのだろうか? マーレトが行った嫌がらせさえも嬉しいと感じるくらい、皆に無視されてきたの?
「とにかく夕食をいただこう」
リクハルド様はスプーンを手にして塩辛いスープを飲もうとしている。
「そのスープを飲んでは駄目ですから」
慌てて止めると、
「俺の体を気遣ってくれるのか?」
無表情だったリクハルド様が微かに笑顔を見せた。
「当然でしょう。私は、あなたの妻なのですから」
趣味ではない女に妻と言われて不快に感じるかと思ったけれど、リクハルド様は笑顔を崩さず小さく頷いた。
食事が終わり、自分の部屋に帰ってきた。
私は結婚してから今まで何をしていたのだろう。趣味でないと言われて、すべて諦めてしまっていた。
私の方が三歳も年上なのだから、私の方から歩み寄るべきだったのだ。たとえ、女性としての愛情を得られなかったとしても、大切な家族となることはできるかもしれないのに、その努力もしてこなかった。
母や言うように、嫌と言うほど愛を注げばよかった。そうしたら、マーレトだって嫌がらせなどすることがなかったのに。
そうと決めたら、早い方がいい。
夫婦の寝室からもリクハルド様の部屋へ行くことはできるけれど、それはちょっと恥ずかしくて、一旦廊下へ出てから、リクハルド様の部屋のドアをノックする。
「どうぞ」
すぐに返事が返ってきたので、ドアを開けた。
「何ということ!」
結婚式の前に部屋を改装したはずなのに、その時と部屋の様子が全く違っていた。
古びた木のベッドは使用人の使い古し。色が褪せたチェストは長年倉庫に保管していたもの。窓にかかっているカーテンは薄汚れて所々破れている。まるで廃屋の一室のようだった。
そして、硬そうで粗末な木の椅子にリクハルド様は座っていた。
マーレトだけではない。この家の使用人全てがリクハルド様に嫌がらせしていたなんて。
明日には使用人を入れ替えなければならない。本当に頭が痛い。使用人がこんなことをしていると知らずに放置していたなんて、自分の至らなさに涙が出そうだ。
「とにかく、こちらへ来てください」
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おかしい。彼の手は思った以上に硬い。確かに指は長いけれど、節くれだってタコができている。
それに、寝衣代わりに着ている半そでのシャツから出ている腕は、どう見ても筋肉質だ。とても華奢な体だとは思えない。
訝しそうにしているリクハルド様をとにかく夫婦に寝室に連れてきた。
「そのシャツを脱いでください」
確かめなければならないと思った。
「えっ?」
「聞こえませんでしたか? シャツを脱いでとお願いしたのですが」
「いや、聞こえたけれど……」
リクハルド様は脱ぐのをためらっている。やはり隠したいのだ。
じれったいのでシャツのボタンに手をかけようとすると、リクハルド様はようやくシャツを脱ぎ始めた。
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(※この物語はフィクションです。実在の人物や事件とは関係ありません。)
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