転んでもタダでは起きないシンデレラ

夕景あき

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ネズッチ視点~告白からの強制送還~

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 シンデレラとの20時から21時の逢瀬が1ヶ月以上過ぎたある日、シンデレラから聞き捨てならない言葉を聞いた。

「明日、王城で舞踏会があるらしいですよ」

 シンデレラは世間話のように何気なく言ったが、俺には恐怖の単語だった。

「舞踏会に、シンデレラも行きたいのか?」

「王城に行ってみたいとは思いますが、父が亡くなって以来踊ってないのでダンスを踊れるとは思いませんし、何しろドレスがありませんから·····」

「もしドレスが用意されても行かないで欲しい」

「え。なんでですか?」

「その舞踏会はイケスカナイ王子の婚約者を決めるために催されるんだ。好きな人に、行って欲しくないと思うのは、普通のことだと思う」

「好きな人って、·····え!?」

 シンデレラの顔が徐々に赤くなるのを見ながら俺は、腹をくくって伝えることにした。俺はネズミの小さい手で、シンデレラの手の小指に触れながら伝えた。

「シンデレラ、俺は君が好きだ。
シンデレラの常に昨日の自分より良くなろうとする努力家の所が好きだ。
シンデレラの辛くても前を向いて立ち上がろうとする強い心が好きだ。
シンデレラのちょっと変なネーミングセンスが好きだ。
シンデレラの褒められ慣れてなくて、すぐ恥ずかしがって赤くなるところが好きだ。
シンデレラの絵のセンスが壊滅的で、ネズミを刺繍して、謎の生物になってしまう所が好きだ。
シンデレラの時折思考が残酷非道になる所も可愛くて好きだ。
シンデレラのこんな怪しいボロネズミの話を、一生懸命聞いてくれる優しい所が好きだ。
君の全てを愛おしく思う!」

 俺の最後の言葉と共に21時の鐘が鳴り、俺は転移魔法により屋根裏部屋から強制送還されたのだった。
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