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シンデレラ視点~舞踏会・中編~
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バッファローゴローとメーちゃんの先導と、ファーストチッキンの馭者でちゃんと王城に辿り着けるのか不安でしたが、魔法の力でしょうか·····ちゃんとたどり着けました。
王城の門を通ると、数百段の大理石の階段が続いていました。
ファーストチッキンとバッファローゴローとメーちゃんに別れを告げ、私は馬車をおりて、階段の迫力に圧倒されながらも上り始めました。 なぜこの様に長い階段があるのでしょうか?敵国からの襲撃を考えて、階段を利用して敵兵さんを皆殺しにするためでしょうか?
そんな事を考えながら登っていると、階段の隅にへたりこんで座っている、小さいお婆さんが視界に入りました。服装からして侍女の方の様です。
「あの、大丈夫ですか?」
「あ、お気になさらず。 歳をとり膝関節が痛みだしてる者にとっては、この階段はなかなかの地獄でねぇ。手間取ってたら、お嬢様に置いていかれてしまったんだよ。早く追いつかねばと思うけど、体が思うように動かなくてねぇ」
小柄な丸顔のお婆さんは、そう言ってため息を吐きました。
「そこの、衛兵の方に背負って貰ってはどうですか?」
「貴方は知らないんだね。この国の風習で、この階段は国兵達の力は借りずに登らないといけないんだよ」
「変な風習ですね。なら、私がおぶります」
私が背中を向けてしゃがみ込むと、お婆さんは慌てました。
「そんな、こんな華奢な女の子におぶって貰うのは、悪いわよ!」
「大丈夫です。私は日頃屋敷の階段を、毎日何十往復もして鍛えているので。着痩せして見えるかもしれませんが、脱ぐと凄いんです。ムキムキですよ。ほら、早く乗らないとドレスを脱いで筋肉自慢をはじめますよ」
私がそう言って急かすと、お婆さんはオズオズと私の背中に体重を預けました。
お婆さんはビックリするほど軽かったので、息をきらすことも無く階段を登りきることができました。
背中から下ろすとお婆さんは謝罪やら感謝やらしながら、私のドレスの乱れをセッセと直してくれました。そしてお婆さんは、ペコペコしながら足早に広間に案内してくれました。
広間の中には、煌めくシャンデリアの元に若い女性達の色とりどりのドレスが溢れかえっていました。
色の洪水に目をまわしていると、いつの間にかお婆さんの姿は消えていました。所在なさげに私が立っていると、執事服の男性に、長蛇の列の最後尾に並ぶよう促されました。
何のための列だか、分からずに取り敢えず並んでいましたが、徐々に列が短くなるにつれて分かりました。
どうやら若い女性は順番に一人一人、王子に挨拶と共に自己アピールをしている様です。
自己アピールで歌うご令嬢もいるらしく、見事な歌声が聞こえてきます。
私が王子だったら、百人以上に自己アピールされては、最後の方はウンザリしてしまうかもしれません。私は、自己アピール出来る特技もないですし、一言だけ挨拶するに留めようと思いました。
長蛇の列を待っている間が暇だったので、人間観察する事にしました。魔法使いさんにネズッチさんへの思いは『すり込み』と言われたことに、少し腹が立っていた私は男性を中心に観察する事にしました。
広間の壁際には近衛兵と思われる、紺色の制服を着た見目のいい男性が多く立ち並んでます。
金髪タレ目の甘いマスクの男性、銀髪で泣きぼくろの色気のある男性·····日焼けしたガタイの良い男性など様々な方がいる中で、おひとり気になる男性がいました。
その方は近衛兵とは違う制服で帯刀もしていないので、文官の方のようです。王子のいる奥の間と広間を、書類を持ちながら何やら忙しく歩いているので、王子の側近なのかも知れません。並んでいる令嬢方を案内するのも彼の役目のようです。
涼しい目元と黒髪で、背丈は私より少し高いくらいでしょうか。どうやらこの国では珍しい、東洋人の方の様です。
今はお忙しそうなので無理そうですが、東の大国の話などご存知ならば、ぜひ感染対策の話などしてみたいです。そう思って目で彼をおっていると、バッチリ目が合い彼に話しかけられました。
「君は·····シンデレラか?」
初対面のはずの彼が、私の名前を知っていたことに驚きながらも答えました。
「はい、そうです」
彼は私を上から下まで眺めて、黒色の瞳を丸くして言いました。
「驚いたな·····見違えた·····。さぁ、次はもうそろそろ、君の順番だ。何か自己アピールするか?」
「いえ、特には。一目お会いできれば充分です」
そう伝えると、彼はホッとした様子でした。私は彼の『見違えた』発言に、以前どこかで会ったことがある方だったのかと頭をひねります。
そういえば、ネズッチさんは高級なお菓子を手に入れられる身分で、貴族の名前に詳しい方でした。そして、王子様のことを『いけ好かない王子』と呼んでいたので、王子の人柄を知る立場のはずです。
もしや、この王子の側近らしき東洋人の方が、ネズッチさんなのではないでしょうか?
王城の門を通ると、数百段の大理石の階段が続いていました。
ファーストチッキンとバッファローゴローとメーちゃんに別れを告げ、私は馬車をおりて、階段の迫力に圧倒されながらも上り始めました。 なぜこの様に長い階段があるのでしょうか?敵国からの襲撃を考えて、階段を利用して敵兵さんを皆殺しにするためでしょうか?
そんな事を考えながら登っていると、階段の隅にへたりこんで座っている、小さいお婆さんが視界に入りました。服装からして侍女の方の様です。
「あの、大丈夫ですか?」
「あ、お気になさらず。 歳をとり膝関節が痛みだしてる者にとっては、この階段はなかなかの地獄でねぇ。手間取ってたら、お嬢様に置いていかれてしまったんだよ。早く追いつかねばと思うけど、体が思うように動かなくてねぇ」
小柄な丸顔のお婆さんは、そう言ってため息を吐きました。
「そこの、衛兵の方に背負って貰ってはどうですか?」
「貴方は知らないんだね。この国の風習で、この階段は国兵達の力は借りずに登らないといけないんだよ」
「変な風習ですね。なら、私がおぶります」
私が背中を向けてしゃがみ込むと、お婆さんは慌てました。
「そんな、こんな華奢な女の子におぶって貰うのは、悪いわよ!」
「大丈夫です。私は日頃屋敷の階段を、毎日何十往復もして鍛えているので。着痩せして見えるかもしれませんが、脱ぐと凄いんです。ムキムキですよ。ほら、早く乗らないとドレスを脱いで筋肉自慢をはじめますよ」
私がそう言って急かすと、お婆さんはオズオズと私の背中に体重を預けました。
お婆さんはビックリするほど軽かったので、息をきらすことも無く階段を登りきることができました。
背中から下ろすとお婆さんは謝罪やら感謝やらしながら、私のドレスの乱れをセッセと直してくれました。そしてお婆さんは、ペコペコしながら足早に広間に案内してくれました。
広間の中には、煌めくシャンデリアの元に若い女性達の色とりどりのドレスが溢れかえっていました。
色の洪水に目をまわしていると、いつの間にかお婆さんの姿は消えていました。所在なさげに私が立っていると、執事服の男性に、長蛇の列の最後尾に並ぶよう促されました。
何のための列だか、分からずに取り敢えず並んでいましたが、徐々に列が短くなるにつれて分かりました。
どうやら若い女性は順番に一人一人、王子に挨拶と共に自己アピールをしている様です。
自己アピールで歌うご令嬢もいるらしく、見事な歌声が聞こえてきます。
私が王子だったら、百人以上に自己アピールされては、最後の方はウンザリしてしまうかもしれません。私は、自己アピール出来る特技もないですし、一言だけ挨拶するに留めようと思いました。
長蛇の列を待っている間が暇だったので、人間観察する事にしました。魔法使いさんにネズッチさんへの思いは『すり込み』と言われたことに、少し腹が立っていた私は男性を中心に観察する事にしました。
広間の壁際には近衛兵と思われる、紺色の制服を着た見目のいい男性が多く立ち並んでます。
金髪タレ目の甘いマスクの男性、銀髪で泣きぼくろの色気のある男性·····日焼けしたガタイの良い男性など様々な方がいる中で、おひとり気になる男性がいました。
その方は近衛兵とは違う制服で帯刀もしていないので、文官の方のようです。王子のいる奥の間と広間を、書類を持ちながら何やら忙しく歩いているので、王子の側近なのかも知れません。並んでいる令嬢方を案内するのも彼の役目のようです。
涼しい目元と黒髪で、背丈は私より少し高いくらいでしょうか。どうやらこの国では珍しい、東洋人の方の様です。
今はお忙しそうなので無理そうですが、東の大国の話などご存知ならば、ぜひ感染対策の話などしてみたいです。そう思って目で彼をおっていると、バッチリ目が合い彼に話しかけられました。
「君は·····シンデレラか?」
初対面のはずの彼が、私の名前を知っていたことに驚きながらも答えました。
「はい、そうです」
彼は私を上から下まで眺めて、黒色の瞳を丸くして言いました。
「驚いたな·····見違えた·····。さぁ、次はもうそろそろ、君の順番だ。何か自己アピールするか?」
「いえ、特には。一目お会いできれば充分です」
そう伝えると、彼はホッとした様子でした。私は彼の『見違えた』発言に、以前どこかで会ったことがある方だったのかと頭をひねります。
そういえば、ネズッチさんは高級なお菓子を手に入れられる身分で、貴族の名前に詳しい方でした。そして、王子様のことを『いけ好かない王子』と呼んでいたので、王子の人柄を知る立場のはずです。
もしや、この王子の側近らしき東洋人の方が、ネズッチさんなのではないでしょうか?
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