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第十一話 教会
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その教会は、複数の長い塔で構成されていた。
それぞれの塔は、縦に長い流線形の素材が複雑にからみあい形作られていた。
まるで、奇跡的に幾何学的な形を成した、巨大な鍾乳洞を町にそのまま持ってきたかのようだった。
間違いなく人工物だが、「自然美」という言葉がよく似合う建物だ。
背後にある巨大な歯車は、よく見ると教会から少し離れた場所にあるのもので、実際には教会のものではなかった。
教会の自然美と、歯車の機能美は、お互いに相反しながらも、共に美しさと威厳を保っていた。
教会正面のドアを開けると、中は礼拝堂だった。
入り口脇に木製の事務机が置いてあり、白いローブを来たシスターが作業をしていた。
「こんにちは、教会ですか? 民主管理委員会ですか?」
「委員会だ。」
「ご用件は?」
「コイツの参加者登録、新規で。」
「礼拝堂にて少々お待ち下さい。」
全て少年が答えてくれた。
また新しい単語が出てきた気がする。
俺はパンフレットにあったロボがもらえればそれだけでいいのに。
人のいない礼拝堂で待つことになる。
そういえば少年に言われるがままついて来てしまったが、リリーに渡されたメモを途中から見ていなかった。
確認してわかったが、教会(登録所)に辿り着くのは一緒なのだが、馬車から降りてのルートは別の乗り物が指示されていた。
やはり、あの危険な地下道は少年の判断だったか。
ただ、予定よりだいぶ早く到着しているし、お金もかかっていない。
(地下ルートは少年が出してくれていた)
これはあまり金を何かの買い物に回せるかもしれないな。
「んーー!飽きた。 俺は一旦別で遊んでるわ。 またな。頑張れよ。」
少年が立ち去ろうとする。
「色々ありがとう、名前はなんていうの?」
「何でもいいだろ。 終わる頃には戻るよ。」
そう言い残すと、そのまま出て行ってしまった。
名も知らぬ少年だったが、とても親切にしてもらった。
日のあまり入らない教会は、少し冷える。
知らない教会に一人きりになって、心細さを感じる。
精神的にも頼ってしまっていたようだ。
「お待たせしております」
シスターがお茶を持ってきた。
ティーカップに入った暖かい緑茶だ。(紅茶じゃないのか)
飲むと、手足が温まってきた。
「選択する機体は決まりましたか?」
少年が見せてくれたパンフレットよりもっと立派なものをシスターが見せてくれた。
そうだ、俺はまだどの機体にするのかを決めていないんだった。
「そもそも機体をもらって俺は何をすればいいんですか?」
馬車の中と同じ質問をした。
「あなたには機体の育成サポートをしてもらうことになっています。 この国の歴史と政治体制はご存知ですか?」
「何もわからない」
シスターは驚きもせず、いつも通りの業務のように説明を続けた。
シスターの話は長かったので割愛する。
「つまり俺は、どこかの村に所属して、擬似戦闘のようなことをして、村の縄張りの維持・拡大に貢献するのが仕事。 そういうことであってますか?」
俺はシスターに尋ねた。
「そうね、半分あっているわ。でもそれは国民全員が参加出来るお話。 あなたがつけているその指輪に関しては、もう少し話が違うの。」
「あなたには、次世代の機械王様を育ててもらいます。」
どうやら俺は王様の育成係らしい。
それぞれの塔は、縦に長い流線形の素材が複雑にからみあい形作られていた。
まるで、奇跡的に幾何学的な形を成した、巨大な鍾乳洞を町にそのまま持ってきたかのようだった。
間違いなく人工物だが、「自然美」という言葉がよく似合う建物だ。
背後にある巨大な歯車は、よく見ると教会から少し離れた場所にあるのもので、実際には教会のものではなかった。
教会の自然美と、歯車の機能美は、お互いに相反しながらも、共に美しさと威厳を保っていた。
教会正面のドアを開けると、中は礼拝堂だった。
入り口脇に木製の事務机が置いてあり、白いローブを来たシスターが作業をしていた。
「こんにちは、教会ですか? 民主管理委員会ですか?」
「委員会だ。」
「ご用件は?」
「コイツの参加者登録、新規で。」
「礼拝堂にて少々お待ち下さい。」
全て少年が答えてくれた。
また新しい単語が出てきた気がする。
俺はパンフレットにあったロボがもらえればそれだけでいいのに。
人のいない礼拝堂で待つことになる。
そういえば少年に言われるがままついて来てしまったが、リリーに渡されたメモを途中から見ていなかった。
確認してわかったが、教会(登録所)に辿り着くのは一緒なのだが、馬車から降りてのルートは別の乗り物が指示されていた。
やはり、あの危険な地下道は少年の判断だったか。
ただ、予定よりだいぶ早く到着しているし、お金もかかっていない。
(地下ルートは少年が出してくれていた)
これはあまり金を何かの買い物に回せるかもしれないな。
「んーー!飽きた。 俺は一旦別で遊んでるわ。 またな。頑張れよ。」
少年が立ち去ろうとする。
「色々ありがとう、名前はなんていうの?」
「何でもいいだろ。 終わる頃には戻るよ。」
そう言い残すと、そのまま出て行ってしまった。
名も知らぬ少年だったが、とても親切にしてもらった。
日のあまり入らない教会は、少し冷える。
知らない教会に一人きりになって、心細さを感じる。
精神的にも頼ってしまっていたようだ。
「お待たせしております」
シスターがお茶を持ってきた。
ティーカップに入った暖かい緑茶だ。(紅茶じゃないのか)
飲むと、手足が温まってきた。
「選択する機体は決まりましたか?」
少年が見せてくれたパンフレットよりもっと立派なものをシスターが見せてくれた。
そうだ、俺はまだどの機体にするのかを決めていないんだった。
「そもそも機体をもらって俺は何をすればいいんですか?」
馬車の中と同じ質問をした。
「あなたには機体の育成サポートをしてもらうことになっています。 この国の歴史と政治体制はご存知ですか?」
「何もわからない」
シスターは驚きもせず、いつも通りの業務のように説明を続けた。
シスターの話は長かったので割愛する。
「つまり俺は、どこかの村に所属して、擬似戦闘のようなことをして、村の縄張りの維持・拡大に貢献するのが仕事。 そういうことであってますか?」
俺はシスターに尋ねた。
「そうね、半分あっているわ。でもそれは国民全員が参加出来るお話。 あなたがつけているその指輪に関しては、もう少し話が違うの。」
「あなたには、次世代の機械王様を育ててもらいます。」
どうやら俺は王様の育成係らしい。
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