駿河ノ国妖怪物語 ~知られざる妖怪ワールド~

やまねとも

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章6 切り開くもの

低高度飛翔体玩具をペアで買わされる

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『調整の必要なパーツを予備として持っておいたほうがいいんでしょうか?』

『そちらはお客様の方での調整は困難なので、当方でのメンテナンスをお勧めします。下手に調整されますと墜落の危険性が増してしまいますので』

『なるほどー。ちなみにカラスに突かれて墜落とかあるんですかね?』

『簡易版の隠蔽機能とバリアを展開しています。バリアはイノシシの突進くらいなら弾き殺せますよ。強度はこちらのダイアルで調節できます。スズメからオオワシサイズを想定していますね、バリア出力によって航続距離に影響してしまいますが、電算回路を搭載していますので、往復距離を指定しておけば余裕を持って自動帰還できますよ』

メンテナンスは1万kmか、かなりの耐久仕様のようだね。

ちょっと余裕を持たせてもモグッ支部周辺半径30kmくらいの距離の地図埋めくらいなら楽にできそうだ。

『ではデモンストレーションに行きましょうか、今回は見通しの良い場所での試験飛行と、ジャングルエリア、そして風雪厳しい環境で行います。空撮による地図作成やビデオカメラ機能の説明は現地で説明したほうがよいでしょう』

『では、ダイジョーさんの妖怪ウィンドウにデモンストレーション用ソフトウエアをインストールしておきましょうか。今回は地図作成機能ととストリーミング再生機能の2つで良いでしょう』

シュシュシュっとインストールされていくソフトウエア、ス…スパイ系のウイルスとか埋め込まれてないよな?

まぁ空撮自体スパイ行為みたいなもんだし、その気になれば高位種族は相手の思考を読んだり出来るようなので隠し事なんて無意味かな。

『ソフトウエアのインストールが終わりましたので、テレポートしますね』

『はーい』

見慣れたロシアの大地に立つ。妖怪ウェポンを試した場所だな、見晴らしがいい。

いつも思うけどセルゲイさんって簡単にテレポートするよね、かなりの上位魔族?(妖怪?)なのかな?


『少し離れていてくださいね、小屋を出しますので』

セルゲイさんが妖怪ポシェットへ腕を突っ込んで豪邸サイズの小屋?を出現させる。

なにこれ…妖怪ポシェットって空間拡張するとこんなものまで入るの?

ガラス張りのテラスにあるテーブルに案内され着席。飲み物とお菓子まで用意されていますね。

セルゲイさんは開発者用と思しきモニターを妖怪ポシェットから取り出し設置する。

『それでは可視化した状態での飛行デモンストレーションしますね、行動半径は5kmくらいでいきますよ』

ドローン2体はミミミという奇妙な電子音を立てながら飛翔、そのまま違う方向へ飛んでいった。

無音での飛行も出来るのに電子音わざとつけてるよね? 妖怪ビームガンの発射音のときみたいに音をわざとだしているのだろう。

質問したら、「えっ?何言ってるんですか?音出すのは当然ですよね?」という回答が返されるのは明白だ。


ストリーミングで再生されているカメラからのモニタリングは振動もなくスムーズ、安定した飛翔のようだ。

時速は0~100kmで飛翔する。0ということは定点監視も出来るということだろう。

たしか、空中に停止することは移動することよりも技術的に高難易度のはずなのだが、このマッドサイエンティストにとっては何でも無いことなんだろう。

ドローンは5km地点に到達、ターンして戻ってきた。帰路でもマッピングを行っているようだ。こいつはスゲェ!


帰ってきた二体はテーブルの上に着地するとペコリとお辞儀をし待機モードへ移行する。

閻魔くんとユキコネーサンはイチャつき始めた。なんという無駄な機能!だが製作者の底知れぬ熱意を感じるぜ。


作成された地図の説明が行われる。写真モード等高線表示モードまで出来るようだ。

その後、ジャングルにテレポートし、ドローンが障害物を避けて縫うように飛翔するデモンストレーション。

風雪吹き荒れるカナダもしくはシベリアのような過酷な条件下でのデモンストレーションが行われた。

最後にサバンナの水牛をおちょくり突進を跳ね返し気絶させるという予想以上のバリア性能を見せられた。

うん、ドローンって名前ついてるけどドローンじゃないよね!

いったいマッドサイエンティストの脳内ではどのような運用までがドローン扱いなんだろう、わざと出してる電子音を消し、不可視状態でビームガンとかビームニードルを搭載したら暗殺兵器だコレ!

よくよく説明をうけてみるとほうき部分がドローンの本体のようだ、人形ひとがたの部分は飾りらしい。明らかに開発リソースと価格の比率が人形のほうへ行っちゃってるよね?


閻魔くんとユキコネーサンはペアで運用してください!というアツい視線に負けて10台購入の予定だったけど都合20体購入することなった。

だって…1体だけだと寂しそうな表情するんだよ? どういう機能なんだよこれ!

充填式の妖怪エネルギーカートリッジと予備エネルギータンクもオシャレタイプを買わされた。果たして経費として落とせるのだろうか。互助会のショップで買いました!と言い張れれば良いのだけれど。
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