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第5章 上流階級の優雅で華麗な日々
第83話 格の違い Easy win
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俺たちはバイクに乗ったまま突っこむ。レーヴェの指示が飛ぶ。
「正面は私が引き受ける! ゴーエンは左に、サンドマンは右に回れ!」
すぐに「了解」と答え、言われたとおりに亀の左手へ回る。
敵から離れた地点でバイクを止め、速攻で降りて腰のブレードを抜く。サンドマンから通信が来る。
(おい、ゴーエン。準備は?)
(いつでも)
(だったら、3、2、1で同時にジャンプして、亀の甲羅に乗るぞ)
(了解。レーヴェは?)
(君たちの援護のため、亀を挑発する)
(わかった、気をつけて)
(グッド・ラック)
サンドマンの秒読みが始まる。(3……2……1!)。俺は跳び上がる。
甲羅の頂上にある、平らな部分に着地。慌てた亀が振り払おうと全身を揺するが、レーヴェが攻撃を加えて妨害する。
「お前の相手は私だ! うすのろ!」
RPG-7が発射され、着弾して煙をあげる。亀はパニックって身動きが取れなくなり、その隙に俺とサンドマンはこのデカブツを斬り刻む。
ここまで来ればあと一息! 俺は大きくジャンプし、ブレードを逆手に持ち替え、つららを落とす要領で亀へ突き刺す。
「やぁぁぁーっ!」
クリティカル・ヒット。亀のHPがゼロになり、光の粒子を放って消えていく
空中に取り残された俺とサンドマンは、余裕しゃくしゃくで地面に降り立つ。サンドマンが言う。
「ま、こんなもんだ!」
俺はひとまず彼を放置して、いったんレーヴェに報告を入れる。
(こちらゴーエン、目標を撃破)
(おめでとう、お疲れ様)
(こちらサンドマン! おい、レーヴェ、俺にも何かコメントをくれよ)
(あぁ……。お疲れ様)
(もうちょっと感情こめて言えねぇのか!)
(ははは……)
会話の途中、俺たちに助けられたワンダラーたちの一人が近寄ってきて、俺に話しかけてくる。若い女の子だ。
「あの……。ありがとうございました」
俺はそいつの容姿を見る。ツラはともかく、装備は貧弱だ。よくそんな弱い武器で亀と戦おうと思ったな、自殺行為じゃん。
とりあえず、ぶっきらぼうに返事する。
「そりゃ、どういたしまして」
「お礼は……」
「そんなん要らないって。貧乏人からガラクタもらってもしょうがない。……うん?」
いきなり俺の脳内にアラームの音が響きわたる。ピピーッ、ピピーッ。くそ、もうこんな時間かよ。
仲間内だけで使えるチャット回線で話す。
(レーヴェ、サンドマン、ちょっと言いたいんだけど。実はこれから予定があってさ。先にログアウトさせてもらうよ)
残念そうにレーヴェが(そうか……)とつぶやき、今度はサンドマンが言う。
(その予定、延期できねぇの?)
(無理だよ、だってパパからの呼び出しだもん。とにかく、また今度ね。お疲れ様)
(しょうがねぇな……。お疲れ様)
レーヴェからも(お疲れ様)と返事が来る。とりあえずこれで良し。俺は大急ぎでログアウト処理を行う。
まったく、せっかく盛り上がってきたところだったのに……。いったいパパは何の用事があるんだか。
「正面は私が引き受ける! ゴーエンは左に、サンドマンは右に回れ!」
すぐに「了解」と答え、言われたとおりに亀の左手へ回る。
敵から離れた地点でバイクを止め、速攻で降りて腰のブレードを抜く。サンドマンから通信が来る。
(おい、ゴーエン。準備は?)
(いつでも)
(だったら、3、2、1で同時にジャンプして、亀の甲羅に乗るぞ)
(了解。レーヴェは?)
(君たちの援護のため、亀を挑発する)
(わかった、気をつけて)
(グッド・ラック)
サンドマンの秒読みが始まる。(3……2……1!)。俺は跳び上がる。
甲羅の頂上にある、平らな部分に着地。慌てた亀が振り払おうと全身を揺するが、レーヴェが攻撃を加えて妨害する。
「お前の相手は私だ! うすのろ!」
RPG-7が発射され、着弾して煙をあげる。亀はパニックって身動きが取れなくなり、その隙に俺とサンドマンはこのデカブツを斬り刻む。
ここまで来ればあと一息! 俺は大きくジャンプし、ブレードを逆手に持ち替え、つららを落とす要領で亀へ突き刺す。
「やぁぁぁーっ!」
クリティカル・ヒット。亀のHPがゼロになり、光の粒子を放って消えていく
空中に取り残された俺とサンドマンは、余裕しゃくしゃくで地面に降り立つ。サンドマンが言う。
「ま、こんなもんだ!」
俺はひとまず彼を放置して、いったんレーヴェに報告を入れる。
(こちらゴーエン、目標を撃破)
(おめでとう、お疲れ様)
(こちらサンドマン! おい、レーヴェ、俺にも何かコメントをくれよ)
(あぁ……。お疲れ様)
(もうちょっと感情こめて言えねぇのか!)
(ははは……)
会話の途中、俺たちに助けられたワンダラーたちの一人が近寄ってきて、俺に話しかけてくる。若い女の子だ。
「あの……。ありがとうございました」
俺はそいつの容姿を見る。ツラはともかく、装備は貧弱だ。よくそんな弱い武器で亀と戦おうと思ったな、自殺行為じゃん。
とりあえず、ぶっきらぼうに返事する。
「そりゃ、どういたしまして」
「お礼は……」
「そんなん要らないって。貧乏人からガラクタもらってもしょうがない。……うん?」
いきなり俺の脳内にアラームの音が響きわたる。ピピーッ、ピピーッ。くそ、もうこんな時間かよ。
仲間内だけで使えるチャット回線で話す。
(レーヴェ、サンドマン、ちょっと言いたいんだけど。実はこれから予定があってさ。先にログアウトさせてもらうよ)
残念そうにレーヴェが(そうか……)とつぶやき、今度はサンドマンが言う。
(その予定、延期できねぇの?)
(無理だよ、だってパパからの呼び出しだもん。とにかく、また今度ね。お疲れ様)
(しょうがねぇな……。お疲れ様)
レーヴェからも(お疲れ様)と返事が来る。とりあえずこれで良し。俺は大急ぎでログアウト処理を行う。
まったく、せっかく盛り上がってきたところだったのに……。いったいパパは何の用事があるんだか。
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