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プロローグ
しおりを挟む「お花見かんぱーい!!」
満開の桜の下でのビールにくぅ~っと幸せを噛み締めて、焼き鳥を頬張る女子二人。
奏那(かなた)が用意してくれたレジャーシートは、私達二人が座るのにちょうどいいサイズで、私達の間には焼き鳥やビールを置けるスペースもあった。
さすが、花見大好き人間だ。
奏那は、レジャーシートにゴミ袋、ティッシュペーパー、膝掛け、そして胃薬まで準備してきたらしい。
花見会場に着いた途端に、レジャーシートをバサっと広げた彼女をみて、納得した。待ち合わせに現れた奏那のバッグが不自然にパンパンだったのはこれのせいだったのか、と。
そして、胃薬は私の為に違いない。
「電車の中で真っ青な顔してる遥(はるか)をみて、私が薬を持ち歩くしかないと思ったよ。」
とは、奏那の言葉だ。
それ以来胃薬を財布に入れて、苦しむ私に素早く差し出してくれるようになった。
いつでも、胃薬を持ち歩くようになったのは私達がいつも一緒にいたからっていうのもあったと思う。
出会ったのは中学の時で、仲良くなったのは社会人になってからだ。
お互いなんとなく遊んでいたら、気が合うことがわかって、それからは二人で一緒にいることが多くなった。
「やっぱり花見は最高だね。日本の心だね。」
とうとう、ビールから日本酒に切り替えたところで、視界が揺れ始めた。
あ~。飲みすぎたな。
なんて思ったけど、体ごと揺れていた。
「ちょっ。かなた、やめて、気持ち悪くなるから!ゆらさないで!」
「見て見て!!はるか!空からビー玉が!!」
あ、こいつ完全に出来上がってる。
「ちょっと!見てってば!空!ほら!つかまえて!」
そして見上げた空から、本当にビー玉がゆっくり降ってきていた。
「あ、本当だ。」
「わー!綺麗!」
瞳をキラキラさせながら、手を伸ばす奏那につられて私も手を伸ばして青いビー玉をつかまえた。
その瞬間、爆破したような大きなドーンという音と、強烈な光りで覆われた。
佐藤 遥(さとう はるか)28歳
佐藤 奏那(さとう かなた)28歳
仲良しシュガーコンビと呼ばれた私達はこの日、地球から消え去った。
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